
【突然の大雪、そのタイヤで大丈夫?】オールシーズンタイヤの過信は禁物。「雪道で止まる・止まらない」の真実と、賢いドライバーが選ぶべき条件の画像一覧
ひと口にタイヤと言っても、そのジャンルは多岐にわたる。中でも、ここ数年で一気に勢力を伸ばし、一つのジャンルを確立したのが「オールシーズンタイヤ」だ。ドライ路面も雪道も一年中これ一本で事足りる。そんな夢のような話があるのかと疑いたくなるが、結論から言えば、その実力は「予想以上に高い」。突然のドカ雪や、逆に肩透かしの暖冬が増えている今、なぜこのタイヤが“賢い選択”と言えるのか。プロの視点からそのメリットとデメリットを浮き彫りにする。
「夏タイヤ×スタッドレス」のいいとこ取り? 注目度急上昇のオールシーズンタイヤとは
ひと口にタイヤと言っても、たとえばエコタイヤやスポーツ走行向けのハイグリップ、最近ではミニバンやSUV専用タイヤなど、装着車種や特徴、用途によってさまざまなジャンルがある。冬向けではスタッドレスも用途と性能を特化したタイヤで、ここに対してオールシーズンタイヤが最近勢力を伸ばしていて、ヒットとなったグッドイヤーのベクター4シーズンズが口火を切り、今やひとつのジャンルとして確立している。
オールシーズンタイヤとは読んで字のごとく、一年中、つまりドライ路面も雪道も使えるタイヤというものとなる。そんな素敵なタイヤがあるのか!? 突然ドカ雪が降ったり、逆に雪国でも降ると思ったら暖冬で肩透かし、ということも増えているだけに皆さん関心があるのだろう。実際の性能についてよく聞かれるので、改めてそのメリット・デメリットについてまとめてみたいと思う。
欧州で普及した背景と、スタッドレスタイヤとの決定的な違い
もともとオールシーズンタイヤは欧州で普及したもので、長距離を一気に走り抜くため、天候や路面状態が変わることが多く、履き替えなしで対応するために誕生した。確かにレースのように移動途中で夏タイヤからスタッドレスに交換するというのは非現実的だ。スタッドレスタイヤでドライ路面も走れるだろう、と思うかもしれないが、ゴムがかなり柔らかいのでドライ路面を走ると摩耗しやすいし、走行安定性もよくないこともある。高速道路での走行速度域が高い欧州ではこれはデメリットとなる。

特徴的なトレッドがガッチリと雪を噛むことでグリップを確保する。
技術的な特徴としては、寒くなっても硬くならないほどよいしなやかさをもったゴムと、雪道でしっかりと雪を掴んで排雪するトレッド(溝)。とくにトレッドは濡れた路面での排水性も確保しているのがポイントとなる。この点については規格があって、タイヤのサイドを見るとさまざまな記号が付いているが、「M+S」というのがまず条件となる。
Mはマッド(泥)で、Sはスノーを表していて、もともとはSUVやクロカンなど向けタイヤに付けられることが多い規格だ。アメリカはこのM+Sを好む傾向にあるが、泥地は行けても雪道は実際のところ、かなり厳しい。ニュースで「北米で寒波、スリップ多発」として滑ってぶつかるクルマを見かけるが、M+Sのみの装着だからというのが大きな理由。そもそもアメリカではスタッドレスに履き替えるという意識はほぼないに等しい。
