男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」のファイナル予選1回戦「日本対オーストリア」が、2月6日と7日にかけて東京・有明コロシアムで開催。
6日に行なわれた第1試合では、日本の綿貫陽介が、オーストリアのエース、セバスチャン・オフナーに6-3、6-4で勝利。続く第2試合では、日本のシングルス1の望月慎太郎が、オーストリアのユーリ・ロディオノフに4-6、5-7で敗れ、1勝1敗で星を分け合って初日を終えた。7日には、ダブルスとシングルス2試合が行なわれ、先に3勝を挙げた国が勝者として9月の予選2回戦にコマを進める。
「1勝1敗の結果を、相手がどう思っているか...」
初日の全日程を終えた時点の会見で、日本の添田豪監督が言った。
「相手がポジティブに捉えているのか、ネガティブに考えているのか? そこも考えつつ、駆け引きもある」
頭を駆け巡る思いを整理し、一度、自らを落ち着けるかのような口調だった。
「ハツラツとしたプレーをしてほしい」
監督のそんなエールを背に開幕戦のコートに向かった綿貫は、期待に十分以上に応えただろう。綿貫自身は、2歳年長で自己最高37位のオフナーとの対戦経験はない。ただ、錦織圭と西岡良仁は、いずれも対戦済み。その両者からの助言や情報を多く得て、事前にプランを立てていたという。
「チームで情報を共有し、彼のサービスのコースや“雰囲気”がわかっていた。色々話し合って、それがうまくはまった」
好調だったリターンについて、綿貫が振り返る。さらにはラリー戦でも、「相手はハードヒッターなので、高い軌道のボールを使ったり、スライスを使って気持ち良くプレーさせないようにした」と、作戦が奏功したと明言。
オフナーは「綿貫はラリーを短く終えようとしていた」と述懐したが、現実と本人の主観との乖離こそが、綿貫の術中にはまっていたことの証左。綿貫の完勝は、チーム全体の勝利でもあった。
一方で望月は、「ここ最近、勝ててない」がゆえの迷いが、そのままプレーにも反映された。第2セットでは、持ち味であるネットプレーや駆け引きで、常にブレークで先行。だがその都度、続くゲームでブレークバックを許した。ダブルフォールトやボレーミスが、引き寄せかけた流れにブレーキをかける。
「正直なことを言うと、本当に、ちょっとどうしたら良いかわからないのが本音。最善の準備をしたのに、でもやっぱり、それでもこれかっていう...」
会見の席で頭を抱える姿には、悲壮な切迫感がにじんだ。
今回の日本代表メンバーには、錦織圭と西岡良仁の二枚看板はいるものの、両者ともケガのため事前発表のオーダーからは外れている。明日のカードは、シングルスは望月対オフナー、綿貫対ロディオノフ。そしてダブルスの日本チームは、綿貫と柚木武。ただメンバー変更は試合直前まで可能であり、明日は監督采配が振るわれる可能性もある。
オーストリアのユルゲン・メルツァー監督は、日本のオーダー変更の可能性について「それが現時点でわかったら、私はマジシャンだよ」と苦笑い。同時に、「あらゆる可能性を想定しているが、自分のチームのメンバーが変わることはない」とも明言。また1勝1敗で初日を終えたことについては、「ユーリ(ロディオノフ)が、我々にもまだチャンスがあるのだと、強い心で示してくれた」と、前向きに捉えている様子だ。
対する添田監督は、「色々と冷静に考えなくてはいけない部分もあるが、基本的には選手を信じている」と、現行オーダーで行くことを示唆。
なお添田監督自身は、1勝1敗の結果をどう見ているのか――?
「良いように捉えている。悲観的にはなっていない」
その思いを共有し、チーム一丸となって最終日へと向かう。
【2月6日(金)試合結果】
第1試合 ○綿貫陽介(166位)[6-3 6-4]セバスチャン・オフナー(135位)●
第2試合 ●望月慎太郎(108位)[4-6 5-7]ユーリ・ロディオノフ(170位)○
【2月7日(土)試合予定:13時スタート】
第3試合 綿貫陽介(複892位)/柚木武(複95位)vs ルーカス・ミードラー(複23位)/アレクサンダー・エルラー(複38位)
第4試合 望月慎太郎(108位)vs セバスチャン・オフナー(135位)
第5試合 綿貫陽介(166位)vs ユーリ・ロディオノフ(170位)
※第2日の出場選手は変更の可能性あり
取材・文●内田暁
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