語れるスキー場
途中、20代の頃から30年以上、愛知から通い続けているというスノーボーダーのご夫婦に出会った。彼らが語るひだ流葉の贅沢さは、やはり「絶景」と「パウダー」。ここで滑ることだけを目的に、道中の寄り道は一切なし。シーズン中、1日でも多く滑るため、食事はカップ麺で済ますこともあるという。スキー場自慢のゲレ食を我慢してもしたい贅沢が、ここにはある。

「広い斜面を、心おきなく滑れるのが良いんです。」
近所に住み「写真はNG」という男性(仮称Aさん)も、雪上で10分近く立ち止まり、熱を込めてこのスキー場の魅力を語ってくれた。
「岐阜県内の他のスキー場と比べて、平日は比較的空いているから、周りを気にせず滑ることができる。国体も開催されるような本格的なコースもあるし、斜面変化も多いし、いい練習になる。中級以上のコースが多いから、練習したい人にはとても良いと思う。これだけの雪を、貸し切り状態で満喫できるのは贅沢だよね」
ひだ流葉は、滑った人が自然と語りたくなるスキー場なのだ。
とことん地元産のゲレ食

先ほど熱弁をふるってくれたAさんが強く勧めてくれた、冬だけオープンするという、ゲレンデ下部にある焼肉店「マトン」に行ってみた。残念ながらは定休日だったが、店先には“間違いない”空気が漂っていた。
先代から受け継がれる秘伝のタレは、長野で直接仕入れるりんごの風味が効いた爽やかさと奥深さが特徴で、一度食べると忘れられない味だという。

ゲレ食の評価が高いのも、ひだ流葉の特徴だ。場内には7つのレストランがあり、どこも個性がある。ベースのMプラザ2階・展望レストランの名物は、地域のソウルフード「神岡とんちゃん」。牛ホルモンと野菜をピリ辛い味噌ダレで味付けした料理だが、神岡で一番の人気店「たからや」から取り寄せて提供しているという。

山頂レストラン「カミーン」では、山之村地区産のそば粉を使った手打ちそばや、地元牧場のソーセージがのったカレーなど、地産地消のメニューが並ぶ。


なかでもユニークなのが、伝統食材「寒干し大根」を使った一品。寒さを利用して1ヵ月ほど乾燥させた大根を揚げ、塩をつけていただく「寒干し大根フライ」は、ここでしか味わえない食感と甘みだ。


レストランのスタッフさんに聞いたここだけの話だが、常連さんの間では、山頂エリアの「もんじ谷」というコースが人気だという。マップには載っていないため、気になる人は、ぜひ現地でスタッフに聞いてみてほしい。
