日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は、「心(こころ)」に関わる漢字が二つ重なった、心情を表す言葉です。自分の行いや言動に対して、深く恥じ入り、心の中で強く反省しているさまを指す形容動詞・副詞です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…
【難読漢字よもやま話】アーカイブ
正解は「じくじ」です。
【忸怩の語源と漢字の由来】
「忸怩(じくじ)」は、自分の言動や行いを深く恥ずかしく思い、心の中で強く反省しているさまを意味する言葉です。
主に「忸怩たる(じくじたる)」という形で使われます。漢字の「忸(じく)」と「怩(じ)」は、ともに「心(こころ)」を意味する部首「りっしんべん(忄)」に属しています。
「忸(じく)」は「恥じる」「恥ずかしい」という意味を、「怩(じ)」は同じく「恥じる」「はにかむ」という意味を持ちます。この二文字は、同じような意味を持つ漢字を重ねることで、「恥ずかしく思う気持ち」を強く強調した畳語(じょうご)です。
もともとは中国語の漢語であり、「心の中でひどく恥じる」という、内面的な強い反省の念を表す言葉として日本に伝わりました。
【深い反省の念! 忸怩(じくじ)のトリビア】
●「忸怩たる思い」
最も一般的な慣用表現で、「心の中で強く恥じ、反省している気持ち」を指します。表面に出さず、内面で深く感じている恥の念を表します。
●「りっしんべん」の意味
「忸」と「怩」の部首である「りっしんべん(忄)」は、「心(こころ)」が変化したもので、感情や思考に関する漢字であることを示しています。(出典:漢字源)
●「羞恥」との違い
「羞恥(しゅうち)」は、人前で恥ずかしいと感じる感情一般を指しますが、「忸怩」は、自分の過去の行為や失敗に対して、時間が経ってから深く後悔し恥じるという、反省のニュアンスが強いです。
●「痛恨の極み」との違い
「痛恨(つうこん)」は激しい後悔を指しますが、「忸怩」にはそれに加えて、道徳的な側面から自分を責める「恥」の要素が含まれます。
●「過去への意識」
「忸怩たる思い」は、過去の自分の行動に対する評価であり、時間的な隔たりを置いてから湧き上がる深い反省を表現します。
●「忸怩」の字の難しさ
この二文字は、常用漢字外であり、漢字自体が日常的に使われることが少ないため、難読とされています。
