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「かなり復帰を早くした」「正直、W杯のことは…」なぜ鎌田大地はワールドカップが控えているのにリスクを犯して“強行出場”したのか 指揮官は驚嘆「とても驚いたし、感心させられた」【現地発】

「かなり復帰を早くした」「正直、W杯のことは…」なぜ鎌田大地はワールドカップが控えているのにリスクを犯して“強行出場”したのか 指揮官は驚嘆「とても驚いたし、感心させられた」【現地発】


 77分、クリスタル・パレスが1点リードして迎えた終盤。鎌田大地は静かにピッチへ送り出された。アウェーのブライトン戦。復帰戦で彼に与えられた役割は、残された15~20分を守りきり、しっかり試合を締めることだった。

 2か月ぶりの実戦後、鎌田はウォームダウンをこなしてからロッカールームへ行く途中に足を止め、囲み取材に応じてくれた。記者の一人が「久々のプレーを楽しめたか?」と尋ねる。一考してから、「それよりも、かなり復帰時期を早くしてるんで、ほんとに再発しないようにしたし、時間制限もあった」と冷静に答えた。

 チームがリードしている状況。出場時間に制限のある中での起用に、「勝ち切れるように、勝ち切れたらいいなっていう風に思ってました」と振り返る。

 12月14日のマンチェスター・シティ戦で負った右ハムストリングの怪我。以来、鎌田は戦線離脱し、その間、クリスタル・パレスはリーグ戦で一度も勝てなかった。離脱するまでのチームは上位につけ、自身はリーグ戦14試合連続先発出場。好調を維持するチームの一役を担っていた存在だった。

 しかし、背番号18を欠いたチームは順位表を急降下していった。
 
「自分がいた時までは、プレミアリーグでも5位とかだったんで、かなりいい位置につけてたと思いますし、そこからこんなに崩れるとは思っていなかった」
 
 不調に陥るチーム状況を傍観するしかできず、「パレスにとってもすごく難しい時期だったと思いますし、自分自身にとっても、試合に出たい気持ちと怪我の具合と。その時間がすごく長く感じました」。

 それでも、復帰への準備は着実に進めていた。負傷してから3週間ほどの短期間で走れる状態に戻し、チーム練習に合流したのは約2週間前のこと。

「コンディションだけを落とさないように、あとは怪我がどれだけ癒えるかという部分と、どれだけリスクを取るかっていうところの話し合いだった。コンディション、心肺のところはあんまり心配はしなかった」

 だがこの「どれだけリスクを取るか」という判断が難しかった。鎌田本人は、ブライトン戦の2週間前に行われたチェルシー戦の時点で、オリバー・グラスナー監督やメディカルチームに出場の意思を伝えていた。それでもなかなかゴーサインは出されなかった。

「いつも怪我をした時に、自分自身は本来の時間をかけずにいつも帰ってこれているんで、今回も5週目ぐらいの試合に出たいというのは、チームと交渉してたんです。ただなかなかその(怪我の状態を示す)画像と、自分の身体というのが比例していなかった。すごく説得するのが大変だった」

 メディカルスタッフとのやり取りを振り返り、思わず苦笑いを浮かべる。

「すごく一方的に、僕が言っていた。画像を見ると、ドクターは基本的にみんな同じことを言うので。ただ再発しやすい場所でもありますし、難しいところでしたけど」
 
 そんな中で最終的に復帰が実現した背景には、監督との信頼関係があったから。「監督が僕のことを知らなかったら、このタイミングでの復帰はなかったと思います」と、困難な状況だったことを窺わせた。

 ブライトン戦後の記者会見。グラスナー監督に鎌田のパフォーマンスをどのように評価するかを聞いてみると、「とても嬉しい」と目を細めたのが印象的だった。

「ダイチはとてもスペシャルな選手なんだ。周囲は『もっと治療に時間をかけなくてはダメ』と説得し続けたが、彼は2~3週間前からピッチに戻ろうとしていた。我々は『リスクが高すぎるから、それはできない』と話していたのだが、先週になって、私がダイチと話して一緒にリスクを取ることを決めた。彼は『フィジカル的には全部できる、全部をやりたい』といって、フルトレーニングに参加したんだ」

「そしてきょう、ダイチが15~20分プレーする姿を見て、正直とても驚いたし、感心させられた。8週間も離れていたのに、ブランクをまるで感じさせなかった」と目を丸くした。

 復帰戦での鎌田は、派手なプレーこそなかったが、クレバーなプレーは健在で、随所に“らしさ”を見せていた。82分には、ルーズボールを拾ってドリブルを試み、後方からの激しいスライディングを受けて倒されたものの、すぐに立ち上がってプレーを続行。右太もも裏を気にする様子は見られなかった。
 
 復帰を果たした鎌田は、「5週目の試合に出してって言ってたんで、できる自信はかなりあった」と汗をぬぐった。一方で、「ただ、やっぱりまだそのリスクっていうのはたぶんあると思うんで、気を抜かずにちゃんとやっていかないとなっていう感じですかね」と気を引き締める。
 
 6月にはワールドカップも控えるが、その話題を向けられても、鎌田の答えは一貫していた。

「ワールドカップを気にするなら、もっと治療時間を取るんで。基本的にどのドクターにも、『ちゃんと癒えるまで待ったほうがいい』と言われますし」
 
 それでも、“今”を優先した。

「自分自身は(W杯も)もちろん大事ですけど、パレスでこの“今”を...今までもそうやってサッカー人生をやってきているので。なんかそこをあんまり変えるのは、自分自身違うかなと思うんで。もちろんそこはすごく大事ですけど、自分のフィーリングができるんだったらやりたいっていう、そういう感じでした」

「正直、本当にワールドカップのことはあんまり考えてなくて、今のところ。しっかりパレスでちゃんとやらないとそこにも繋がんないと思うし、パレスで今を頑張らないとなって感じです」

 そんなクリスタル・パレスでは、この日本代表がチームを離脱していた2か月弱の間にいろいろな問題が巻き起こった。しかし、それらをひとまず忘れて、チームとして再び前を向いて動き出さなければならない。その中で、29歳はただ、チームとともに再び上昇を遂げるために、今季の前半戦のようなパフォーマンスでチームをけん引するしかないのである。

 8週間の葛藤と覚悟を経て、鎌田は再びピッチに立った。この日、指揮官が残した言葉には「(久々に勝利した)ここからが新たなスタートとなる」というものがあったが、鎌田の復活は彼自身、そしてクラブにとっても、終盤戦に向けた再スタートの合図になるのだろうか。

取材・文●松澤浩三

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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