風邪をひいた夜、彼に電話をかけた
その日、朝から体がだるく、仕事を早退して帰宅しました。熱を測ると38度を超えており、久しぶりに本格的な風邪をひいてしまったようです。一人暮らしの部屋で横になりながら、ふと彼に連絡したくなりました。
「体調悪いから、しばらくは会えないかも」
そんな軽い報告のつもりでした。弱っているときに声が聞きたくなるのは、自然なことだと思います。電話をかけると、数コールで彼は出てくれました。私は少しほっとしながら、熱があることを伝えたのです。
最初に返ってきた予想外の言葉
彼の第一声を聞いた瞬間、私は言葉を失いました。
「えっ、じゃあ明日のライブどうする?」
私たちは今週、彼の好きなアーティストのライブに行く予定でした。チケットは彼が取ってくれたもの。それは知っています。でも、私が伝えたのは「熱がある」ということ。まず「大丈夫?」と聞いてほしかった。それは贅沢な望みだったのでしょうか。
その後、彼は思い出したように「あ、体調は?」と付け加えました。けれど、その順番が胸に刺さって抜けません。彼にとっての優先順位が、図らずも見えてしまった瞬間でした。
