外野手3人とDHをどう使っていくか、これがWBCにおける侍ジャパンの連覇のカギとなりそうだ。
現地時間2月9日にレッドソックスのグレッグ・ブレスローGMがオンラインによるメディア会見を行い、吉田正尚の「外野手出場」にゴーサインを出した。
「DHだけでなく野手としてプレーすることは、彼にとっても有益だと思うし、守備面でどうかを見るために、我々にとってもいいことだと思う」
WBC期間中の選手起用については口を挟まない、というわけだ。吉田の守備面のことを語っており、外野手で起用できるメドが立てば、レッドソックスにもプラスになるということだ。
しかし、本当にそうだろうか。WBC出場国の選手の最終エントリーが発表される直前まで問題になっていたのが、WBCで故障した場合の「保険金」だ。前年、健康体で出場していた選手でも、過去の故障歴や手術経験があると「適用外」になる厳しい保険会社の審査に、出場国の関係者は頭を悩ませていた。所属チームもIL(負傷者リスト)入りを経験した選手の掛け金が高くなることには、不満を漏らしている。
「大谷翔平の投手起用が難しくなったのは、二度の手術経験があったからです。昨年はメスを入れた右肘に違和感を訴えたことがありませんでしたが」(アメリカ特派記者)
吉田は2024年オフ、利き腕となる右肩を手術している。大谷が右肘を手術したのは2023年9月。投手と外野手では試合中にボールを投げる頻度が全く異なるが、保険会社の目線で言えば、吉田が守備に就けばケガをする危険性は高まる。
「WBCの保険は、大会中にケガを負った選手の所属チームに支払われます。ケガでシーズンを棒に振ったとしても、所属チームはその選手に年俸を支払わなければなりません。それを保証するための保険です」(前出・同)
レッドソックスにおける吉田は主にDH。昨季はレフトで4度、ライトで1度のスタメン出場があった。米メディア「MLBネットワーク」のポジション別選手ランキングでレフトで1位に選ばれたのは、同僚のジョアン・デュランで、DHはトレードでやってきたウィルソン・コントレラスのレギュラー起用が予定されている。
もっとも、WBCで活躍してこの評価を覆してやろうという意気込みを、吉田は秘めているはずだ。
ただし、侍ジャパンの外野手は精鋭揃いであり、
「DHは大谷で間違いありません。外野にはカブス・鈴木誠也、ソフトバンク・近藤健介と周東佑京、阪神・森下翔太がいる。岡本和真と村上宗隆をスタメンで同時に使うなら、岡本がレフトに入ることが考えられます」(スポーツ紙記者)
鈴木もカブスでは主にDHで出場してきた。ブレスローGMの発言の「真意」が気になる。
(飯山満/スポーツライター)

