先日、NFLスーパーボウルで今季用F1マシンのカラーリング発表を行なったキャデラック。ダン・タウリスCEOは、このCM動画にかかった金額についてヒントを与えた。
米国大手ゼネラルモーターズ傘下のキャデラックは、今季からのF1参戦にあたり華々しく登場。1月下旬のシェイクダウンテストはテスト用の黒のカラーリングで参加したが、正式カラーリングはアメリカチームらしく、同国最大のスポーツイベントであるスーパーボウルで公開した。シックでありながらも独創的な左右非対称のリバリーは注目を集めた。
キャデラックは、スーパーボウルでの1分間の広告枠を購入。そこではかつての大統領であるジョン・F・ケネディによる有名な演説「我々は月へ行くことを選ぶ」の音声を使用し、チームの準備の様子とともに「ミッションは始まる」というメッセージを打ち出した。
この広告費が、30秒あたり1000万ドル(約15億6000万円)規模ではないかと問われたタウリスCEOは、「ああ、そのくらいだ。良い見積もりだ」と答えている。つまり1分のCMに日本円にして30億円前後を投じたものと推測される。
広告費の正確な額はさておき、GMはF1チームを初年度から競争力のある存在にするため積極的に投資を続けている。アメリカ国内に複数拠点を持ち、さらにイギリス・シルバーストンにも拠点を構えている。
現代のF1では予算制限が設けられているが、タウリスは2026年と2027年は赤字になると予想している。
「営業ベースで黒字、あるいはキャッシュフローで損益分岐に達するまでには、おそらく数年かかるだろう」
「F1参入に必要なことを考えると、我々は当初の予測よりも前倒しで進んでいる」
こうした状況下ではスポンサーが重要になると言えるが、先日発表されたカラーリングのサイドポッドには『TWG AI』のロゴが入っていた。TWGモータースポーツはGMと共にキャデラックF1チームを運営している企業であり、つまり外部からは大口のスポンサーを得られていないと受け取ることもできる。ただタウリスCEOは、TWG AIが単なる身内スポンサーではないと強調する。
「TWGとGMの資本関係を考慮しても、これは対等な立場での契約だ。単なる埋め合わせや仮置きでもない。物々交換的な契約でもなく、実際に現金がチームに支払われることになる」
また、キャデラックは2024年のル・マン24時間レースに参戦した際、3台のマシンをそれぞれ青・赤・黄の原色で塗り分けた。そのためファンからは、今回の黒白のシックなデザインに対し物足りないとの声もあった。しかしブランド側には明確な意図がある。
タウリスCEOは次のように説明する。
「デザインを考案する際、我々はその色が持つ意味について考える」
「我々にとって、黒は大胆で少し獰猛なイメージがある。白はアメリカの伝統的なレーシングカラーだ。それにフレッシュでクリーンなイメージだから、白を使いたかった。そのふたつのバランスが肝心だった」
「このカラーリングはチームのアイデンティティだ。キャデラックのエンブレムには赤・黄・青があるが、ハイパフォーマンスモデルではモノクロバッジを採用しているので、F1というモータースポーツの頂点に合わせ、ブランドのその要素を強調した。こうして黒・白・クロームを基調とするデザインに決まった」
新カラーリングのマシンは、11日(水)からプレシーズンテストがスタートするバーレーン・インターナショナル・サーキットでフィルミングデーという形で早速走行。セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのふたりが乗り込み、ピレリ供給のデモタイヤで最大200kmを走行した。

