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127度目のGⅠ挑戦でついに開花…鞍上の鬼気迫るラスト執念は見事! ウインカーネリアンの“晩成血統”熟知したトレーナー、陣営の手腕【スプリンターズS】

127度目のGⅠ挑戦でついに開花…鞍上の鬼気迫るラスト執念は見事! ウインカーネリアンの“晩成血統”熟知したトレーナー、陣営の手腕【スプリンターズS】

9月28日、秋の短距離チャンピオン決定戦となるスプリンターズステークス(GⅠ、中山・芝1200m)が行なわれ、単勝11番人気のウインカーネリアン(牡8歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)が7番人気ジューンブレア(牝4歳/栗東・武英智厩舎)との激戦をアタマ差で制し、念願のGⅠタイトルを奪取した。鞍上の三浦皇成騎手はデビュー18年目、127回目の挑戦で初のJRA・GⅠ制覇を達成した。

 3着には2番人気のナムラクレア(牝6歳/栗東・長谷川浩大厩舎)、4着には1番人気のサトノレーヴ(牡6歳/美浦・堀宣行厩舎)が入り、3番人気のママコチャ(牝6歳/栗東・池江泰寿厩舎)は6着同着。香港から参戦した唯一の外国馬ラッキースワイネス(せん7歳/K.マン厩舎)は11着に終わった。
  逃げにこだわる馬の少なさからスローペースが予想されるなか、積極策に出た人気薄の2頭がゴールまでもつれる激闘を繰り広げた。

 先行策が予想された1番枠の5番人気ピューロマジック(牝4歳/栗東・安田翔伍厩舎)がやや抑えるところ、スプリント重賞を連続2着しているジューンブレアが13番枠からハナを奪うと、大外16番枠の逃げをデフォルトとするウインカーネリアンが2番手をキープ。ママコチャは5番手を進み、サトノレーヴはそれを前に見る6番手、ナムラクレアは10番手付近を追走した。

 前の2頭に競りかける馬がいなかったためペースは上がらずとなり、前半3ハロンは33秒7と、GⅠとしてはかなりのスロー。それを感じ取ったのであろう武豊騎手とジューンブレアと、三浦騎手とウインカーネリアンはお互いに十分な手応えを残して後続をやや引き離しながら直線へと向く。3番手のピューロマジックとの差は3馬身。ここで勝負は2頭に絞られた。

 坂下でウインカーネリアンがわずかに先んじるが、ジューンブレアもあっさりとは引き下がらず粘りに粘る。火の出るような叩き合いが200m以上にわたって続いたが、最後はウインカーネリアンがジューンブレアにアタマ差で捻じ伏せるように先頭でゴールを駆け抜けた。後半の3ハロンは33秒0という、スローペースで展開したレースらしい後傾ラップでの決着だった。

 スローペースにはまった差し・追い込み勢は苦戦を強いられた。ナムラクレアは最速の上り時計32秒7の末脚を使ったが、先を行くサトノレーヴを交わして3着に上がるにとどまり、5番手で直線へ向いたママコチャはポジションを上げることができず6着に終わった。 GⅠ初勝利に導いた三浦騎手は、「(GⅠを勝つまでの時間は)長かったですね。この馬とコンビを組んできて、この馬が一番走れるリズムを知っているのは自分だと、自信を持って、枠順に関係なく、一番走れるリズムだけを考えていました。(直線の競り合いでは)『頼む、カーネリアン頼む』とそれだけでした。追いながら、この馬と長くコンビを組んできてのいろいろなことが思い出されて、8歳という年齢で、チャンスも少なくなってきて、何とかここは勝たせてあげたいと思って追っていました」と感慨深げにレースを振り返った。

 デビュー年に91勝を挙げた三浦騎手は、武豊騎手が持つ新人年間最多勝利記録(69勝)を抜いてレコードを更新。次世代を担うヤングジョッキーとして大きな注目を浴びた。その後も順調に勝ち星を積み重ねたもののGⅠタイトルには縁がないまま通算1000勝に到達した。だが、2016年8月には落馬事故で肋骨9本と骨盤を骨折、肺と腎臓も損傷する大事故に遭って、復帰まで約1年間を要するというどん底を経験。それゆえ、19年から継続的に騎乗してきたベテランのウインカーネリアンと積み上げてきた経験の末に獲得したビッグタイトルには格別のものがあったのだろう。その執念は終いの競り合いでの鬼気迫る追いっぷりに表れていた。

 8歳という高齢にもかかわらず、いささかも衰えを見せないウインカーネリアンをケアし続けてきた鹿戸雄一調教師と厩舎スタッフ、また育成牧場スタッフの手腕も秀逸のひと言。鹿戸調教師は父スクリーンヒーローを管理しており、晩成の産駒が多いという血統的特徴を熟知し、ロングスパンの視線のもとに育て上げて見事に花開かせた。
  ベテラン勢に交じって唯一掲示板に載った2着のジューンブレアは、自らハナを奪ってマイペースの逃げに持ち込んだ武豊騎手の巧みな手綱さばきに負うところが大きかった。流石、と言うしかない。同時に、最後まで抵抗してウインカーネリアンを苦しめた、牝馬離れした勝負根性は特筆もので、今後の活躍が期待される。

 3年連続3着のナムラクレア、高松宮記念覇者のサトノレーヴ、一昨年の勝ち馬ママコチャの敗戦は位置取りの悪さがすべてだろう。確かにいつものポジションからレースを進め、終いの脚にかけたのは分かるのだが、ペースが落ち着いていたことに鞍上が気づかないはずはない。それだけに、前の2頭が引き離しにかかった最終コーナー手前でなぜ仕掛けなかったのかという点にはいささか疑問が残った。

 また、香港のラッキースワイネスは残念ながらピークアウトしていた印象だった。できれば2年前、せめて1年前に参戦して真の力を見せてほしかった。

文●三好達彦

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配信元: THE DIGEST

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