2月8日投開票の衆院選は大詰めを迎え、与野党ともに舌戦、熱戦を繰り広げている。解散に打って出た高市首相率いる自民党は単独過半数に届くのか、立憲と公明で新党を結成した中道改革連合は躍進するのか。天下分け目の選挙戦裏をジャーナリストの山田直樹氏が総力レポートした!
電撃合体!学会員が語る合流の真実
野党の小政党が大政党を呑み込んで3年以上存続したケースは、ほぼ皆無と言っていい。例外は1994年(新進党)と2003年(自由党と民主党が合併)だけと言える。
一方の与党側は小渕恵三政権以来、野に下っても協力・支援関係を26年間続けた盤石の自公体制を築いた。
立憲民主党と公明党が結成した『中道改革連合』(以下、中道)発足時(1月16日)、公明党の支持母体である創価学会の知己の学会員約20人に「本音」を聞いてみた。
要点は主に2つ。旧立憲の小選挙区候補者を本気で応援するのか、そして、中道は政権が取れるのかである。
意外なことは従前、立憲をこき下ろしていた学会員から、「これで池田先生の夢が叶う」と言うように、かなりポジティブな意見があった点だ。
もう有権者の記憶も薄らいでいるだろうが、新進党結党時にも「衆議員公明党」は解党=消滅して合流した経緯がある。OKを出したのは、故・池田大作創価学会名誉会長その人だ。その方向に学会員も付き従った。つまり、公明党は「党名」を2度、放擲しているのだ。
無論、ついこの間まで自民党候補を応援していた一般学会員が「はい、そうですか」と変身し得るかは未知数で、創価学会票すべてが旧立憲候補へ向かうとは考え難い。
「これははっきり指示が出ています。旧立憲候補は『原則』応援することになっていますが、比例区公明党候補には『全力』応援。つまり、原則には常に例外があるわけです」と、知己の東京23区壮年部幹部が明かす。
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応援の裏で透ける学会の緻密な選挙戦略
確かに、その兆候はすでに表れている。例えば、東京第24区(八王子市)だ。’24年10月に行われた前回の衆院選で、立憲は自民党の萩生田光一幹事長代行に8000票弱まで迫った有田芳生氏を降ろして、比例区へと転出させた。
「さすがに創価大学や記念会館のある選挙区で、反創価学会の元共産党員を学会が推すわけにはいかない。まぁ、有田氏には『出るとこで落選するパフォーマー』の別名があるほどですから。
逆に、関西のいくつかの選挙区では、日本維新の会に肉薄した公明党候補を降ろして、立憲系の“選挙に弱そう”な候補を並べている。学会が小選挙区で負けるのがいかに嫌なのかを見せつける構図です。
もっとも、創価学会票欲しさに離党せず、中道に“移籍”した左派系の立憲候補には逆風が吹くでしょうね」とは、さる立憲議員秘書の弁だ。
中道共同代表の野田佳彦氏からして首相時代には「辺野古移転が唯一、有効な道」と明言していたのに、「(賛否は)慎重な立場」などとぶれまくり。同じく立憲側の安住淳共同幹事長は、「与党のときは移転賛成。野党になったので反対」などと小学生にも説明できない立ち位置を自爆的に暴露してしまうほどだ。
こうなると、逆に公明党の一貫性ばかり目立つようになる。中道の政策の柱は昨年11月に策定した公明党方針を立憲側が“丸呑み”したものであり、創価学会票で恩を売ったからには当選後の縛りは相当なものとなるだろう。
「学会票という毒まんじゅうを食べたら、自民党議員の悲哀がよく分かるでしょう」(学会ウオッチャー)
