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「不朽の古典」か「磨かれる原石」か…『ドラクエ7R』が国内で響いたワケ

「不朽の古典」か「磨かれる原石」か…『ドラクエ7R』が国内で響いたワケ


『ドラゴンクエストVII Reimagined』オープニング映像より (C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX

【画像】えっ、こんなのあった? こちらオリジナル版『DQ7』から継承された超レアアイテムです

「ロト三部作」とは根本的に違う点アリ?

『ドラゴンクエストVII Reimagined』(スクウェア・エニックス、以下『ドラクエ7R」)が、ついに発売されました。実際の売れ行きはまだ明らかではありませんが(2026年2月5日現在)、少なくとも国内の反応を見る限り、同じリメイク作品である「HD-2D版 ドラゴンクエスト ロト三部作」よりも、肯定的な評価が多い印象を受けます。

 一方で海外に目を向けると、HD-2D版ロト三部作はメタスコア84点から85点を獲得しており、国際的な評価が低いわけではありません。それにもかかわらず、国内ではこれほど肌感覚の違いが生まれているのはなぜでしょうか。

 その理由をひと言で言えば、原典となった各作品の「ドラゴンクエスト」シリーズにおける立ち位置の違いにあります。ロト三部作が「不朽の古典」であるのに対し、『ドラクエ7』は「磨かれる前の原石」に近い存在だからです。

 ファミコン時代に誕生したロト三部作は、日本RPGの基礎を築いた古典的作品です。ただし、現代の基準で見るとボリューム面では物足りなさがあり、7000円以上のフルプライスで販売するためには、新要素の追加が不可欠です。

 しかし、その「足し算」が必ずしも体験全体の質を高めているとは限りません。たとえばHD-2D版『ドラクエ3』では、「すごろく場」の廃止に代わって「モンスター・バトルロード」が導入されましたが、「すごろく場特有の中毒性には及ばない」という声もあります。また、追加されたプレイヤーキャラの職業「まもの使い」が強すぎることで「ヌルゲーになった」との指摘も見られました。さらに、「キラキラ」や「ひみつの場所」で強力な武器が容易に手に入ることで、武器屋を巡る楽しみが薄れたと感じる人もいたようです。

これらの要素は、新規ユーザーにとっては親切な改良と映る可能性がある一方で、当時リアルタイムで遊んだ日本のベテラン層にとっては、「余計な改変」として減点対象になっているのかもしれません。

 それに対して、オリジナルの『ドラクエ7』は、発売当時から「磨く余地だらけ」と見られていました。序盤では最初の戦闘までに数時間を要し、石版探索も難解です。各エピソードは短編小説のように質が高い一方、本筋と関係の薄い“お使い”的な話も多く、冗長さにつながっていました。

 今回のリメイクに冠された「Reimagined(再構築)」は、物語の核心を損なわない範囲でエピソードを取捨選択するという意味を含みます。これは、当時のファンが長年、待ち望んでいた方向性でもあり、新規ファンにとっても物語を最後まで追いやすくなる利点があります。

 もうひとつ大きな違いが、グラフィックス表現です。ロト三部作のHD-2Dは、懐かしいドット絵を広大な3D風空間に拡張する手法ですが、その結果、モンスターが小さく表示され、迫力に欠ける場面もあります。また『オクトパストラベラー』(2018年、スクウェア・エニックス)以降、使われてきた表現でもあるため、新鮮味が薄れているのも事実でしょう。

 一方、『ドラクエ7R』のドールルックは、鳥山明氏のイラストを基にした人形をスキャンして取り込む手法です。単なるフォトリアルとは異なるうえに「3次元空間で動き回る鳥山キャラクター」という、長年ファンが思い描いてきた姿に近い表現が実現しているのです。

 こうした違いは、HD-2D版ロト三部作と『ドラクエ7R』の客観的なクオリティ差を示すものではありません。どちらがより「昔からのドラクエファン、そして鳥山明ファンの主観的な願い」に寄り添ったか、その違いが評価の分かれ目になっているといえそうです。

配信元: マグミクス

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