最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
脳トレ四択クイズ | Merkystyle
M!LK「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」はまさにタイムカプセルだ 2026年の今、観るべき理由

M!LK「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」はまさにタイムカプセルだ 2026年の今、観るべき理由

「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」
「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」 / (C)2020 by SDR Inc

<何になれるのか、どこに行くのかも分からないまま、歩き続ける僕ら><でも、何になりたいのか、どこに行きたいのかは、もうはっきりしてるんだ。だから…><僕らは僕らであることを選び続ける>。これはM!LKが2020年にリリースした楽曲「Searchlight-僕らが僕らになる方法-」の歌詞である。M!LKがこの楽曲をリリースしたときにはまだ、2026年の今の彼らの爆発的な勢いと活躍は知る由もないが、結成当時から「なりたい彼ら」「行きたい場所」を目指して着実に歩み続けてきたはずだ。彼らがM!LKとしての「彼ら」を選び続けたから、今のM!LKがある。

■決して順風満帆ではなかったM!LKの歴史

M!LKとは、佐野勇斗、塩崎太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる5人組ダンスボーカルグループ。2024年10月には、地上波初冠番組「限界突破!やってM!LK」(TBS系)のレギュラー放送がスタート。翌年2025年には、3月にリリースしたメジャー2ndアルバム『M!X』のリード曲「イイじゃん」がSNSを中心に大ヒット。歌詞の一節である「ビジュイイじゃん」が新語・流行語大賞にノミネートされ、念願だった「NHK紅白歌合戦」への出場も果たすなど、その勢いは今なお加速し続けている。

そんな彼らの結成は2014年11月。2026年2月現在、結成12年目となる。干支が一周するほど長く活動している彼らの歩みは、決して順風満帆ではなかった。メンバーの卒業と加入を経て、現体制となったのは2020年2月。メジャーデビューは2021年11月と、結成から7年もの歳月を要している。

■現体制になってから初となるアルバム『Juvenilizm-青春主義-』

冒頭の「Searchlight-僕らが僕らになる方法-」は、メジャーデビュー前、7人から5人の新体制になって初のアルバム『Juvenilizm-青春主義-』(2020年3月リリース)に収録されている楽曲だ。本アルバムは、アーティストと俳優、M!LKが持つ二つの側面を織り交ぜた“シネマティックアルバム”として制作され、その収録楽曲をモチーフに映像化されたショートフィルム「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」も同時に制作された。当時、期間限定で劇場公開され、同アルバムのLimited盤に特典映像として収録された。

そんな「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」が、2月20日(金)夜7:00より日本映画専門チャンネルにてテレビ初放送される。劇中楽曲の完成度はもちろんのこと、6年前の彼らの、初々しくもありつつ俳優としての才能も存分に感じさせる本作の見どころを改めて紹介したい。

■2015年3月9日ーーあの日、あの場所での約束を目指して

本作は、各メンバーがそれぞれ主人公となるオムニバス形式の青春群像劇。2020年3月7日、それぞれの高校を卒業し、新たな道を歩んでいた勇斗、太智、舜太、柔太朗、仁人は顔を合わせることなく数年を過ごしていた。10代の頃に想像していた未来とは違う現実に直面し、挫けそうになりながらももがく5人の時間が、些細なきっかけで動きだす模様を描く。

自身の名前が役名になっているだけでなく、役柄と当時の彼らの心情がリンクしているところもあったというだけあって、まるで「5人は本当に幼なじみで、タイムカプセルを埋めた過去があったのでは…」と錯覚するほどの超自然な空気感が漂う。同時に、それぞれがあまりにナチュラルに役を生きている姿に、これが俳優ユニットではなくメジャーデビュー前のダンスボーカルグループなの!?と驚くばかりである。

もちろん、当時から佐野をはじめ彼ら一人ひとりはアーティストだけでなく俳優など他のカテゴリでも活躍していたが、それでも本人と同じ名前の役でかつそれをメンバー同士で芝居するというのは、通常の映像作品とはまた違った難しさが存在するように思う。ゆえに、本人と役の境界線がありつつも、それがどこまでも曖昧な自然さに衝撃を受けた。

高校時代のシーンは本人たちも「100%素」「ある程度の流れはあったけど、ほぼアドリブ」と語っているほど“そのまんま”で、仲睦まじいわちゃわちゃ感は実に最高だ。男子高校生の友情はなんてキラキラ輝いて尊いんだ…と心がもきゅもきゅするほど。

一方で、現在のパートでは高校生の頃思い描いていた未来の自分とは違う、それぞれが現実に打ちのめされているところから始まる。5人5様の何となくもやっとして、燻(くすぶ)った現在があり、全員の根底に“他人には見せられないカッコ悪い自分”が巣食っている状態。しかし、かつての「約束」が、孤独だった彼らを再び「僕ら」として繋いでいく。

■「Juvenilizm-青春主義-Special Short Film-」は、今のM!LKの躍進を暗示していた?

高校時代の友達がいる無敵な「僕ら」から時が経ち、大人となった今、知らず知らずのうちに孤独な「僕」へと変化してしまっているその姿に、胸がキュッとなる。同時に、自分の中のどこかにもその部分が確実に存在していることに気付き、共鳴してしまう。そんな迷える大人な彼らが、ひょんなことから再会し、高校時代に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことで、今に優しい光が差し込むのだが…。それは、視聴者である私たちの現実にも柔らかく温かな風を送ってくれる。

「僕個人」だけでなく「僕ら」となることでさらに強くなり、輝き出す彼らの姿はは、M!LKそのものだ。そして、M!LKがM!LKであることを選び続けたその先、5年後の2025年、社会現象を巻き起こすほど大活躍する未来を、この作品は暗示していたようにも思えた。2026年の今観ると、あの日彼らが交わした「約束」という名のタイムカプセルを、私たちも一緒に開けたような感覚になるはずだ。

構成・文=戸塚安友奈

※塩崎太智の「崎」は正しくは「たつさき」。

あなたにおすすめ