テニスは前後左右の動きがあり、ダッシュとストップも繰り返し行なわれるスポーツです。そして試合は女子の場合だと長ければ4時間になることもあり、勝って決勝まで行くとシングルスだけで5試合、1週間戦い続けなくてはいけません。それに耐えられるフィジカルがテニス選手には求められています。
そのフィジカルを作り上げるトレーニングですが、多くの要素をカバーしなくてはいけないため、ゆっくりと長く走るよりも中距離走が適していると言われています。
私がセカンドキャリアをスタートした当初のトレーナーが陸上競技出身だったこともあり、ナショナルトレーニングセンターのトラックをかなり走りました。400メートルを何本も走ったり、300、200、100、50メートルを混ぜたり、坂道ダッシュをしたりなど。色々と組合わせて、インターバルで追い込んでいました。
かなりきつくて嫌いなトレーニングでしたが、自分が苦しい時に気持ちが負けなくなるので、絶対にやっておいた方が良いトレーニングです。試合ですごくキツイ時に、もうワンプッシュできたのは、このトレーニングのおかげです。
20代の時はパワーマックスという負荷がかかる自転車漕ぎでインターバルトレーニングを行なっていました。全速力で7秒行ない、20秒休んで再び7秒漕ぐことを繰り返したり、中ぐらいのスピードで負荷を重くして60秒漕いで60秒休むなどです。
テニスではどんなに長いラリーをしても、ポイント間の25秒で素早く酸素を取り込んで心拍数を戻さなくてはいけません。目に見えるものではありませんが、このレベルが上がると試合中のプレーの質も上がる大事な部分です。
テニスに特化したことではなく、フィジカルを鍛える主目的は、やはり体幹です。これは歯磨きと同じように毎日当たり前にやるようにしましょう。個人差はありますが、トレーナーが見てくれるのであれば小学校高学年ぐらいから始められます。タイミングとしては朝や練習前後に、筋肉に刺激を入れる意味も含めて10~20分行なうと、体幹のトレーニングになると同時に練習の準備も整います。
マシンを使った筋力を鍛えるトレーニングは、多くの場合練習後に行ないます。練習前にするとコート上での動きが少し悪くなってしまいます。だから練習前は肩や手首、インナーに刺激を入れることが多いです。
最後はストレッチも必要です。これも毎日行ないましょう。身体が良い状態でないと良いパフォーマンスは出せません。疲労を残さずに回復を早くするにはストレッチが有効です。
身体がゴムだとしたら、10代の元気な状態の時なら、伸ばしたゴムはパンッと元に戻ります。年齢を重ねて衰えてくると、ゴムが戻る威力が弱まります。20代から徐々に弱まり始めるので、筋力を維持することも重要ですが、ストレッチも大切なことを忘れてはなりません。
基本的な身体作りに加えて、中距離のトレーニングを行なうことで、テニスのプレーに対応できて連戦にも耐えられるフィジカルになっていきます。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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