2月11日に新日本プロレス大阪大会が開催された。メインイベントでは、IWGPヘビー級王者の辻陽太と挑戦者のジェイク・リーが対戦。必殺のジーンブラスターで辻が初防衛に成功したのだが、試合後のリング上での辻のマイクパフォーマンスが注目されている。
「ここで言うべきことではない」と前置きしたうえで、「オイ、ブシロード!オレたちレスラーは、カードゲームのカードじゃねえんだ。オレたちは、このリングで命を懸けて闘ってるんだ。このベルトの重みがわかるか。このベルトはここで闘う全レスラーの覚悟と命の代償なんだ」
辻が怒りのホコ先を向けたブシロードといえば、カードゲームやゲームソフトなどを手がける親会社のことで、低迷していた新日を立て直した“恩人”でもある。
辻が噛みついたのは、相次ぐ選手の退団が影響していたのだろう。25年に内藤哲也、26年にEVIL、高橋ヒロムと団体の「顔」が去っていた。
「次へのステップで米国を目指す選手もいますが、金銭面で折り合いがつかなかったり、団体での扱いに不満を抱えているなど事情はそれぞれ。ただ、退団に歯止めが掛からない異常事態であることに間違いはなく、危機感を感じた王者が警鐘を鳴らしたのでしょう」(格闘技ライター)
発言の影響力は大きかった。SNSでは擁護派と否定派が真っ向対立。そんな中、ブシロードの木谷高明社長兼CEOは自身のXで、
〈カードゲーム愛好家の皆様へ 本日の新日本プロレス大阪大会に於いて選手がカードゲームと言う言葉をあまり良くない例えとして使用しました。不快に思われた方もいらっしゃるかも知れません。誠に申し訳ありませんでした〉
と、謝罪したことでさらなる波紋を広げていた。前出・格闘技ライターがこう話す。
「辻が『カードゲームのカード』に例えたことが物議を醸しています。これまでプロレスファンは、タレントが番組内やSNSなどで、予定調和や馴れ合いを表現する時に、『プロレス』という言葉を使われると、不愉快になり怒り心頭でした。それゆえに、だったらカードゲームを悪い意味で例えるのは許されるのかと。ブーメランのように跳ね返り、辻の発言の真意とは別の論争が勃発しています」
この先、騒乱の最中にいる新日はどんな展開を見せるのか。王者の防衛ロードとともに、発言にも注目だ。
(海原牧人)
編集プロダクションを経て、フリー転身。雑誌&WEBを中心にスポーツ、芸能、街ネタを執筆中。

