作曲の方法について
高校生の頃から作曲を手掛けていたという粗品。その方法は「コードを先に決めて当てる」、「鼻歌にコードをつける」の二つのやり方があるとした。
そもそも、コードとはなんなのか。そんな超基礎の話もしていく。ドレミファソラシドの単音の組み合わせは旋律、そこに3つぐらいの音を同時に弾いて伴奏するのがコードである。
「コードを先に決めて当てる」場合は、「感覚でやるか」、「理論でやるか」のさらに二つに分けられる。自身が感覚でできるかどうかを理解することで、できないなら理論でやればいいと方向性を理解できる。
メロディが降りてきたら録音する。それを曲にするにはコードをつける必要がある。鼻歌を実際に歌いながら、コードを試して、しっくり来るものを試していく。これが感覚で付けるパターンだ。
理論でするときは、鼻歌をメロディで弾き、そこに構成音を探っていくことになる。それを粗品は、機材トラブルに見舞われながらも、なんとか実践してみせた。
コード進行は学べば学ぶほど面白く、こねくり回していろんなことをしたくなる。そうした奥深さがある。そうした音楽理論を理解する一つ手前の感覚的なコードについての話もした。
「きらきら星」を使って、ひとつのメロディに対して、「いろんなコード進行をつける」を実践した。王道、そこから変化をつけて少し外して違和感ない範囲を探ってみせる。
さらに、自身の曲を題材に、基本とされる王道コード進行から階段的に半音下げていく進行、わざと不協和音をいれていくコード進行。それぞれの好みによって、王道、オシャレ系、コード変態のようなタイプ別があることを明かした。バズる曲を作る人はコード変態になりがち、とも。
ここで違和感のあるコードの正体、分数オーギュメントについても解説した。
自作の玉野競輪のイメージソング「車輪疾駆の風々」の楽譜を題材に、分数オーギュメントにフラットファイブ、セブンスといったコードを使っているとした上で、今は違和感のあるコードでも上級音楽家が評価してくれる時代だとした。これもまたテクニックである。
音楽流行とそれに対するアプローチ
後半戦は技術の話から一転、アプローチの話が始まった。まさに、『ラーメン発見伝』芹沢達也の言葉「いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ」だ。どんなに技術を磨いても、売れなければ意味がない。売るためには、売るための道筋を立てる必要がある。
粗品は「めっちゃ売れたい?」か「ちょっと売れて飯食えたら良い?」と、売れ方の考え方を二つ提示する。「ちょっと売れて飯食えたら良い」という人は、好きにやればいい。だが、「めっちゃ売れたい」という人は、戦い方を考える必要がある。
2025年にめっちゃ売れるためには「タイアップ」か「TikTok」しかない。粗品はそう断言した。もちろん、最初にあったように、粗品独自の捻くれた考え方ではある。だが一理も百理もありそうだ。
「タイアップ」をつける道を行くならどうすればいいか。「事務所に入って押してもらう」のが道であると粗品は示す。
なお、タイアップがついたからといって必ず売れるわけではない。そこには運も絡む。
そして粗品は壁にぶつかったときのために、「どんなに良い作品を作っても、どんだけ最高傑作が出来ても、誰にも聴いてもらえないことはある。運なんですよ」という言葉を心にとどめておいて欲しい、と伝えた。
その上で、「やり続けるしかない。どこまで折れずに頑張れるか」と、必要とされる精神論も付け加えた。
そして、粗品は今回のまとめとして、「心を殺して売れるか」、「自分を貫いて飯食うだけか」は、なんとなくでも考えておいたほうがいいとした。迎合して売れるためにいろいろやるのは悪くない。自分を貫くのはカッコいい。自分を貫いて売れようとすると壁にぶつかる。
自分はなにをしたいのか。どう在りたいのか。どこに寄せていくのか。そうしたクリエイター人生の信念についての話で講義は終わった。
