近年のF1には、レッドブル、メルセデス、フェラーリそして現王者のマクラーレンがトップ4チームとして君臨してきた。しかし2026年には、アストンマーティンがここに挑んで来そうだとジョージ・ラッセル(メルセデス)は予想している。
上記の4チーム以外が優勝したのはアルピーヌのエステバン・オコンが勝った2021年ハンガリーGPまで遡るなど、現在のF1はトップ4チームの支配が長く続いている。しかしながら2026年はその勢力図が変わる可能性がある。レギュレーションが大幅に変わるためだ。
今年のF1マシンは32kg軽量化され、サイズも小型化されているほか、空力のパッケージも大きく変わる。さらにパワーユニットに目を向けると、出力における電動パワーの比率が増し、使う燃料も持続可能燃料となる。まさにF1の歴史上最大とも言える大改革だ。
そうした転換期には中団チームが一気に前線へ躍り出ることがあり得るが、その中でも特に注目されているのがアストンマーティンだ。彼らにはF1の伝説的デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが加わったのだ。ドライバーには2度の王者フェルナンド・アロンソがおり、さらにレッドブルを王者に導いたホンダのワークスパワーユニットを入手。アストンマーティンへの期待が高まるのは道理だろう。
バルセロナのテストを好調裏に終え、2026年のチャンピオン最有力候補と目されているラッセルは、アストンマーティンがトップチームの一角に加わる可能性を警戒している。
「スポーツ全体にとってもドライバーにとっても理想的なのは、複数のドライバーと複数のチームがタイトルを争うことだと思う」と、ラッセルは言う。
「現時点ではレッドブル、マクラーレン、フェラーリ、そして僕たちメルセデスが互いにかなり接近している4チームに見える。だけど、アストンマーティンやエイドリアンがあのマシンでやってきたことを無視することはできない」
「見た目はかなり印象的だし、ここ数年ホンダはレッドブルに優れたエンジンを提供してきた。僕たちは彼らの能力を知っているんだ。だから激しい争いになれば素晴らしいと思う。2010年にマクラーレン、フェラーリのフェルナンド、そしてレッドブルが争ったシーズンを覚えているが、あれこそがF1のあるべき姿であり、今年もそうなることを期待している」
ラッセルも指摘しているが、ニューウェイがアストンマーティンで初めて手掛けたマシンAMR26のデザインは、ライバルの注目を集めている。
ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表はライバルのマシンについてこう語った。
「エイドリアンはとにかく創造的なデザイナーだ」
「彼が“そこにあるべきではない”と思える位置にウィッシュボーンを配置しているのは本当に印象的だ。我々のマシンを見ても、それはよく分かるだろう。非常にエイドリアンらしい。とても印象的でクリエイティブで、そして過激だ。あの設計担当にはなりたくない、と言っておこう」
なおラッセルはアストンマーティンのマシンが印象的であることを認めつつも、それが必ずしも速さにつながるとは限らない、とも指摘している。
「デザイン面では、確かにアストンマーティンが最も独創的だったと思う。誰もが、リヤサスペンションに注目したと思うが、それが明らかに印象的だった。美的観点から言ってもね」
「しかしF1は、ビューティコンテストではないよ。サーキットでスピードを争うモノだ。だから人々は、最も速いマシンに常に注目する。そしてそれは、メルボルンでの開幕戦で見つかるだろう」

