公共財団法人東京都農林水産振興財団 地産地消推進課長の武田さんは「今こそ東京うどの魅力を積極的に発信していきたい」とコメント。
江戸時代から受け継がれてきた味を、いまの食卓にどう届けていくのか。食材の背景と、料理としての可能性を同時に体感できる時間になりました。
東京うどとは?江戸東京野菜に受け継がれる存在

「東京うど」は、江戸時代から東京近郊で栽培されてきた伝統野菜のひとつで、現在も都内を中心に受け継がれている春野菜です。
爽やかな香り、白くやわらかな食感、えぐみの少なさが特徴で、酢味噌和えなど生食にも適しているのが魅力。
また東京うどは、「江戸東京野菜」と呼ばれる、江戸から続く東京の食文化を支えてきた野菜群のひとつでもあります。都市の発展とともに姿を消していった野菜が多い中で、今なお生産が続けられていること自体が、貴重な文化的価値を物語っています。
さらに、多くの野菜が海外をルーツに持つ中で、うどは日本発祥・日本原産の野菜である点も特徴のひとつ。日本の風土の中で育まれてきた背景を知ることで、東京うどという存在への理解がより深まります。
一方で、生産者の減少や生産量の縮小により、現在では市場で見かける機会は限られています。だからこそ、その背景や育て方、味わいをきちんと伝えていくことが、いま強く求められています。
手間と時間を惜しまない「軟白栽培」が生む、上質な食感

東京うど最大の特長は、収穫前に行われる「軟白栽培」です。
畑で1~2年かけて根を太らせた後、冬に根株を掘り取り、地下室や土室など光を遮断した環境で育てることで、白く太い新芽を伸ばします。日光を遮ることで繊維はきめ細かくなり、やわらかく、口あたりの良い上質なうどに仕上がるのです。
この工程には、長い時間と細やかな管理が欠かせません。手間暇がかかる分、生産量はどうしても限られますが、その分、品質の高さと希少性は高く評価されています。
