
【北中米W杯出場国紹介|第13回:スコットランド】3月に日本と対戦。サイドで違いを作るドークが前を向けば高確率でチャンスメイク
スコットランドは、イギリスを形成するカントリー(Countries of the United Kingdom)の一つ。サッカーにおいては19世紀の後半から独自の協会(SFA)が存在しており、イングランド、ウェールズ、北アイルランドとは別の代表チームとして活動している。
かつてはリバプールで活躍したケニー・ダルグリッシュやマンチェスター・ユナイテッドの第二次黄金期を支えたデニス・ローなど、世界的な名選手を送り出してきた国としても知られる。
北中米W杯では、28年ぶり9度目の出場となるが、これまで一度もグループステージあるいは一次リーグを突破したことがない。48か国に拡大した今回はラウンド32からの決勝トーナメントとなるため、各組3位の成績上位でも勝ち進むことができるのは、スコットランドにとっても大きなチャンスだろう。
欧州予選はC組で、デンマーク、ギリシャ、ベラルーシと戦った。絶対的な本命はいないが、平均レベルの高いグループで奮戦。最後はグラスゴーの聖地ハムデンパークで、最大のライバルだったデンマークに4-2の勝利。そのうち2得点は後半アディショナルタイムに記録したもので、激闘を制してストレートインを勝ち取った。
特に相手のクリアボールをダイレクトで合わせたキーラン・ティアニー(セルティック)による勝ち越し弾は、いつまでも語り継がれる伝説的なゴールだろう。
スコットランドはサー・アレックス・ファーガソンなど、数多くの名将を育ててきた国でもあり、これまで代表チームでの外国人監督は、2002年から04年に率いたドイツ国籍のベルティ・フォクツしかいない。
現在「タータン・アーミー(スコットランド代表の愛称)」を指揮するスティーブ・クラーク監督は就任7年目となる。プレミアリーグを2連覇した当時のチェルシーで、ジョゼ・モウリーニョ(現・ベンフィカ監督)をコーチとして支えるなど、理知的な指導者としても知られる。
4-2-3-1と4-1-4-1を使い分けるチームで、最前線からチームを引っ張るのがチェ・アダムス(トリノ)だ。カリブ海にルーツを持つストライカーで、決して大柄ではないが、抜群のボディバランスを駆使して攻撃に深みをもたらす。プレッシングの貢献度も非常に高く、本大会でも最も欠かせない選手の一人だろう。
ターゲットマンとしては188センチのリンドン・ダイクス(チャールトン)や191セントのジョージ・ハースト(イプスウィッチ・タウン)もおり、試合の状況次第ではシンプルにクロスボールを入れていく2トップも選択肢だ。
攻撃的なポジションでは、サイドから個人で違いを作り出せる、20歳のベン・ドーク(ボーンマス)も重要な武器になっている。デンマークとの最終決戦では、中盤の大黒柱であるスコット・マクトミネイ(ナポリ)の先制ゴールをアシストした。
相手をそれほど支配できていなくても、ドークが前を向いてボールを持てば、高い確率でチャンスをもたらせるというのが、チームの共通理解になっている模様だ。
ジョン・マギン(アストン・ビラ)は必要に応じて中央でもサイドでもアクセントになれる万能型のタレントで、マクトミネイや左利きのMFライアン・クリスティー(ボーンマス)との多彩なコンビプレーでチャンスを切り開く。
最終ラインの左サイドからチームをまとめるのが、アンドリュー・ロバートソン(リバプール)だ。かつてスコットランド4部に所属し、アルバイトで生計を補っていた経験もあるロバートソンは若手選手の良き見本であり、プレー面でも攻守に安定感をもたらせる存在だ。
右サイドバックのアーロン・ヒッキー(ブレントフォード)は迫力ある攻め上がりを武器とする気鋭のタレントで、左右の足から鋭いクロスを繰り出すことができる。彼をいかに相手陣内で攻撃に関与させられるかは、スコットランドの勝利の鍵になりうる。最後の砦となるのは43歳になった百戦錬磨のGKクレイグ・ゴードン(ハーツ)だ。
本大会では、優勝候補のブラジルと前回ベスト4のモロッコが同居する厳しいグループに入ったが、初戦でハイチに勝利して、勢いよく次のモロッコ戦に臨めれば、3位の成績上位と言わず、2位以内でのラウンド32も見えてくる。
3月には日本とハムデンパークで親善試合を行なうが、本大会の勝ち上がり次第ではラウンド32での再戦も十分にありうるだけに、注目しておきたい国の一つだ。
文●河治良幸
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