2・11後楽園大会で杉浦貴の挑戦を受けるGHCヘビー級王者Yoshiki Inamura。
Yoshikiにとって杉浦はファン時代からの憧れの存在だった。だからこそ正々堂々の真っ向勝負を呼びかけてきたが、当の杉浦は前哨戦で連日イスを持ち込んで暴走。セコンドを固めるTEAM 2000Xも手を出し放題で、Yoshikiの主張は虚しく響くばかりの日々が続いている。
そこでYoshikiはあえて「悪い杉浦と闘う」ことを決意。凶器の使用を認める代わりに、WWEやAEWで採用されているシャークケージマッチ(サメ観賞用の鉄檻にセコンドを監禁して介入を阻止する試合形式)を要求した――。
【Yoshiki Inamuraインタビュー】
――杉浦貴とのGHC防衛戦が近づいてきました
▼Yoshiki「(1・25)大阪での前哨戦でもマイクでネイキッド一貫…裸一貫、ボディとボディをクラッシュさせるファイトを!…って言いましたけど、いろいろと考える中で、やっぱりそれは難しいのかな…と思い始めています。でも、考えてみればミスター杉浦のキャリアのなかで“悪い杉浦貴"という時期はレアなシチュエーション。むしろこれは“オイシイ"状況なのかな?って思うようになりました」
――確かにクリーンファイト要求は完全に無視されていて、覆りそうにない
▼Yoshiki「だから悪い杉浦貴と戦う。そう腹をくくりました。けど、1on1…1対1でやりたい気持ちは変わっていません。だからミスター杉浦が望むのであれば、ウェポン(武器)を使ってもいいですし、スニーキーでダーティな手を使ってもらってもいい。でも、もうほかのTEAM 2000Xはいらないでしょう! ノーモアTEAM 2000X!」
――1対1の状況だけは担保したい、セコンドの手出しは無用だと…何か具体策はある?
▼Yoshiki「イエス! T2000Xのメンバーを全員ロッカールームに入れて鍵をしめちゃうのも良いんですけど、オーディエンスにも分かりやすい状況を作りたい。ミーのイメージとしては、たとえばメンバーをケージに閉じ込めて手が出せないようにするとか。日本風にいえば鉄檻マッチ、海外風にいえばシャークケージマッチ。ミーとしてはシャーケージマッチを望みます。それが難しいなら、TEAM 2000Xのメンバーを何かに閉じ込めておいてほしい」
――T2000Xのメンバーが絶対に試合に介入できない状況を明示したうえで試合がしたいと?
▼Yoshiki「イエス。そのうえで完全なる1on1をやるなら、ジャッジももっと厳格にしてほしいですね。ちゃんとサブレフェリーを用意するとか。フェアでピュアな状況で試合ができるように。もちろんT2000Xのメンバーはイエスとは言わないでしょう。でもミーは今チャンピオンですから、試合のルールを決めるパワーはあると思うんで、そこはオフィスに掛け合いたいなとは思っています」
――改めて杉浦貴への憧れというのは?
▼Yoshiki「とにかくミーはミスター杉浦のことが大好きなんです。ミーがプロレスリング・ノアを見始めた頃から、フェイバリット(お気に入り)な選手の一人でしたし、入門して実際ファイトするようになってからも、その気持ちは変わらなかった。ましてやプライベートでもすごくリスペクトできる存在。ミーがNOAHでファイトしていたい…って思う大きなリーズン(理由)の一つは『ミスター杉浦がいること』なんです」
――杉浦さんは肉体こそ凶器…を地で行くスタイルでした
▼Yoshiki「イエス! ジュニアハイスクールの頃にNOAHを見て、そこまで身長が高いわけじゃないのに、あそこまで高密度なマッスルを搭載していて、ストロングな日本人がいるんだ…って驚きました。プロレスラーになって、実際ボディでそれをフィールした時、この人は本物のプロレスラー、ミーが憧れるプロレスラーだな…って改めて強く思いましたね」
――杉浦貴の試合で印象深いものとは?
▼Yoshiki「NOAHの10thアニバーサリー(旗揚げ10周年記念)に有明コロシアムで行われた(2010年7月10日)のミスター杉浦とミスター高山(善廣)によるGHC戦ですね。あれこそボディとボディをぶつけ合う、お互いの強さをぶつけ合うファイト。あの大きなミスター高山に、ミスター杉浦が正面からぶつかっていくっていう。あの試合は本当に何回も見ましたし、これこそミーがやりたいプロレスだ!と思いました」
――そんな憧れの人であり、恩人でもある杉浦貴を挑戦者として迎え撃つ日がくるとは…
▼Yoshiki「ずっと望んできたシチュエーション。これまでいろんな節目でミスター杉浦とはファイトしてきました。7番勝負もそうですし、ミーがイギリスに行く前の壮行試合でもファイトしました。ほかにもタッグだったら数え切れないくらいファイトしてきましたから、ミスター杉浦をチャレンジャーとして迎え撃つ日がくるなんて……本当にベリーハッピーなシチュエーションだと思います。そもそもミスター杉浦に勝ったことがないですからね。今こうしてチャンピオンとしてミーのストレングス(強さ)を示しているなかで、さらに一度も勝ったことがないミスター杉浦に勝つことができれば、ミーのチャンピオンロードでも一番大きなエクスペリエンスになると思います」
――兄貴分だったマサ北宮に続いて、憧れだった杉浦にも勝つことで恩返しがしたい?
▼Yoshiki「勝ったところで“恩返しされた"なんて思わないかもしれないですし、たった一回の勝利ですべてが変わるとも思っていませんけど、もしミーのこのオネストな…正直な気持ちがファイトを通じて伝わって、ミスター杉浦がまたニッコリと笑いながら『成長したな』って言ってくれたら……きっと泣きますね。ティアーズ(涙)不可避だと思います」
――1対1が叶ったならば杉浦とどう闘う?
▼Yoshiki「ミスター杉浦自身もきっと感じているとは思いますけど、年齢に伴うボディの老いっていうものには人間抗(あらが)えないんで、それも今の(ダーティな)ファイトスタイルをしている理由の一つなのでは?…とミーは考えてるんですよ。ミーはボディサイズと勢いではミスター杉浦に勝ると思ってます。だからこそミスター杉浦と一番最初にシングルでファイトした時ぐらいの初心にかえったうえで、真っ向から勢いで潰したい」
――あえてフィジカルで圧倒したいと?
▼Yoshiki「でも、ミスター杉浦は根本的なフィジカルが強いです。アマチュアレスリングの“差し"だったりスパーリングをやったこともありましたけど、体の中に凄く“ぶっとい芯"が通ってる感じでした。強い人と当たった時って、いつもそれを感じるんですよ。ミスター(佐々木)憂流迦とかもそうなんですけど、こう手を手を組んだ時に、力じゃ絶対動かせないように感じることがある。ミスター杉浦もまさにそれで、ヤングな頃に相当努力したものが体の中に揺るぎないものとして備わっているんだな…って。だから、その“ぶっとい芯"ごとクラッシュするつもりでぶつかっていきたいと思います」
――そして杉浦を倒して、今度こそ拳王とやりたい?
▼Yoshiki「ミーの“想い人"であるミスター拳王。次こそやりたい気持ちはありますけど『ここまできたらTEAM 2000Xを全員倒す』とも言っちゃいましたし、今回はベルトを防衛した後、最終的にミーの目の前…フロントにスタンドしている相手とファイトしようと思ってます」
――本番となる2・11後楽園大会はGHCタッグ防衛戦を行う『LOS TRANQUILOS de JAPON』内藤&BUSHI組が大きな注目を集める状況となっている
▼Yoshiki「確実に話題になってますし、実際彼らのカードが発表された後にチケットもソールドアウトしてる。でも、ミーがチャンピオンとしてメインでファイトする以上、ミーがオーディエンスを会場に呼ばなきゃいけない。直接ファイトするかしないかは別として、話題性だったりとか。 オーディエンスを呼ぶという面ではすごく意識はしますよね。いつかミーが彼らとファイトしたい!…とオファーすることもあるかもしれませんけど、ミーは無理強いは絶対にしたくない。彼らがいつまでNOAHでファイトするか分かりませんけど、いつかファイトして今のNOAHのチャンピオンの強さっていうものを彼らに見せつけたい、という思いもあります。けど、試合の印象度では負けませんよ。ミーとミスター杉浦の試合であれば、絶対の自信がありますから」

