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SAJナショナルチームのコーチを探る モーグル編〈後編〉

コーチになる資格とは? 

最後に、「どうすれば、モーグルのナショナルチームのコーチになれるのか?」という問題について考えてみたい。 

「理想は誰もが納得できるライセンス制が構築されて透明化されることだと思っています。現状は不透明なところで止まっていると思う方もいるかもしれませんね」 

城コーチはシステムの構築への理念を強く抱いているのだ。
現実的には、外国人コーチは別として、地域で指導実績のある元モーグル選手から選ばれるケースがほとんどだ。ただ、そうした人は全国に数多くいる。そのなかでどうやって選ぶのか。 

「いまは不足している部分を補うというかたちですね。足りないパーツを埋めるコーチを補強する。エア台の横に立つコーチが必要だったので、エアの指導のスキルが高い谷口コーチ、舘田コーチに加入してもらいました。
2人とも総合的に技術指導ができますが、やはり、エアが得意だというのは決め手になりました」

〝名選手名監督あらず〟といった言葉もある。選手としての実力や経験は指導に役立つものではあるが、技術力と指導力は別物である。

現在の日本チームの躍進からヤンネ・ラハテラはこの2つを兼ね備えていたことがわかる。

他方、谷口コーチ、舘田コーチは国際大会で華々しいリザルトを持っているわけではない。城コーチ自身、選手としては五輪に出場していない。選手としての実績と、指導力は別物なのである。 

難しいおカネの問題 

コーチの選出には、また極めて現実的な問題も左右する。 

「単一の大会だけ帯同するスポットのコーチというシステムもありますが、選手側は普段指導されていないコーチからなにかアドバイスされても戸惑ってしまいます。コーチ側もやりづらいので、ほとんど採用していません。いまは年間契約を結べるコーチが絶対条件です。それはトレーナーにしても同じです」 

ただし、スキーのコーチは職業といえるかどうかは微妙なところがあるようだ。 

「フィンランドから招いているヤンネには、それで生活できるだけの条件を約束していますが、他のコーチは指導の報酬だけで1年間、生活することは難しいと思います。
ですから、他に収入源があり、かつ、コーチとしても活動できる環境であることが条件になっています」 

一般的なスキースクールのインストラクターたちもオフシーズンには別の収入源を確保している人がほとんどである。
スキー業界で働く人の宿命のような部分であるが、その折り合いをつけなければならないとなると、現実的に元選手が誰でもコーチになれるわけではない。
ただ、現在の日本チームは限られた条件のなかで、ベストメンバーを揃えている。だからこその全体のレベルアップが顕著なのだ。 

配信元: STEEP

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