10お腹周りのトラブルで、頼れる相棒と言えば『正露丸』。常備している家庭も多いことだろう。
現在X上では、そんな大幸薬品の『正露丸』の意外な効果に対し、「知らなかった…」と、驚きの声が相次いでいるのだ。
■正露丸、虫歯痛にも効果があった1月末、大幸薬品の公式Xアカウントが「ちなみに…ラッパのマークの正露丸は虫歯痛にも使われています」という書き出しから始まるポストを投稿。
ちなみに…
ラッパのマークの正露丸は虫歯痛にも使われています。これは、正露丸の主成分の「木(もく)クレオソート」が、歯の鎮痛鎮静として使用されているからです。
この場合、正露丸は内服するのではなく、痛みのある虫歯の穴に1~1/2粒詰めてお使いください。… pic.twitter.com/nNngaSJave— ラッパのマークの正露丸🎺大幸薬品公式 (@seirogan_cp) January 29, 2026
その理由と使用方法について「これは、正露丸の主成分の『木(もく)クレオソート』が、歯の鎮痛鎮静として使用されているからです。この場合、正露丸は内服するのではなく、痛みのある虫歯の穴に1~1/2粒詰めてお使いください」と、説明していた。
なお、あくまで「一時的な歯痛止め」であるため、「虫歯そのものを治療する効果はありませんので、歯科医で適切な虫歯治療を行ってください」とも補足している。
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■「都市伝説だと思ってた」と驚きの声
画像提供:大幸薬品こちらのポストは瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「本当だったんだ…都市伝説だと思ってた」「口の中、すごいことになりません?」「それは知らなかった」など、驚きの声が続出。
一方で、「子供の頃に虫歯になったら正露丸を詰めていました」「自分の父親は虫歯に詰めていました。幼少期はソレを見て『正露丸ってスゲェ…』となりました」「よくお世話になっていました。独特の香りがたまらなかったです」といった声も散見されており、当該の効果を知っていたユーザーも少なくないようだ。
画像提供:大幸薬品この辺りの知識に関しては、ユーザーごとのジェネレーションギャップなども関係しているのかもしれない。そこで今回は『正露丸』が虫歯痛を鎮める詳細について、大幸薬品に話を聞いてみることに。
その歴史について、大幸薬品の広報担当者は「当社『正露丸』の歴史は、遡ると大阪の薬商『中島佐一薬房』が、1902年(明治35年)頃に発売した『忠勇征露丸』にたどり着きます」と、振り返る。
画像提供:大幸薬品主成分はブナやマツなどの原木を乾留して得られる天然の生薬で、1830年頃にドイツで精製に成功し、日本では1880年頃に「軍薬」として活用されていたという。
画像提供:大幸薬品『忠勇征露丸』のパッケージには、地球儀に描かれた「誠」の文字と、軍隊で食事時に鳴らす楽器をイメージしたラッパが描かれており、当時の時代背景が窺える。
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■「征露丸」から「正露丸」へそして終戦後の1946年(昭和21年)、現会長および社長の祖父にあたる柴田音治郎氏が、中島佐一薬房から「忠勇征露丸」の製造販売権を継承し、大阪府吹田市にて大幸薬品を創業。
1949年(昭和24年)には軍事色の強い「征」の字を「正」にして「中島正露丸」へと名称を変更し、1954年(昭和29年)には「正露丸」へと変更。
画像提供:大幸薬品広報担当者は「1951年(昭和26年)、放送を開始したばかりの民法ラジオで、お馴染みの『ラッパのメロディ』を使用した初のラジオCMが放送されました。このCM放送により『ラッパのメロディ』は、広く世の中に知られるようになりました」と、語っている。
そして1969年(昭和44年)には「誠」の文字に変えて、サブデザインであったラッパをメインに据えて使用された「ラッパのマーク」が誕生したのだ。
このデザインは1972年(昭和47年)には、ほぼ現在の形となり、令和の世に続く『正露丸』の雛形は、この時点で完成されていたことが分かる。
画像提供:大幸薬品では果たして、『正露丸』は誕生当初から「虫歯痛」に対する効果が備わっていたのだろうか?
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■科学的に判明した正露丸の効果
画像提供:大幸薬品大幸薬品の広報担当者は「正露丸の主成分は昔から変更なく、『木(もく)クレオソート』です」と、説明する。
加えて、『正露丸』は伝統薬として長い年月で培われた効果に基づく信頼をもとに強く支持されてきた一方、「効能についての作用メカニズムは近年まで科学的には解明されておりませんでした」とも語っていた。
そこで同社では、1980年代より『正露丸』の安全性や有効性の根拠を明らかにする数々の研究を開始し、1991年には基礎研究の更なる充実を目的として大阪府吹田市に研究棟を建設。主成分の木クレオソートを中心とした安全性、薬効の研究を進めていったのだ。
その結果、木クレオソートには「水分分泌抑制による腸の水分をコントロールする」、そして「腸の蠕動(ぜんどう)運動を正常に戻す」効能があると判明。
かくして『正露丸』(木クレオソート)には、腹部を守る菌を殺すことなく、腸の運動と機能を調節して腸のトラブルを改善する効果があると、科学的にも証明されたのだった。
画像提供:大幸薬品なお、かつて「正露丸は発がん性の危険がある」と誤解されてしまった時期もあるが、これは「木クレオソート」と、木材の防腐剤などに使用される「石炭クレオソート」が混同されてしまったことが原因。当然、『正露丸』に石炭クレオソートは使用されていないので、安心してほしい。
画像提供:大幸薬品『正露丸』はその誕生から120年以上に渡り、日本国民のお腹のトラブル、そして歯の痛みと戦い続けてきたのだ。しかしもちろん「虫歯治療」の効果はないため、歯科通院は欠かさないように。
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■執筆者プロフィール秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)