高市早苗首相が1月31日の衆院選の応援演説で「外為特会(外国為替資金特別会計)で運用が今、ホクホク状態だ」と発言したことについて、みずほ銀行が反論した。「高市演説を受けて~危うい現状認識~」と題し、高市首相発言を批判するチーフマーケット・エコノミスト名義のレポートを2月2日に公開したのだ。衆院選の最中だけに、野党などからは我が意を得たりとのコメントが相次いだ。
みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏が示した見解は、以下のようなものだった。
〈「為替が修正されれば、日本企業の行動変容が劇的に期待できる」という前時代的な価値観が温存されている可能性の方が気になったし、さらに言えば、外為特会がはたして有事の際に温存されておくべき弾薬と理解されているのかどうかも気がかりであった〉
一人のエコノミストとしての立場ならば発言の自由はあるが、特筆すべきはこの一文が「みずほマーケット・トピック」として出されていることだ。事実上、みずほ銀行がお墨付きを与えていると言っていい。
LINEヤフーの川邊健太郎代表取締役会長はXに、こう書き込んだ。
〈選挙期間中にもかかわらず、みずほ銀行が現政権に批判的な分析を公開していて話題です。選挙期間中に銀行がこういうレポートを出すのは、なかなか珍しいことなのではないかと、私も思います〉
みずほフィナンシャルグループの社長は木原正裕氏で、自民党の木原誠二元官房副長官の兄として知られる。さっそくある自民党閣僚経験者は、
「さんざんシステム障害を起こして世間に迷惑をかけておきながら、よく言うよ」
と不快感を示している。別の自民党中堅議員が冷ややかに言った。
「衆院選の最中であり、こうしたコメントを出せばハレーションが出ることは十分承知の上での発信と言っていい。高市首相よりも財務省に忠誠を誓ったのでは。選挙結果を見て真っ青にならなければいいが」
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

