広島カープの羽月隆太郎をめぐる「ゾンビタバコ」騒動が、思わぬ方向に広がりを見せている。
「FRIDAY DIGITAL」が新たに報じたのは、羽月のプロ入り直後のエピソードだった。記事によると、羽月はルーキー時代にチーム内のとある兄貴分、野手Aに弟子入りを志願したものの、その後「破門」されていたという。
球団関係者の証言として紹介されたのは、こんな話だ。
野手Aは豪快に飲み、豪快に遊ぶタイプ。飲み会の支払いを「男気ジャンケン」で決めることが多く、羽月は「億プレイヤーなら払えるだろうけど、年俸の低い自分たちが払うのはキツい」とグチをこぼしていたという。「体育会すぎるノリが合わない」という羽月の発言がきっかけとなり、2人の師弟関係は終わりを迎えた――。
これが報じられると、当然ながら「野手Aは誰なのか」に関心は移る。手がかりは「億プレイヤー」「野手」「体育会系のノリ」「男気ジャンケン」。羽月がプロ入りした2019年当時、広島で億を超える年俸を手にしていた野手は田中広輔、菊池涼介、鈴木誠也、松山竜平、長野久義など、ごくわずかに限られる。
これを検証していくと「田中広輔は体育会系のノリではない」「内野手の羽月が弟子入りするなら同じ内野手では」といった消去法的な推理が展開されることに。
そこに加わったのは、過去の雑誌記事の発掘。選手がチームメイトの印象を語る企画で、当時カープに在籍していた丸佳浩(現・巨人)が菊池涼介についてこう語っている。
「キクを一言で表すなら、イカツイ大学生(笑)。一緒にゴハンに行くと、支払いを男気じゃんけんで決めるんです」
菊池の野球に対する姿勢は、誰もが認めるところ。特に守備に関しては球界屈指のこだわりを持ち、ついてくる若手には居残り練習にも付き合う面倒見の良さで知られる。仮に「男気ジャンケン」が事実だとしても、先輩後輩の間で盛り上がる飲み会の一幕として、プロ野球界では珍しくない光景だろう。
とはいえ、仮に当時2億4000万円プレイヤーが年俸450万円のルーキーと同じ土俵でジャンケン勝負をしていたとすれば、若手にとって財布の痛みが大きかったのは想像に難くない。プロ野球界では先輩が後輩に奢るのが暗黙の了解とされているだけに、報道内容が事実であれば、その慣習とは食い違う。
いずれにせよ、今回の騒動の本質は、羽月自身の問題にある。たとえチーム内の人間関係につまずいた過去があったとしても、それが違法薬物に手を出していい理由にはならない。名前が挙がった選手にとっては、トバッチリ以外の何ものでもないだろう。
(ケン高田)

