最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
ブライトンで三笘薫に求められるプレーはさらに複雑化。つまり今もなお、進化を続けているということだ【現地発】

ブライトンで三笘薫に求められるプレーはさらに複雑化。つまり今もなお、進化を続けているということだ【現地発】


 三笘薫が、所属先のブライトンで様々な役割とタスクをこなしている。欧州サッカーは戦術が複雑化しているが、三笘もこうしたタスクをこなすことで着実に進化しているように見える。

 まず取り上げたいのが、1月7日に行なわれたマンチェスター・シティ戦だ。三笘が「戦術的にちょっと違うポジションをやりました」と明かすように、特にこの試合の前半はサムライ戦士の役割が特殊だった。

 シティ戦におけるブライトンの基本布陣は4-2-3-1。三笘は左MFに入った。ところが、プレスのハメ方がこれまでと違った。通常なら、三笘は相手の右サイドの選手にプレスをかけるが、シティ戦では、右センターバックのアブドゥコディル・クサノフにプレスをかけるよう指示されていたという。

 そして、相手の右SBマテウス・ヌネスには、ブライトンの左SBマクシム・デ・カイペルがプレス。チームとして前からプレスをかける際、ブライトンは左右非対称の形に姿を変え、三笘は2トップの一角に入った。三笘は説明する。

「チームとして、相手のセンターバックにボールを持たせるところは持たせて、そこにプレッシャーをかけようとしていました。まずは、自分たちからプレッシャーをかけて、という形だった。

 そのなかで、僕もなるべく高い位置に残っていました。ボールを奪って、前にうまく運んだ時は、チャンスが数回あった。良い形を見せられたかなと思う。準備期間は3日間、十分にあったので、その分、『強度を持ってプレスに行け』と言われてましたし。そこの判断を意識しながらプレーしていました」

 ブライトンは、通常と異なるアプローチをかけたが、前半は劣勢にまわったことから、「後半はいつも通りのポジションに戻った」(三笘)という。この結果、ブライトンは攻勢に転じ、三笘のミドルシュートで同点に追いついて、1-1の引き分けに持ち込んだ。
 
 国内リーグの翌節ボーンマス戦(1月19日)で、三笘の役割はシティ戦から変わった。ブライトンの基本布陣は4-2-3-1。三笘は左MFに入ったが、自軍のボール保持時になると、極端に中央へ絞り、トップ下の位置取りでプレーした。

 そして守備になると、三笘は定位置の左サイドに戻ってディフェンスに走る。攻撃では中、守備では外。中と外を行ったり来たりしながらプレーした。

 さらに、次のフルアム戦(1月24日)でもタスクが変わった。この試合でブライトンは4-3-3を採用。三笘は左ウイングに入り、2人のインサイドMFはパスカル・グロスとヤシン・アヤリが担った。

 この試合で、三笘は左サイドのタッチライン際に張り付いてプレーした。興味深いのは、周囲の選手との役割分担。左サイドの中央寄りに陣取るのは、三笘と相性の良いグロスだった。ドイツ人MFは三笘の動き出しを常に見ており、抜群のタイミングでスルーパスを供給する場面があった。

 そして、左SBとして三笘の後方に控えたのが、本職がCBのオリビエ・ボスカーリ。ただこのフランス人DFは攻撃参加をさほどしないため、三笘は大外の高い位置に留まってプレーした。

 この3試合を振り返っても、三笘のタスクや立ち位置、プレスの掛け方がそれぞれ異なっていたことが分かる。

 シティ戦では、相手のCBにプレスをかけ、守備時でもそのままCFの位置に残った。ボーンマス戦では、自軍ボール保持時にトップ下の位置でプレーし、守備になれば左サイドに戻った。フルアム戦では、左のウインガーとして機能。サイドに張りついた。
 
 ファビアン・ヒュルツェラー監督のもと、三笘は毎週の試合ごとに、ブライトンのトレーニング場でこうした事前準備を黙々とこなしている。対戦相手がどうアプローチしてくるのか。そしてブライトンはどう攻略するのか。三笘はある時は中央、ある時は大外と、場面に応じてプレーを変えているわけだ。このような練習と実戦経験を積んでいけば、プレーの幅は自然と広がっていく。

 そんな三笘に対し、ヒュルツェラー監督の信頼は厚い。日本代表MFの戦術理解と判断力、サッカーIQ、戦術遂行力が高いからこそ、他のアタッカーに比べても、三笘のフル出場が圧倒的に多いのだろう。複雑、かつ緻密な戦術を、三笘はブライトンで遂行しているわけだ。

 もっとも、イタリア人のロベルト・デ・ゼルビ前監督のもとでも、三笘は中央寄りでプレーする試合があった。当時は大外にSBのペルビス・エストゥピニャンが攻撃参加で加わり、その流れのなかで、三笘は中寄りでプレーした。この時から「左サイドのドリブラー」の枠組みから脱却していた。

 当時、三笘は「中も外も、どっちもやらないといけないと言われています」と語っていたが、ヒュルツェラー体制では、求められるプレーがさらに複雑化している。つまり今もなお、三笘は進化を続けているということだ。

 翻って、日本代表ではどうか。基本布陣は3-4-2-1。三笘の定位置は、左のウイングバックとなる。守備時は最終ラインまで下がり、ディフェンスに参加。攻撃時になればタッチライン際を駆け上がり、左サイドで違いを生み出す。時に、カットインから中央にスライドすることはあるが、基本的な動きは「ピッチの上下動」である。
 
 ただ今の三笘は、様々なプレースタイルに対応することができる。たとえば、左ウイングバックで先発したとしても、左のシャドーの選手とポジションを変え、中央でプレーすることもできるだろう。

 実際、1月31日のエバートン戦で、三笘は中央の位置からドリブルし、CFのダニー・ウェルベックにボールを預けて、ペナルティエリア内までフリーランで侵入。リターンパスを受けてシュートを放った場面があった。

 日本代表に置き換えても、こうしたプレーはポストプレーに長けるCF上田綺世と高い再現性を持って実行できそうだ。

 カタールW杯でドイツとスペインを撃破した日本代表は、今回の北中米W杯で対戦相手から隈なくリサーチされるはずだ。どんなプレーをし、どこに長所と短所があるのか。いわゆる「戦術カタール」を含めて、対戦国は事前に十分な対策を練ってくるに違いない。

 その時にどうするか。立ち位置の変更やポジションチェンジは、ひとつの手だろう。欧州各国で日本代表の選手たちが独自の進化を遂げているなか、日本代表もチームとして戦術の幅を広げられるはずだ。

 日本代表として何ができるか。3月の強化試合でトライ、テストする価値はあるに違いない。森保一監督の手腕とアイデアが問われるはずだ。

取材・文●田嶋コウスケ

【画像】ラブリー&ビューティー! 英女子代表FWクロエ・ケリーの厳選ショットをお届け!

【記事】「1回耳元で…」挑発に黙っとけ!三笘薫がスペイン人DFに“煽られた”シーンを回想 バチバチのマッチアップでは「ほとんど何もさせてもらえなかった」

【記事】「理解不能レベルでうまかった」「神すぎる」後方からのロングパスを…三笘薫の超絶トラップに驚嘆の声!「芸術品」「完璧に収めてんのヤバい」
配信元: SOCCER DIGEST Web

あなたにおすすめ