2018年に急性心不全を患い、2020年にはコロナウイルスに感染して危篤状態に陥った。その後、週3回の人工透析を受け、電動車椅子に乗って生活。2023年には腎移植手術を受けるも失敗し、昨年10月に病状悪化により左足の切断手術を受けた――。
そんな壮絶な人生を送っているのが、ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)だ。
昨年放送された「有吉クイズ」(テレビ朝日系)の「目指せBSレギュラー!!電動車椅子で街ブラ番組パイロット版」では、単に「有吉とハチミツ二郎が、電動車椅子に乗って散歩をする」という絵面の物珍しさだけでなく、電動車椅子に対する知識を得ることができた。さらに公道や施設のバリアフリーへの理解を深める面を多分に持ち併せており、大きな反響を生んだばかりでなく、ギャラクシー賞の月間賞も受賞している。
これに気を良くしたのか、2月8日深夜の「有吉クイズ」では「電動車椅子さんぽ最新作」が放送された。
前回の放送後に左足を膝下から切断した二郎は現在、義足でのリハビリ生活中だ。傍目から見るとなんとも痛々しいのだが、当の本人はというと、
「腎臓移植の失敗から感染症にかかってたんですけど、それ(細菌)が全部、足先にいってたんですよ。要は悪いところを切り落としたんで、数値も全部下がって。多分、ここにいる誰よりも健康かもしれない」
義足に関する「保険は適用されるか」や「自己負担額は」などといったことも語られ、今回も勉強になった。これはまたもや「神回」の予感がする。
ところがVTRを見たスタジオのエルフ荒川が、
「義足のこととか、詳しくぜんぜん知らなかったので、いろいろ知れて、というか、あの…勉強させていただきました」
なにやら妙に堅苦しいコメントをすることに、違和感を覚えてしまった。荒川の発言は「病気や身体的な障害といったデリケートな話題だから」というよりも「ギャラクシー賞の月間賞を受賞した企画の続編だから」ってことに怯んでしまっているように感じたのだ。もっとギャルらしく、少しは不謹慎なことを言ってくれてこそ、その反面の「学び」や「感動」が生きるのに。
番組では以前、認知症を患ってからメディアに登場しなくなった蛭子能収に「久しぶりに会いたい」という有吉のかねてからの希望が叶い、数年ぶりの再会を果たした回が、じわじわとくる感動を呼んだものだ。
しかしその回がやはり、ギャラクシー賞月間賞を受賞。のちに第2弾、第3弾と続いたものの、回を追うごとに「狙っている」ように感じてしまい、当初の感動と面白さは薄まった。
いや、出演する有吉や蛭子さんには余計な意識はないのだろうが、制作側が意識をしているように感じてしまうのだ。
ちなみに、現在の蛭子さんの病状も理由としてあるのだろうが、その後、続編は放送されていない。
深夜のバラエティー番組なんて「日本の放送文化の質的な向上」なんてことで評価されるものではなく「この前のあれ見た?」と飲み屋で話のネタにされることが、いちばんの賞なのではないのか。それでこそ今回、有吉が冒頭に笑いながら言った「蛭子さんとハチミツでアカデミー賞狙える」という冗談が映えるってものだ。ギャラクシー賞、ナンボのもんじゃい!
(堀江南/テレビソムリエ)

