『ひっぱりだこ飯』で知られる淡路屋の駅弁を、記者はヘビーユーズしている。味が美味しいことはもちろん、見た目にも綺麗なものが多く、あと容れ物が可愛い。
毎度手を変え品を変え、アイディアと情熱がすごいなと感心するのだが、今回はなんと! 2月9日(ふぐの日)に合わせて、ふぐ型の『ふぐ弁当』を販売するという。これは是非、マイコレクションに加えなければと急ぎ注文してみた。
・気合を入れて購入
『ふぐ弁当(税込1680円)』はふぐ料理店「玄品」の監修のもと、淡路屋が駅弁として仕立てたものであるとのこと。先の関西万博で淡路屋は、やはり玄品とのコラボ商品として『とらふぐ飯(1980円)』を販売していた。
そちらは生憎(あいにく)食べられなかったので今回の物とどれほどの差があるかは定かでないが、商品説明の文章を見る限りでは一般販売向けに内容を調整しているという。そして今回は当時よりもややお安く手に入ったので、ちょっとだけ得をした気分でもある。
しかし『ふぐ弁当』は完全予約制で、2026年2月5日から受注開始。ふぐの日(2月9日)を前にして、販売終了してしまった。記者は運良くネット購入でき、ふぐの日の正午というナイスなタイミングで、自宅に届いた次第である。
かつて淡路屋では、創業120年を記念して『めでっ鯛飯』という商品を販売したことがあった。淡路屋の鯛めしが美味しいことは知っていたし、容れ物が鯛の形をしていて縁起が良い感じで、どうしても手に入れたかった。しかしながら、あまりの人気っぷりと、また販売期間の短さから叶わず。
その後再版される様子も一向にないため、おそらく『ふぐ弁当』も同じ道をたどるだろうと予測。今手に入れておかなければ、この先もう一生出会えないかもしれないと、気合を入れた甲斐があったというものだ。
・贅沢な内容
お馴染みの淡路屋のロゴが入った箱を開けると中から飛び出したのは、プチプチで厳重に梱包された弁当。容れ物が陶器であるが故の、しっかり包装である。プチプチを破っていくと、中から『ふぐ』が飛び出した。
グレーっぽい、まさにフグらしい色のものと、ゴールド(1980円)があったので2種類とも注文。万博の時はグレーのみの販売だったようだが、ゴールドがあれば外国の方には特に、少々高くても人気が出たのではないかと思う。
厚みのある、ぼってりとした体つきのふぐで、つぶらな瞳と丸い唇が可愛い。片手で持つことができるサイズ感は食べやすく、計算されつくした大きさであると感じる。さらりとしていながらも、手に吸い付くような質感も良い。ゴールドの方が着色の関係でか、より手とのフィット感が強いだろうか。
正直もう、この容れ物だけで満ち足りた気持ちになるのだが、ここで終わらないのが淡路屋弁当のすごいところ。ふぐの中を覗くと、そこにはご飯がぎっしり。『ひっぱりだこ飯』と雰囲気はよく似ているが、大きく違うところは、ふぐ尽くしであるところ。
味付けごはんの上には、まふぐ唐揚げ(グレー1個、ゴールド2個)に、とらふぐもろみ醤油焼き、刻み椎茸煮、青ねぎ煮、人参煮、錦糸玉子が乗っている。そして『ひっぱりだこ飯』と同じようにつみれ煮が間に隠れているのだが、今回はこちらもやはり、ふぐが練りこまれたものだ。
下から上までふぐずくめで、かなり贅沢(ぜいたく)である。まずはふぐの唐揚げからいただいてみると、ふっくらしていながらギュッと身がしまっている。さっぱりした味わいであるが、余韻(よいん)のある味わいは、ふぐならではだ。美味しい。
とらふぐもろみ醤油焼きは濃いめの味付けで、コシのある食感が良い。優しくしょう油が香る炊き込みご飯との相性も抜群だ。間から飛び出す、つみれも噛めば噛むほどに味わいが増す。副菜のねぎや椎茸も、ひとつひとつ味が付いていて、ご飯のお供に最適だ。
小ぶりな見た目からは想像できないほどにギュッと中身が詰まっていて、お腹もいっぱいで幸せな気分になる。食べて終わりでなく、可愛いふぐの容れ物が残るところも素晴らしい。
いまだかつて意識したことがなかった「ふぐの日」ではあるが、今年以降は毎年、淡路屋の『ふぐ弁当』に思いを馳せる日になりそうな予感がしている。取りあえずは容器を、我が家の壺コレクションのひとつとして加えて眺めることにしたい。
