現地時間2月8日に行なわれたミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート団体で、アメリカが連覇を飾り、日本は2大会連続の銀メダル獲得、そして銅メダルは地元イタリアが手にした。
国際スケート連盟の世界ランキング上位10チームが出場し、男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目で争う同競技、最初のペアフリーで日本は三浦璃来・木原龍一の「りくりゅう」が世界歴代3位となる155.55点をマークし、女子フリーではエースの坂本花織が精度の148.62点でトップに立って10ポイントを獲得する。
そしてアメリカと同ポイントで迎えた最終種目は男子フリーでは、アメリカが世界王者のイリア・マリニンが200.03点を挙げた後、日本は佐藤駿が登場。高難度の4回転ルッツをはじめ、数々の難易度の高い技を成功させ、3回転ルッツでスケーティングを締めたが、得点は194.86点(自己ベスト)とわずかに及ばず、歴史的な接戦はディフェンディングチャンピオンが制した。
両国によるハイレベルな争いに加え、開催国イタリアが最も大きな歓声の中で好パフォーマンスを発揮して初のメダルを獲得したこともあり、大いに盛り上がったフィギュア団体に各国メディアも注目。とりわけ勝負を決した男子フリーでの日米2人の対決について、英国の五輪専門サイト『inside the games』は以下のように報じている。
「大胆で、見る者の胸を締めつけるような、髪を振り乱して繰り出すジャンプとひねりの数々から『4回転アクセルの神』として知られるアメリカのイリア・マリニンは、22歳の日本の天才、佐藤を相手に、勝負どころで圧巻のパフォーマンスを披露し、団体フィギュアスケートの流れをアメリカの“勝利”へと大きく傾けたことで、『アイスマン』や『カムバック・キッド』といった新たなニックネームを与えられる存在になるかもしれない」
同メディアはさらに、大会初日のショートプログラムでは「凡庸な出来に終わっていた」マリニンが、「最終種目でアジアのライバルにプレッシャーをかけるためには、他に類を見ない演技が必要な状況に追い込まれていたが、まさにその期待に応え、複数の4回転ジャンプを成功させた」と称賛し、「佐藤の194.86点は日本に銀メダルをもたらすには十分だったものの、日本はアメリカにわずか1点差という最小差で敗れた」と続けた。
一方、英国の日刊紙『The Guardian』は「アメリカが2日目終了時点で余裕のあるリードを築いていた」状況からの、日本の巻き返しにスポットライトを当て、「反撃は、ペアのフリースケートから始まった。世界王者の三浦と木原が、大会を象徴する演技のひとつを披露したのだ。大きなトリプルツイストリフトで始まり、最後は木原が三浦を頭上高く持ち上げてフィニッシュポーズを決めるその演技は、自己最高となる155.55点を記録し、日本を一気に優勝争いへと引き戻した」。
続いて、「日本の勢いは女子フリースケートでも続いた。坂本が148.62点の圧巻の演技でこの種目を制し、アメリカの残っていたリードを完全に消し去った。アメリカは、世界王者のアリサ・リウに代わって出場したアンバー・グレンが、冒頭のトリプルアクセルで転倒するなど、プログラム後半のコンビネーションの失敗を含む複数のミスにより3位に終わったからだ」と振り返っている。
そして、この戦いを「最終順位はアメリカが69点、日本が68点、イタリアが60点。この競技が2014年に現在の形式で導入されて以来、最もドラマチックな団体戦のひとつとなった今大会で、勝敗の差がいかに僅差だったかを物語っている。最終セッションでは一騎打ちの様相となり、最終的には、この競技で最も技術的に野心的なスケーターによって決着がつけられた」と総括した。
アメリカのメディアでは、大手放送局のスポーツ専門サイト『NBC Sports』が「マリニンに肉迫した佐藤は、安定して高い完成度を見せてきた自身のシーズンを象徴するようなフリースケートを披露。今季、何度もチームメートの鍵山優真を上回ってきた選手らしく、この冬にずっと見せてきた通りの『メダル候補』ぶりを存分に示した」「坂本の演技は、王者としてのキャリアを象徴する、パワーとスピードに満ちたものだった」などと、自国チームを最後まで苦しめた日本の各選手に賛辞を贈っている。
構成●THE DIGEST編集部
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