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〈相次ぐ外国人スキー場遭難〉「通常なら立ち入らないはずの場所」滝つぼにコース外転落死した女性はカナダ政府機関職員…相反する県警とスキー場の見解、何があった?

〈相次ぐ外国人スキー場遭難〉「通常なら立ち入らないはずの場所」滝つぼにコース外転落死した女性はカナダ政府機関職員…相反する県警とスキー場の見解、何があった?

世界的なスノーリゾートとして人気を集める日本のスキー場で、外国人観光客による遭難死亡事故が相次いでいる。2月1日、新潟県南魚沼市の「六日町八海山スキー場」で、コース外を滑走していたカナダ国籍の女性(39)が高さ約20メートルの滝つぼに転落し、死亡した。取材を進めると、亡くなった女性がカナダの政府機関職員だったことや、猛吹雪の視界不良の中、先行者のシュプール(滑走跡)を追って、後続の客も次々と立入禁止区域へ迷い込んでいた実態が明らかになった。

「ここ数年で初めて」警察も驚いた遭難事故

事故が発生したのは2月1日の午後。南魚沼署によると、亡くなったのはカナダ国籍の39歳女性で、職業はカナダの政府機関「農業・農産食料省」の職員だった。死因は胸を強く打ったことによる外傷性血気胸だった。

同署の関係者は、集英社オンラインの取材に対し、事故現場の特徴についてこう語った。

「今回の現場はロープウェーの『西側』にあたるエリアでした。通常、八海山でコース外滑走による遭難などのトラブルが多いのは『東側』なんです。この西側エリアでの遭難事案を扱うのはここ数年で初めてのことです」

死亡した女性はプライベートで来日しており、友人の男性と2人でスノーボードをしていた。しかし、コースを滑走中、同行していた男性が女性の姿を見失ったという。

男性がGPS(全地球測位システム)の位置情報を頼りに捜索したところ、GPSの反応が滝つぼ付近でとまっているのを確認。午後3時29分、消防に「友人が遭難した」と通報した。警察と消防の救助隊が現場へ急行したが、女性が転落していたのはやはり高さ約20メートルにも及ぶ滝つぼだった。

救助隊が要救助者である女性と接触できたのは、通報から2時間以上が経過した午後5時50分。すでに日は落ち、雪深い山中での搬送作業は困難を極めた。

「女性を救助し、ベースキャンプまで連れて戻ってきたのが夜の9時40分でした。その後、搬送先の病院で死亡が確認されました」(同署関係者)

「誤進入」か「確信的」か…視界不良の恐怖

なぜ、彼らは管理区域外へ足を踏み入れたのか。現場付近には、コース外への進入を防ぐためのロープやネットが設置されていたという。

当日の天候について、前出の関係者は「すごい雪が降っていて、視界は良くなかった」と振り返る。

「現場にはロープやネットなどで『こっちから先は行ってはダメですよ』という標示はあるのですが、全部に張り巡らすことができるわけではないので、当然隙間があります。『ロープの切れ目があるから行っていいんだ』と思ってしまう人もいるかもしれません。

警察としては、視界不良で誤ってコース外に出てしまったのか、それともバックカントリー目的で意図的に入ったのかは、ご本人が亡くなっているため断定できません。

ただ、後続の客が入ってきている状況や視界の悪さからすると、前の人のトレースにつられて入ってしまった、あるいは道を間違えた可能性も否定できない状況です」

警察は「道を間違えた可能性も否定できない」と言うが、八海山スキー場の担当者の意見はそれとは食い違う。

「私が着任してから、西側でこうした事故が起きたのは記憶になく、少なくとも今シーズンでは初めてのケースです。現場付近は、一般的な感覚を持っていれば『ここは入ってはいけないな』と見て分かるような場所です。東側とは違い、誤って入ってしまうような場所ではないのですが……」(スキー場担当者)

同スキー場では、パトロール隊が毎朝の点検で危険箇所にロープを張るなどの対策を講じているほか、パンフレットや現地の巨大なコースマップで「立入禁止」と明示している。

ただ、事故が起きた場所では、ロープなどは設置されていなかったという。しかしこれについても担当者は「ロープなどなくても、通常なら立ち入らないはずの場所だ」と言う。

さらに警察は「激しい降雪による視界不良」を今回の事故が発生した要因の一つに挙げているが、これについてもスキー場側の認識とは若干の食い違いが見られた。

「確かに前日から雪は降り続いていましたが、目の前がまったく見えないような『ホワイトアウト』の状態ではありませんでした。当日は日曜日で多くのお客様が来場され、通常通りリフトも運行しており、この件以外に事故や遭難は一件も起きていません。

雪で方向感覚を失い、迷って行ってしまうほどの悪天候だったかというと、そこまでではなかったと思います」(同前)

猛吹雪で前が何も見えなかったのか、それともある程度の視界はあったものの判断を誤ったのか。当事者が亡くなっているいま、その真相を知るすべはない。

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