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種崎敦美「うれしいよりも怖いが勝っていた」――『葬送のフリーレン』第2期への覚悟 市ノ瀬加那&小林千晃と語る“もどかしい”関係性の変化

種崎敦美「うれしいよりも怖いが勝っていた」――『葬送のフリーレン』第2期への覚悟 市ノ瀬加那&小林千晃と語る“もどかしい”関係性の変化

TVアニメ「葬送のフリーレン」で声優を務める種﨑敦美、市ノ瀬加那、小林千晃にインタビューを実施
TVアニメ「葬送のフリーレン」で声優を務める種﨑敦美、市ノ瀬加那、小林千晃にインタビューを実施 / 撮影=篠田直人

1月16日より日本テレビ系全国30局ネット“FRIDAY ANIME NIGHT”にて放送が開始されたTVアニメ「葬送のフリーレン」第2期。山田鐘人(原作)、アベツカサ(作画)による同名漫画を原作とし、2023年に放送された第1期は国内外で社会現象とも言える大反響を巻き起こした。勇者ヒンメルたちと共に魔王を打ち倒した後の世界を舞台に、千年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレンが、新たな仲間と共に「人の心を知る旅」に出る物語。第2期では、一級魔法使い試験を終えたフリーレンたちが、魂の眠る地(オレオール)を目指して再び旅路を進める姿が描かれる。WEBザテレビジョンでは、フリーレン役の種崎敦美、フェルン役の市ノ瀬加那、シュタルク役の小林千晃にインタビューを実施。久しぶりのアフレコ現場での空気感や、第2期における3人の関係性の変化、そして世界中で実感したという作品への愛について語ってもらった。

■「うれしい」よりも「怖い」が勝っていた? 第2期への覚悟

――第1期の放送終了から約2年弱。ファン待望の第2期がいよいよ始まります。制作決定を聞いた時の心境はいかがでしたか?

小林 もちろんすごくうれしかったんですが、世界中の方々から本当にすごく反響をいただいていたので、心のどこかで「やるだろうな」と思っていた部分はありました。なので、驚きというよりは「やっぱりうれしい」という気持ちが強かったですね。

市ノ瀬 私も同じですね。むしろ、原作が続く限りアニメも続いていったらいいなと思っていたので、うれしかったですし、今度は原作のどこまでが描かれるんだろうというワクワク感もありました。

種崎 私は……もちろんうれしい気持ちもあるんですけど、第1期が本当に本当に素晴らしい内容だったので、最初は「うれしい」よりも「怖い」という感覚のほうが優っていました。それこそ日本にとどまらず、世界中にたくさんいらっしゃる作品のファンの皆様の期待に応えられるものを再び作り上げていくプレッシャーと言うか、言い換えれば「覚悟」というか。
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


――なるほど。久しぶりのアフレコだったと思いますが、3人でマイク前に立った時の感覚はいかがでしたか? 多少は探り合うような感覚はありましたか?

種崎 探りなどまったくなく、「はい、よいしょ〜」っていう感じで(笑)。スッと始められたと思います。

小林 そうですね。「もっとこうした方がいいかな?」とか「バランスはこうかな?」みたいな会話は一回もしていないですね。

市ノ瀬 本当に自然と、この3人の空気感ができていましたね。

小林 僕は第1期では途中参加だったので、当時は「えいや!」と飛び込んだものの、やる前はどうしようかと悩んだりもしたんです。でも今回は、テストが終わった後も迷うことはなかったですし、ディレクションで修正が入ることもあまりなくて、本当にスッと入れた気がします。
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


■悩み抜いた第1期を経てたどり着いた「自然体」

――今でこそ阿吽の呼吸の皆さんですが、第1期の頃は演技へのアプローチで悩んだこともあったのでしょうか?

小林 一番悩んだのは、やっぱり初登場の第5話ですね。オーディションで選んでいただいたとはいえ、アフレコ現場でどこまで自分の持ってきたシュタルクを出していいのか、それともお2人の芝居感に極限まで寄り添った方がいいのか。そのバランスにはすごく悩みました。後ろで見ている間も答えは出なかったので、マイク前に立った時は「出たとこ勝負だな」と。監督や音響監督を信頼して、思い切って委ねようという気持ちでした。

市ノ瀬 私は、シュタルクが入ってきてからのフェルンの接し方ですね。あえて冷たく接する「ツン」な部分が増えてくるので、最初はどこまで踏み込んでいいのか、台本や原作を読みながらすごく考えました。でも、現場でのお芝居の空気感を大切にしつつまずはやってみようと、そうしたら、自分の想像していたフェルンとは違うものが出たりして、それが現場で生まれるお芝居の良さだなと改めて感じました。

――まさに化学反応ですね。種崎さんはどんなところを悩みましたか?

種崎 私は温度感というか、空気感ですね。家でもいっぱい悩んだんですけど、私も同じで、現場で実際にみなさんと掛け合ってみないと分からないなと。ヒンメルのセリフにもあって、ヒンメル役の岡本信彦さんもよくおっしゃっていることなんですけど、「なんとなく」という感覚がすごく大切で。それに気づいてからはとてもラクになりました。やっぱり現場の空気感が大事ですね。
フリーレン役の種﨑敦美
フリーレン役の種﨑敦美 / 撮影=篠田直人


小林 ちなみに、第1話のアフレコって結構早めに終わったんですか?

種崎 特別早くもないけど、そんなに苦戦した感じもなかったと思います。ただ一番最初なので。みんな空気感を探っていたし、ちょっと硬いところもあったりして。ディレクションで「もう10年一緒に冒険してきたパーティーなんだから、もっと砕けてていいですよ」と言われてからは、「なんとなく」今の感じになっていきました。
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


種﨑敦美×市ノ瀬加那×小林千晃
種﨑敦美×市ノ瀬加那×小林千晃 / 撮影=篠田直人

■もどかしい距離感に変化も? シュタルクとフェルンの関係性

――第2期では、3人の旅の様子が丁寧に描かれます。第1期を経て、キャラクターを演じる上で大切にしているポイントはありますか?

小林 第2期に関しては「信頼感」ですね。旅を始めてから年月も経っていますし、背中を預けて戦ってきた経験もあるので。フェルンとのやり取り一つとっても、第1期の頃よりビクビクしすぎないとか、へこみ過ぎないとか、長いこと一緒に行動してきたゆえの会話の雰囲気は大切にしたいなと思いました。

市ノ瀬 私は「いい意味での普通っぽさ」です。一級魔法使いになっても、フェルンはフェルンだと思いますし、戦闘ではすごいですけど、日常ではちょっと不器用だったり、素直じゃなかったりもするじゃないですか。そういう等身大の女の子というところは今回も常に意識しています。

種崎 フリーレンは1000年以上生きているので、体にもお芝居にもあまり力を入れすぎないようにしようにしようというのは第1期のときから変わらず考えていて。あと1期の時よりさらに、楽しむ時は思い切り楽しむようにしていたかもしれません。その瞬間を大切に。「その方がふと思い返した時に楽しいはず」とか「ヒンメルならそうしたはずだから」が常に心にあるような感じです。
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


――第2期に入って、3人の関係性や掛け合いのテンポに変化は感じますか? とくにシュタルクとフェルンの関係性は、第1期を通じても変わってきたと思います。

小林 そうですね。シュタルクに関しては、フェルンと一緒に過ごす時間が長くなったからこそ、共通の話題でいつもフリーレンの名前を出しがちだったりして。それに気づいていなかった頃は普通にいい雰囲気だったのが、そういうことにも気づくようになってきたんですよ。いろんなところに目が向くようになると、今度は逆に気を遣ってしまったりもして。その雰囲気はリアリティがあってすごいなと思っていますね。

市ノ瀬 シュタルクがあえて言った言葉に、フェルンも乗っかったりして……なんかちょっと子供を見ているような気持ちで、ついつい応援したくなっちゃいます(笑)。もちろん演じている時はフェルンの気持ちになっているんですけど、改めて原作を読み返したりするとすごくもどかしいんですよね。そのぎこちなさがこの2人らしくていいなと思う気持ちと、ザインが言っていた「もう付き合っちゃえよ!!!」っていうあの言葉と……両方の気持ちが存在していますね。
フェルン役の市ノ瀬加那
フェルン役の市ノ瀬加那 / 撮影=篠田直人


小林 関係性が近くなればなるほど、気づくことが多くなり、結果的に気を遣ってしまう。そんなシュタルクの成長を感じつつも、その成長が2人の関係性の邪魔をしてしまうこともあって、なんだか不思議だなと思います。
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期より / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


――そんな2人を、フリーレンとしてはどう見ているんでしょうか?

種崎 フェルンとシュタルク、それぞれから求められたことに返しはしますけど……フリーレン自身は2人に対して「もう付き合っちゃえよ!!!」とかは思っていないと思います。ただ「険悪なのだけはやめてくれよ」って思ってる感じですかね(笑)。

一同 (笑)。

種崎 でも人間って難しいですよね。フリーレンのシュタルクへのアドバイスは割と的確だったりするんですけど、それがフリーレンの入れ知恵だと知ると、今度はフェルンがモヤモヤしちゃったり。ならばもはや何もしないほうがいいのでは?、みたいな(笑)。
シュタルク役の小林千晃
シュタルク役の小林千晃 / 撮影=篠田直人


■「フリーレンだけは特別」世界中で実感した作品の愛され方

――第1期は世界中で大きな話題となりました。ご自身が「人気を実感した瞬間」はありますか?

小林 僕はアメリカの「Anime Expo」に行った時ですね。会場が約5000人以上のフリーレンファンで埋め尽くされていて、前列の方はコスプレをしてくれている人もいて。“世界中で本当に愛されているんだな”と肌で感じました。

市ノ瀬 私も行く現場ごとに「見てます」と言っていただいたりして、とてもありがたいなと実感しています。あと、いとこの子供が中学生なんですが、普段そんなにアニメを見ないのに、フェルンやフリーレンのイラストを描いて送ってくれたりして。そのイラストを見てはほっこりしています。

種崎 私は、海外のイベントに行った同業の方々から「あの国にもフリーレンがいたよ」と報告をもらったり、弟の会社の同僚の方が「アニメに興味がなかったのに、今ではフリーレンが生きがいになっている」と言ってくださったり。あと、卒業以来に会った中学校の同級生が、大分県での朗読劇に来てくれて手紙をくれたんです。そこには一言、「『私は今の話をしている』というフリーレンのセリフに救われました。ありがとうございました」とだけ書いてあって。長い間会っていなかったのに、フリーレンのセリフが誰かの人生を動かしているんだなというのを感じて、すごくうれしかったです。

――では最後に、ファンの皆様へメッセージをお願いします。

小林 第1期の終盤は、一級魔法使い試験編ということで魔法による激しい戦闘が多かったのですが、第2期はまた旅の始まりのような、静かなテンポ感で余白に満ちた冒険が始まります。味わい深い冒険が見られると思いますので、ぜひ楽しみに待っていてください。

市ノ瀬 今回はゆったりとしたシーンも多いですが、その中にも温かみがあって。フリーレンがヒンメルたちとの冒険を思い出して回想に入ったり、ふとした表情を見てウルウルしてしまったり。そんなじんわりする展開がいっぱい詰まっているので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

種崎 3人の旅によりフォーカスしているからこそ、第1期では見られなかった表情やリアクションが多く見られる第2期になっています。今までのような『葬送のフリーレン』でありつつも、新しい試みもたくさん散りばめられています。「何かを感じてほしい」というよりは、ただただ皆様に豊かな時間が訪れたらいいなと思いますし、見て良い時間を過ごしていただけたら、それだけでうれしいです。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」

◆取材・文=岡本大介
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期キービジュアル
TVアニメ「葬送のフリーレン」第2期キービジュアル / (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会


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