世界の半導体市場は100兆円を超え、2030年に150兆円規模へ到達すると予測されるが、急激な世界情勢の変化に伴い、かつてないほど複雑化している。
去る1月22日(木)に開催された茨城県主催のオンラインセミナー「半導体の未来を創る拠点 ―茨城から始まる次世代イノベーション」から、半導体の未来を読み解きたい。

はじめに半導体市場動向における第一人者として知られるグロスバーグ合同会社代表の大山聡氏が、表面的な成長の数字の裏に隠された「劇的な構造変化」を鋭く指摘した。
なぜ今、半導体市場が大きく動いているのか。大山氏の緻密な分析から紐解く。
AIがもたらした「シリコンサイクルの崩壊」と「二つの市場の突出」

大山氏はまず、これまでの半導体業界の常識であった「シリコンサイクル(4年周期の好不況)」が、AIがけん引役となり変質している点に警鐘を鳴らした。
現在、市場全体の成長を支えているのは、演算を担う「ロジック」と記憶を担う「メモリ」の2分野に集約されるという。
「ロジック」市場でのNVIDIAの独走
情報処理機器の分野においてはAIサーバの進化が凄まじい。サーバ全体の出荷台数で見ればわずか15〜20%程度に過ぎないにもかかわらず、金額ベースでは市場の72%以上を占める「超高付加価値化」が起きている。
しかもAIサーバの頭脳であるGPUの9割がNVIDIA(エヌヴィディア)1社によるもので、圧倒的な強さを誇る。ハードウェアとしてのGPUだけでなく、世界中のAIエンジニアが同社の「CUDA(クーダ)」という開発環境を利用し「デファクトスタンダード(事実上の業界標準)」となっていることが、NVIDIAのロジック半導体市場における支配力の源泉となっているという。

