報道各社の情勢調査で自民党に好調な予測が続いている衆院選。浮かれモードにならないよう必死な自民とは対照的に、中道改革連合は公示前勢力からの議席半減も現実味を帯び、党内に衝撃が走っている。なかでも今回割を食うのは公明党出身者ではなく立憲民主党出身者。「3人に1人しか生き残れない」現実を前に、立憲出身候補の胸のうちは。そして選挙後、中道を待ち受ける運命とは。
「公明から30年以上前に亡くなった父へ電話が」実はボロボロ? 公明の票集め
「中道頑張って!」「声がいいね!」
衆院選の公示後、立憲・公明出身の両幹部とともに街頭に立った立憲出身候補は、公明の支持母体・創価学会の会員とみられる女性たちから熱烈な握手ぜめを受け、これまでの立憲支持者にはない熱気におされたという。
「拍手とか歓声の勢いがすごいんだよ。応援の熱量がすごくて、自分たちに追い風が吹いていると勘違いしちゃうね」(立憲出身候補)
そんな現場の熱気とは裏腹に、報道各社による情勢調査は中道を青ざめさせるものだった。
朝日新聞の情勢調査では、自民・維新で300議席超をうかがう勢いで、中道は公示前の167議席から半減する可能性もある、との予測だった。
「ほかにも、明らかにしてはいませんが自民のみで300議席超という予測結果が出たメディアもあったそうです。中道の議席半減は現実味を帯びてきています」(全国紙政治部記者)
こうした状況のもと、創価学会が全国100以上の選挙区を重点選挙区として指定し、巻き返すよう指示を出した、という情報も永田町を駆け巡ったが、公明・創価学会のF票(フレンド票)集めの底力にも疑問符が……。
ある地方では「『公明の人から、30年前に亡くなった父あての電話がかかってきた』『15年以上前に亡くなった親に宛てたハガキが届いた』といった知り合いが何人もいます」という証言も。
自民関係者は「今まで公明は自民から提供された名簿を使って投票依頼をしていたけれど、自民と離れ自分たちの持っている名簿で活動しようとしたら、名簿も古くずさんな状況だった、ということでは。公明・創価学会の集票力に期待した立憲が馬鹿を見た、ということでしょうか」と冷ややかに語る。
割を食うのは立憲のみ…「公示前の3分の1」の衝撃
小沢一郎氏など大物までもが各地で苦戦する中道。その中で立憲出身者からは「割りを食うのは立憲だけだ」との嘆きが漏れる。
朝日新聞の情勢調査では、中道の推計獲得議席数は60~87(中心値74)で、公示前勢力の167議席からは半減する予測となっている。
仮に中心値の74議席を獲得した場合、選挙区は32議席、比例区は42議席の獲得と推計されている。
ただ、比例名簿の上位はほぼ軒並み公明出身者の28人が占めているため、立憲系候補は比例・小選挙区合わせてわずか50人弱しか当選しないことになりそうだ。
これは立憲系議員の公示前勢力の3分の1にも満たない。いっぽう、比例名簿の上位に登載された公明系候補が全員当選したとすると、公明は公示前勢力からわずかではあるが議席を増やすことになる。
「そもそも中道を結党した背景には、立憲の党勢が低迷していたこと、公明も自民との連立を離脱し、小選挙区での勝利は難しかったことがありました。
立憲は小選挙区ごとに1~2万票あるとされる創価学会票がほしい、公明は小選挙区から撤退し確実に比例で議席を獲得したい、という双方の思惑が一致し、合流に至りました。
立憲・公明いずれもが『それぞれが単独で選挙に臨むよりはマシな結果になる』とみていたんです」(全国紙政治部記者)
しかしふたを開けてみれば、公明系は横ばいか、わずかに議席を増やせるものの、立憲系は公示前の3分の1弱、というように明暗が分かれそうな状況なのだ。

