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ショーン・ホワイト引退以降の“弱体化”の理由が明らかに… 日本に盟主の座を譲り渡したアメリカの現状に『AP通信』注目「今やハーフパイプは希少な存在」【冬季五輪】

ショーン・ホワイト引退以降の“弱体化”の理由が明らかに… 日本に盟主の座を譲り渡したアメリカの現状に『AP通信』注目「今やハーフパイプは希少な存在」【冬季五輪】

スノーボード・ハーフパイプといえば、かつてはアメリカ勢が表彰台を独占するのが当たり前だったが、この10年で勢力図は大きく塗り替えられ、ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックでは、男女ともに日本勢が金メダルの最有力候補に挙げられている。

 こうした状況を受けて、アメリカの『AP通信』は、「現在の五輪ハーフパイプ界が『世代交代』とも言える転換点に立っている」と報じ、「かつては、星条旗に染まった表彰台が新雪と同じくらい当たり前の光景だったが、過去10年の表彰台を振り返ると、全く違う景色が見えてくる。現在、同国でメダル候補として名前が挙がるのは、女子のクロエ・キムのみ。一方で男子では、日本勢が完全に主役となりつつある」と綴った。
  前回北京大会を制した平野歩夢、今季世界ランキング2位の戸塚優斗、そしてオーストラリアのスコッティ・ジェームズが有力候補として挙げられる中、象徴的存在だったショーン・ホワイトの現役引退以降は苦戦が続いているアメリカ。同メディアは、この構図の変化について、日本が人材と資金をハーフパイプに集中投下してきた一方で、アメリカでは練習環境そのものが急速に縮小している点を最大の要因としている。

 記事内では、ホワイトが平野との最近の会話を振り返り、日本の投資の大きさに衝撃を受けたことが報じられている。日本ではドライスロープ施設や高価なエアバッグ、そして何より年間を通じたトレーニング環境が整っているのに対し、アメリカでは「ハーフパイプそのものが“希少な存在”になりつつある」という。

 2014年ソチ大会でスロープスタイルが種目に加わったことが流れを変え、造成が難しく利用者も限られる22フィートの巨大なハーフパイプから、造成コストが低いスロープスタイル用のコースに乗り換えることは、投資する側にとって必然だったようだ。同メディアでは、2002年ソルトレークシティ大会の金メダリストであるケリー・クラークが「15年先を考えると、ハーフパイプがどれほど一般的であり続けるのか不安がある。誰もが見て、参加できる競技であり続けるのか」との懸念を示している。

 それでも、かつて1998年から2018年までに31個の五輪メダルを獲得したスノボ王国の栄光を取り戻すべく、アメリカは6500万ドル(約100億円)超規模の基金を創設し、新たな選手への支援策を進め、2034年の自国ソルトレークシティでの大会では再びハーフパイプで世界の頂点に立つことを目標に掲げるという。

 これに対して日本は盟主の座を守るための万全の態勢を整えている。「かつてはアメリカに練習拠点を求めて選手を送り込んでいたが、現在はスイスなどで大規模なキャンプを実施し、30人規模の育成選手を抱える体制を構築。その規模は『まるで軍隊』と表現されるほどだが、この強化策の効果は絶大で、2012年まではひとつもメダルを獲得できなかったのが、直近3大会では18個中5個を獲得し、男子に限れば4個を日本が占めている」。

 同メディアは、かつてはアメリカのホワイトの背を追いかけ、今や日本勢の台頭を受け止める立場となったジェームズの「彼らはチームとして高め合い、ひとつの“勢力”を築き上げた。板の上での構成、身体の使い方など、全てが優れている。彼らは本当にスノーボードが上手い」とのライバルへの賛辞を紹介している。

「ハーフパイプという象徴的競技をめぐるこの変化が、今後の世界のスノーボード勢力図を左右する重要な転換点になる」と記事では指摘されたが、今大会ではハーフパイプだけでなく、男女のビッグエアでも6個中3個のメダルを獲得するなど、スノボという競技全体で勢力を広げている日本。ビッグエアではメダルなしに終わったアメリカとのコントラストはこの先、より強いものとなるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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配信元: THE DIGEST

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