“100%以上”のトマトジュース
魅力は、滑ることだけにとどまらない。レストランには10年以上親しまれてきたロングセラーメニューが並び、なかでも「トマトつけ麺」と「スパイシーチキンカレー」が人気だという。


秋から仕込まれる無料の野沢菜漬けも、このスキー場ならでは。開業以来続くサービスだが、特別なきっかけがあったわけではなく、お茶請けを出すような感覚で、自然なおもてなしとして始まったのだそうだ。昨年は2月下旬に売り切れてしまったという、在庫限りの村の味。早めの来場がおすすめだ。

トマトつけ麺にも使われている村の特産品「トマトジュース」も、ひと味違う。生産を担うのは一軒の農家。その美味しさの理由は、収穫方法にある。加工用トマトの多くが機械収穫されるなか、ここでは完熟した実だけを手摘み。青い実が混ざらないことで、完熟100%の雑味のない濃厚な味わいに仕上がる。その年の気候によって風味は変わり、今年は「過去最高」の出来だという。
パウダーブームが追い風に
さまざまな取り組みが功を奏し、昨年は来場者数が過去最高を記録した。かつては大手による開発構想が持ち上がったこともあったが、あまりに雪が多く計画は難航。豊富な積雪に恵まれながらも十分に活かされることなく、周辺にスキー場が点在するなかで、長らく空白地帯となっていたエリアでもある。
それがいまでは、その雪と環境を求めて、遠方からも滑り手が訪れる場所へと変わりつつある。泊まり込みでほぼ毎日通う常連さんから、移動中に立ち寄ったという人まで、何人かに話を聞いてみた。

千曲市から通う山本さんは、パウダーと、不定期開催でホットスナックが振舞われる“ふるまい”を目当てに足を運ぶ一人。
数年前、何気なくコース脇のパウダーに入ったことをきっかけに、その魅力に目覚め、滑りのスタイルが広がったたという。
「パウダーに浸かって、温泉には浸からず帰る」。それがここでの定番だそう。

昨年、友人に誘われてこの場所を知ったという木内さんは、「いい雪を求めると、いつもここにたどり着く」と話す。
軽くて気持ちのいい雪が何よりの魅力で、帰り道に立ち寄る栄村の道の駅のコーヒーがおいしいと教えてくれた。

八方尾根に似た、スピーディーなカービングが楽しめる急斜面の圧雪コースを、混雑を避けて楽しめる点に惹かれ、10年前から通っているという小宮さん。
数本滑ってはコーヒー休憩を挟み、コース料理のようにゆったりと一日を組み立てるのが流儀だ。
イベントやふるまいも毎回の楽しみで、ランチはいつも「とんかつ つまり」だという。

以前からこのスキー場が気になっていたという村木さんは、今回、移動の途中に立ち寄ることができた。
テレワークの合間に回数券で楽しむ、タイパ重視のいまどきスタイルだが、数本滑っただけでも、雪の深さと軽さには驚かされたそうだ。
ローカルスキー場育ちで、ゆったりとした落ち着いた雰囲気が好み。「リフト1本で、体力の限界までパウダーにまみれる」。そんな楽しみ方を勧めてくれた。


