2月11日からバーレーンでのプレシーズンテストを行なうF1。バルセロナでのシェイクダウンテストは非公開であったため、公に2026年のマシンが走行する最初の機会になるといえる。
とはいえバルセロナでのテストで、各チームの新規則へのアプローチが見えてきた。アウディとアルピーヌは、アクティブエアロの面で独自のソリューションを取っていることが分かる。
アウディのリヤウイングは、可動するフラップの回転軸がフラップの前縁や後縁ではなく中央に配置されているため、2つのフラップの回転方向がライバルチームとは異なるのだ。
今年のF1における最も重大なレギュレーション変更の一つは、アクティブエアロに関するものだ。これまでも、オーバーテイクを促進するためのDRSという形でリヤウイングのフラップが稼働し、空気抵抗を低減してきた。
アクティブエアロは前後のウイングのフラップが可動。オーバーテイク促進が目的ではないため、ポジションに関係なくすべてのストレートでこれらの要素を活用できるようになる。
レギュレーションが変更された際にはよくあることだが、FIAが課した制限の範囲内でエンジニアが創造性を発揮し、ライバルたちとは異なる設計哲学を生み出している。この創造性は、アクティブエアロにも表れており、チームごとに異なるデザインが生まれている。
グリッド全体で可動フラップの形状が異なり、可動するフラップの数も異なる。またサーキットの特性に応じて、レースごとにいくつかのソリューションが使い分けられる可能性がある。また、各チームによるリヤウイングの開き方にも多様性がある。
昨年までのDRSは、規定で開口部は最大85mmまでとされており、それを各チームが最大限に活用しようと努力していた。基本的に、回転の軸となる支点は可動フラップの後部にあり、アクチュエーターで実際に動くのは上方に持ち上げられた前方の部分だった。
しかし2026年のレギュレーションでは、異なる解釈が生まれた。特にアルピーヌとアウディは、ライバルとは明らかに異なる道を歩んでいる。
他のチームは、DRSと同じようにフラップ後部を固定しフラップ前部を持ち上げるという従来の手法を選んでいる。多くの場合、開口部を最大化してストレートでの空気抵抗を減らすために、エンドプレートよりも高い位置までフラップが持ち上げられている。
一方、アルピーヌのフラップは逆の動きをする。フラップ後端を押し下げるアクチュエーターを採用しているのだ。これにより、押し下げられたフラップはメインプレーンの延長のような形状となる。つまり回転軸はフラップの前部にあるわけだ。
アウディのアプローチはさらに興味深い。アウディのエンジニアたちはつの考え方の中間的な解決策を選択し、2枚フラップの回転軸はちょうど中心に配置されているからだ。
2枚のフラップのうち、アクチュエーターのアームが接続されているのは下部のフラップのみ。このフラップにふたつの小さなサポートで接続された上部フラップは受動的に、アクチュエーターの動きに連動することになる。アクチュエーターが動いて下部フラップを持ち上げると、2枚のフラップが回転するように動くわけだ。
その結果、アウディR26のリヤウイングのフラップは、開いた状態では斜めに傾いた状態となる。DRSに近い手法を選んだライバルたちと比べて、開口部の隙間は小さくなっている。
これは非常に興味深い解決策である。なぜなら斜めのフラップにより、その領域における気流の方向を変えることを意味するように見えるからだ。視覚的・空力的な効果として、開いたフラップの傾斜により、空気がほぼ「押し下げられている」ように見える。
果たしてアウディは、空気抵抗を低減する以外の目的をこのウイングにもたせているのだろうか? このウイングでディフューザー後方に空気を導く、”ダウンウォッシュ”を活用しているのだろうか? ライバルたちがアウディに追随するかどうかも含めて、注目のソリューションだと言える。

