日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、「魚へん」に「春」という漢字が組み合わさった、細長い体を持つ大型の魚の名称です。
暖かい季節に産卵のため沿岸にやってくる、出世魚としても知られる魚です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
正解は「さわら」です。
【鰆の語源と漢字の由来】
「鰆(さわら)」は、サバ科サワラ属に属する大型の海水魚です。成長するにつれて名前が変わる出世魚としても知られています。
漢字の「鰆」は、「魚へん」に「春」という漢字が組み合わさった会意文字(漢字を組み合わせで別の意味を形成する漢字)です。これは、サワラが春先の産卵期に、瀬戸内海など日本の沿岸に大挙して押し寄せることから、「春を告げる魚」としてこの漢字が当てられました。
和語の「さわら」の語源は、その細長い体形から、「狭(さ)腹(はら)」、つまり「腹が狭い(細い)」という特徴に由来するという説が有力です。また、魚体に霧がかかったような模様があることから「狭霧(さわぎり)」から転じたという説もあります。
【春を告げる出世魚! 鰆(さわら)のトリビア】
●「魚へんに春」のもう一つの理由
サワラ漁は地域によって時期が異なりますが、特に西日本では春の季語として古くから親しまれ、春が一番美味しいとされることから「鰆」の字が定着しました。
●出世魚としての名前
サワラは成長段階によって名前が変わる出世魚です。関東ではサゴシ(40センチ未満)→ナギ(50センチ前後)→サワラ(60センチ以上)、関西ではサゴシ→ヤナギ→サワラなどと変化します。
●旬の地域差
「鰆」は春の字を持ちますが、地域によっては冬に脂が乗って最も美味しくなるため、「寒鰆(かんざわら)」と呼ばれ、珍重されています。特に西日本では冬が旬とされることが多いです。
●瀬戸内の幸
瀬戸内海はサワラの主要な産卵場所の一つであり、「春の瀬戸内を代表する魚」として、地域文化と深く結びついています。
●食材としての特徴
サワラの身は白身で柔らかく、脂が上品でクセがありません。西京焼き、幽庵焼きなどの焼き物や、刺身、寿司ネタとしても人気があります。
●細長い体形の秘密
サワラは、サバ科の魚の中でも特に体が細長く、高速で泳ぐのに適した流線型の体形をしています。これにより、遊泳魚として広範囲を回遊します。
●「味噌漬け」の定番
サワラの切り身を味噌に漬け込む「味噌漬け」は、古くからその風味と保存性を高めるために行われてきた、伝統的な調理法です。
