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戦争の犠牲となった同胞への追悼は「政治的宣伝」なのか… IOCの“追悼ヘルメット”着用禁止通告にも信念を曲げないウクライナ選手を大統領や他チームも支持【冬季五輪】

戦争の犠牲となった同胞への追悼は「政治的宣伝」なのか… IOCの“追悼ヘルメット”着用禁止通告にも信念を曲げないウクライナ選手を大統領や他チームも支持【冬季五輪】

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの男子スケルトンに出場するウクライナのウラディスラフ・ヘラスケビッチが、ロシアとの戦争で亡くなった同胞アスリートを追悼するために写真を貼付したヘルメットの着用を巡り、IOC(国際オリンピック委員会)と対立している。
  問題となっているのは、コルティナ・ダンペッツォでの公式練習で、2022年のロシアによる侵攻後に死亡したウクライナ人アスリート24人の写真をあしらった灰色のヘルメットを着用したことだ。これに対し、IOCは政治面での象徴的な表現については厳格な線引きをしている。

 しかしヘラスケビッチは、「僕は昨日もこのヘルメットを使ったし、今日も使った。明日も使うし、レース当日も使う」と着用継続を明言。開会式ではウクライナ選手団の旗手も務めた27歳の同国初となるスケルトン代表選手は、今大会を巡ってすでに存在していた政治的緊張を、さらに高める形となった。

イギリスの五輪専門メディア『inside the games』によれば、ヘラスケビッチは今週、IOC担当者から直接、ヘルメット着用が認められないと通告され、五輪憲章第50条に基づいて「いかなる種類のデモンストレーションや、政治的、宗教的、または人種的な宣伝も、全ての五輪関連施設や会場、その他の区域では認められない」と説明されたという。

 この際、IOC側は代替案として黒い喪章の着用を提案したが、ヘラスケビッチはこれを拒否し、正式な不服申し立てを行なう意向を示した。そして、「僕には、このヘルメットを着けて競技に出場し、命を落としたオリンピック・ファミリーの仲間たちに敬意を表する権利があると信じている」と主張している。

 さらに同日夕、同選手は記者団に対し、「彼らの犠牲があったからこそ、我々はチームとしてここで競技ができている。僕は彼らを裏切らない。彼らは競技当日も、僕と一緒にいるべきだ」と訴え、最終的な裁定がどうなろうとも立場を変えないと強調すると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も通信アプリ「テレグラム」で彼への支持を表明した。

 大統領は、「このヘルメットには、ロシアによって命を奪われたウクライナ人アスリートの肖像が描かれている。バフムート近郊で亡くなったフィギュアスケーターのドミトロ・シャルパル、ハルキウ近郊で死亡した19歳のバイアスロン選手、イェウヘン・マリシェフも含まれている」と説明し、これを不適切な政治的デモと見なすべきではないと主張し、また、過去に同様の追悼表現がIOCに認められてきたと強調している。

 ウクライナのスポーツ当局も、当該ヘルメットについては「政治的スローガンは含まれておらず、人種差別的な表現も見当たらない」として、IOC規則に完全に適合しているとの立場を取っているという。

「今はどうすればより良いパフォーマンスができるか、どう集中するかを考えなければならないが、同時に私はこのヘルメットを着ける権利のために戦っている」と語るヘラスケビッチに対する支持は、国外からも集まっており、ラトビア代表コーチのイヴォ・シュテインベルクス氏も「ウラディスラフには、他国からも強い支援がある。昨日は我が国の大統領が彼の元を訪れ、強い支持を示した。もし失格という事態になれば、我々に何ができるかを考える」と語った。

『inside the games』は、「追悼の意思と五輪の中立原則が真正面から衝突する今回の問題が、今後の国際スポーツ界における『表現』と『規則』の在り方を問う象徴的なケースになる」と指摘しているが、ヘラスケビッチの不服申し立ての動向次第では、議論はさらに大きく広がる可能性があるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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