MotoGPの2027年シーズン以降に向けたライダーの契約交渉が、早くも舞台裏で進行している。この動きにはリスクがあると、ジョアン・ミル(ホンダ)は指摘する。
現在のMotoGPクラス参戦ライダーは、その大半が2026年で現在の所属チームとの契約が満了となる。契約交渉が始まる時期は年々早まる傾向にあるが、MotoGPでは来る2027年シーズンからレギュレーションが大きく変わるということもあり、今年はさらに動き出しが前倒しされている。
先日行なわれたセパンテストの時点でも、2027年のグリッドの陣容がどうなるかが大きな話題だった。まだ2026年のシーズンも始まっていないのにである。
特にファクトリーチームは、3月末までにはラインアップを確定させるとも言われている。KTMに移籍するとの噂があるアレックス・マルケス(グレシーニ)も、開幕戦の前には将来を決めることになると認めていつことも、予測に合致するものだ。
motorsport.comの調べでは、現ヤマハのファビオ・クアルタラロがホンダへ移籍すると見られており、その動きがライダー市場全体に大きな影響を与えていると考えられる。
たまらないのはホンダの現ライダーだろう。ジョアン・ミルとルカ・マリーニは、開幕前の段階からシート喪失の可能性に脅かされてしまっている。
ミルは契約交渉が早まる現状に警鐘を鳴らしている。ミルは情勢の変化に対応していかなくてはならないと認めつつも、決断を早まってしまうリスクがあると語る。
「正直なところ、契約の話が始まる時期がどんどん早くなっている。そこに限度はないみたいだ」と、ミルは言う。
「今では(前々年の)11月にチームと話し始める人もいるようだ。僕だって、シートを失いたくない。誰も安心して眠れない状況なんだ」
「でもその一方で、決断を下すには物事を見極めたいとも思っている。このプロセスを待たずに早くやり過ぎれば、正しくない決断をしてしまうかもしれない。それでも皆が早く決めてしまうから、自分も決めなければならない」
「自分たちのカードをうまく使っていくつもりだ。今のところ自分が何をしたいのか分かっていない。それが現時点での自分の決断だ」
「ここ数年でホンダのプロジェクトが改善しているのは確かだ。僕は厳しい時期から一緒にやってきたんだ」
「昨年、自分が表彰台に立った時にはまるでタイトルを獲ったかのように喜んだ。彼らと良い結果を出した時の味わいはまた違っているんだ」
ミルはスズキのMotoGP撤退に伴い、2023年にホンダ移籍。今年で4シーズン目となっているが、将来についてはまだ結論が出ていない。ミルはこの先の動きについて問われると、次のように語った。
「正直に言えば、ある方向で考えているというより、そもそも考えていない。自分が何をしたいのかについても考えていないんだ」
「今は2026年シーズンをできる限り良い形でスタートすることを考えている」
「でも他のライダーが契約を決めていくなら、自分たちも動かなければならない。それも現実だ。だから様子を見ることになる」
マリーニも将来がどうなるか不透明だ。マルク・マルケスの後任として2024年にホンダに加入してから、マシン開発に注いできた努力はチーム内でも高く評価されている。しかしその一方で2025年は、表彰台を獲得したミルに匹敵する成績を残せていない。
「今はメディア側でもライダー側でも皆が多くを語っている。すべてのライダーが2027年に向けて最高のポジションにいたいと考えているんだ」
マリーニはそう語る。
「でも今の時点で何が最善かを理解するのは簡単ではない。すべてが変わるからね」
「ただ僕はホンダと、日本の幹部たちと常に話をしている。素晴らしい関係を築いているし、ことを決着させるにはまだ十分な時間があると思う」
「2026年シーズンはまだ始まってすらいないんだ」

