最盛期の1960年には人口約11.7万人に達し、年間400万トンもの石炭を産出していた北海道夕張市。だが長くは続かず、70年代に入るとエネルギー政策の転換により炭鉱の閉山が相次ぎ、1990年には最後の炭鉱が閉鎖に。
人口流出に歯止めがかからず、閉山後の社会基盤の整備をはじめ、行政効率化の遅れ、観光施設への過剰な投資の結果、2003年3月6日には財政再建団体となり、事実上の財政破綻状態に。この時点での負債額は353億円に達していた。
その後、鈴木直人市長(現・北海道知事)のもと、立て直しの道筋をつけることに成功。なんとこの3月末には「財政再生計画」の期間を終え、国へ返す借金「再生振替特例債」の償還が終わる見込みとなっている。
夕張市における行政サービスは今後、手厚くなることが予想されているが、実は今、移住先としてにわかにクローズアップされているのだ。2019年春にJR石勝線夕張支線(新夕張~夕張)は廃止されたが、新夕張駅は特急停車駅で、札幌までは約1時間。新千歳空港なら途中の南千歳駅で乗り換えが必要だが、最短約45分、車でも夕張市の中心部から1時間程度だ。
街はコンパクトシティ化を進めており、清水沢地区など複数の地区に街の機能を集約。山間の田舎町でありつつも、住み心地は決して悪くない。人口のわりに公営住宅が揃っており、築浅や内装がリフォームされている物件が多い。応募者多数なら抽選になるが、条件に見合えば安く住むことができる。もちろん自治体側も移住者支援のサポートを行っており、各種補助金制度を用意している。
空港や近隣の大都市からのアクセスはまずまずで、とりわけ道外の人にとっては大きな魅力。移住先の候補地としては案外、悪くないかもしれない。
(高島昌俊)

