かねてから疑問を呈していた宝塚歌劇団の「お花代」問題に、進展があった。そもそも「お花代」とは、個々のファンクラブがチケットを取り次ぐ際、購入者から任意で受け取っていたお金のことだ。チケット代とは別に、500円から数千円程度が徴収される。
開演前に劇場に行けば「〇〇〇〇」とスターの名前が書かれた札を持っているファンクラブの人たちが規則正しく並んでいるが、それがファンクラブのチケットの列だ。
もちろんその場で買えるわけではなく、事前にファンクラブを通じて欲しいチケットの枚数を申請し、購入する。ファンクラブの入会方法はいろいろあるが、まずはお目当てのスターにファンレターを書くと「ご案内」が届くのが一般的である。
正直いって、ファンクラブに入らなくてもチケットが手に入れば問題はないのだが、なかなかそうもいかない。特に地方公演など公演回数の少ない演目はチケット争奪戦になることは間違いなく、どうしても見たければ、多少お金がかかっても、ファンクラブに入っておこう、となるのがファン心理というものだろう。
加えて「お花代」については「1口500円でいくらでも」などと言われれば、ファンクラブの幹部に気に入られ、少しでも良席にしてほしいと思うのは当然のこと。私の知り合いなどはそれに加え、毎回のように差し入れ(スターにではなく、ファンクラブの人に)を手渡し、優遇してもらおうと奮闘している。事実、その貢献度によって優先的にチケットを譲ると公言するファンクラブがあるという。
そもそも宝塚には、公式の「宝塚友の会」というファン組織がある。公演チケットは抽選で入手できるはずなのだが、これが当たったためしがない、ともっぱらだ。私もゆうに20年以上は友の会に入っているが、チケットが当たったのはほんの数回、数えるほどしかない。
今回、「お花代」にメスを入れるべく、劇団側が私設ファンクラブと個別に契約を結ぶということだが、なぜ私設ファンクラブがチケットを手配するのか、いまだにわからない。全て友の会が担えばいい話ではないか。
これは「お花代」が問題なのではない。チケットの流通を私設ファンクラブに依存している劇団の体制、その構造に大きな問題がある。ファンはただチケットが欲しいだけなのだから。
(堀江南)

