天ぷらだけじゃない。和洋中に広がる東京うどの可能性

行われた試食会では、筆者のうど料理のイメージを大きく覆す体験となりました。
その料理を手がけたのは、Peace Kitchen TOKYOのシェフ・比嘉 康洋さん。比嘉さんは、東京うどの生産者の畑に実際に足を運び、畑の環境や食材の個性を確かめたうえで、今回のレシピを開発しました。
東京うどは、えぐみが少なく、香りがやさしいため、素材そのものの味を生かした料理と相性が良い野菜。調理法やジャンルを問わず、主役にも脇役にもなれる懐の深さが、今回のメニューからも伝わってきます。
この日提供されたのは、前菜からメイン、締めまで、東京うどを多角的に楽しめる構成。前菜5種では、「東京うどのポタージュ」、「東京うどと蟹のサラダ」、「東京うどと海老の春巻き」、「東京うどの肉巻き」、「東京うどと自家製からすみ」が並びました。

「東京うどの肉巻き」は、東京うどのやさしい香りと食感がジューシーな黒豚と重なり、「ありそうでなかった組み合わせ」と感じさせる一皿。「東京うどと蟹のサラダ」も、繊細でやわらかな食感同士が心地よく、相性の良さが際立ちます。

「東京うどと自家製からすみ」は、大根の代わりに東京うどを使うアイデアが新鮮で、「日本酒が進みそう」といった声も。自宅でも簡単に取り入れられそうな発想に、会場の空気がふっと盛り上がったのも印象的でした。

メインは「東京うどの根っこと牛すじ肉の赤ワイン煮込み」。普段はあまり注目されることのない“根っこ”まで使った料理に、思わず「え、根っこも?」と驚きの声が上がり、シェフの腕が光る一皿として強く印象に残りました。
添えられた「おいねのつる芋マッシュポテト」との相性も良く、洋の要素を取り入れながら素材の魅力を丁寧に引き出していました。

締めは、「東京うどの土鍋ご飯」と、「東京うどのお味噌汁」。土鍋ご飯にはゴロゴロと東京うどが入り、やっぱり和食との相性の良さはピカイチだと実感します。
会場では「純和食だけでなく、新たな角度から広げていきたい」といった声も上がり、和洋中どの方向にも伸びていけそうな手応えがありました。
スーパーや直売所などで見つけたら、ぜひ手に取ってほしい野菜でした。
