かつては「ミスター年金」ともてはやされたのに、今回は「おこぼれ議員」と嘲笑されるのを我慢できるのだろうか。中道改革連合の長妻昭氏のことだ。
長妻氏は年金記録問題を国会で徹底追及したことから「ミスター年金」と言われたが、今回の衆院選では東京27区で自民党候補に敗れた。比例重複でも復活できないはずだったが、比例東京で8議席を獲得できる票を得た自民党が、重複立候補の全員が小選挙区で当選したため、公職選挙法の規定で、2議席を中道に譲ることに。落選したはずの長妻氏が、ゾンビのように生き返ったというわけだ。
今回、同じように復活したのは長妻氏だけでなく日本維新の会、国民民主党など14人にも及ぶ。落選したのに当選、しかも他党のおこぼれというのはどう考えてもおかしいが、公選法では比例議席は政党間での議席配分が最優先され、小選挙区では落選しても比例では党の議席として「拾われる」という珍現象が起きてしまう。
基本的には「名簿不足」というミスなのだが、足りない議席は空席にすることなく棚ぼた式に議席が転がり込んでくるため、どの党も是正しようとしない。
こうした制度の欠陥を正すのが、「ミスター年金」から「おこぼれ議員」となった長妻氏が取り組むことではないだろうか。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

