
【展望|J1百年構想リーグEAST】混戦必至のグループ、本命に推したいのは柏。横浜FMの2年目指揮官はスタートから軌道に乗せられるか
2025年のJ1王者である鹿島と2位の柏、捲土重来を狙う横浜FMや川崎、天皇杯王者の町田、ACLエリート獲得に並々ならぬ意欲を見せる浦和など、ハイレベルな競争が予想されるJ1百年構想リーグのEAST。そして“関東リーグ”という声も聞かれるほど、移動の負担もほとんどないのは大きな特徴だ。
アウェーのサポーターも足を運びやすい。それだけにアウェー席のチケットは争奪戦のようだが、満員のスタジアムで熱気のある試合が毎週末に観られるだろう。
やはりポイントは半年間、18試合でグループの順位が決まるということ。通年のリーグでも、前半にやや低迷したところから、夏場以降に巻き返してくるチームもよく見られるが、そういったことは今回通用しない。
言い換えると、スタートダッシュがうまく決まれば、現時点で優勝候補と言えないようなチームにも、少なからずチャンスが出てくるのだ。そこにPK戦による勝点計算の違いが、どう結果に影響してくるかは正直、現時点で予想はしにくい。
混戦必至のグループで、強いて本命を挙げるなら、やはり鹿島か柏だろう。筆者の予想としては柏を筆頭に推したい。全体的に静かだったJ1の移籍市場にあって、柏は大久保智明、山内日向汰、汰木康也というリカルド・ロドリゲス監督の構築するベースにアクセントを加えられそうな実力者を獲得した。
小屋松知哉の名古屋移籍やジエゴの神戸移籍はあったが、トータルで上積みがあると見ている。また、1年目から高い浸透度を見せた戦術面も、千葉とのちばぎんカップで上積みを感じさせており、さらに全体の強度が上がってきたら、安定して勝点3を狙える素地はでき上がりそうだ。
もう1つ、理由としてあるのが百年構想リーグに優勝して、ACLエリートの権利を完全に獲得するという目標があることだ。昨シーズンは2位で仮の権利は得ているが、現在行なわれている25-26シーズンの結果次第で、失われる可能性が残されている。
チームリーダーの古賀太陽は、自分たちでACLエリートの権利を掴み取るというのが、チーム内でも合言葉になっていることを明かした。昨年ベスト11の小泉佳穂も「このチームで、どれだけアジアでやれるか確かめたい」と語るように、柏にとって百年構想リーグはJ1の26-27シーズンのプレ大会でもなければ、チームを作り上げる場所でもない。昨年のリーグ優勝を惜しくも逃したリベンジも含めて、強い気持ちを感じる。
無論、鹿島もキックオフイベントに登壇した松村優太が主張した「鹿島が逃していいタイトルなど1つもない」という言葉は真実だろう。その大前提があるなかで、若い選手を積極的に起用していく半年間になることも予想される。
また鬼木達監督が1年目にいきなりタイトルを狙ったなかで、保留していたビルドアップの再構築など、目の前の勝敗以外にも、向き合うべきテーマもあるはず。そうしたトライが勝負でプラスに出るか、マイナスに出るかは未知数なところだが、そこはどのチームにも言えることだ。
新加入はルーキーや昇格選手のみだが、2024年の主力センターバックだった関川郁万や左膝の負傷を乗り越えた安西幸輝の復帰は主力クラスの補強にも等しい。
柏と鹿島に関しては、どういう結果になるとしても紙一重であることが予想されるが、元エースのエリキが復帰の町田は、戦力的にも首位でプレーオフに進んでもまったくおかしくない。ただ、やはり25-26のACLエリートで、悲願のアジアタイトルが射程圏に入ってくるほど、プライオリティの置き所は難しくなってくるだろう。
浦和、川崎、横浜FMは監督が継続で、特殊な大会であってもタイトルを狙いに行ける状況にあるのは確かだ。横浜FMは昨シーズン、残留争いを強いられた終盤戦で見せた奮起を勢いに変えて躍進を果たしたいが、途中就任だった大島秀夫監督が、スタートから軌道に乗せていけるかは注目だ。
FC東京は日本代表MFの佐藤龍之介が、大きな成長を遂げて岡山から復帰するなど、明るい材料が多い。新潟から来た橋本健人や京都から加入の山田楓喜など、新天地でもうひと化けしそうなタレントもおり、この半年間の大会で、既存戦力とどう組み合わされていくのか。松橋力蔵監督にとっても正念場になってきそうだ。
東京Vは昇格から2年連続の残留を果たしたが、守備のリーダー格だった谷口栄斗が川崎に移籍。2年目のDF鈴木海音や、谷口と入れ替わるように川崎から加入した田邉秀斗の奮起に期待したい。攻撃的なポジションでは、特別指定選手から実質4年目となる22歳のMF新井悠太が、正真正銘のブレイクを果たせるか。
J2優勝で初昇格の水戸と、17年ぶりのJ1となる千葉にとっては、大きなチャレンジになることは間違いない。千葉はちばぎんカップで柏に1-2で敗れたが、小林慶行監督も認めるように、結果以上にJ1上位との差を痛感させられた。しかし、この苦い経験を浦和とのホーム開幕戦に活かせれば、しぶとく勝点を稼ぎながら、J1の強度に順応していく道筋を立てやすい。
水戸は最終ラインの中心だった鷹啄トラビスがC大阪、U-23代表のMF齋藤俊輔がベルギー1部のウェステルローに移籍するなど、主力のアウトがあったが、昨年の終盤に堅守の徳島で活躍した井上聖也や、今治の絶対的なレギュラーだったダニーロを獲得。さらに仙台からサイドバックとウイングをこなせるDF真瀬拓海、甲府から技巧的なMF鳥海芳樹、いわきから球際に強い左利きの山下優人など、まさしく昨シーズンのJ2選抜のようなメンバーが集った。
正直、現時点で上位に予想はできないが、彼らの個性が樹森大介監督の采配で噛み合ったら、かなり面白い存在になりうる。
文●河治良幸
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