F1のプレシーズンテスト前半が終わり、レッドブルのパフォーマンスが注目されている。ただライバルの見解とは異なり、レッドブル側は4番手の位置だと考えているようだ。
レッドブルは2026年から自社製のパワーユニットを搭載する新たな体制となった。そしてその自社PUを搭載したレッドブルが良い走りを見せていることで、ライバルのメルセデス代表トト・ウルフからは「レッドブルがベンチマーク」という発言も飛び出している。
ただレッドブル側はそうは思っていない。ドライバーのマックス・フェルスタッペンは「メルセデスがわざと弱いふりをしている」と話しているし、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは現状では4番手チームだという見解を語った。
「(序列を)断言するのは難しいが、少なくとも我々がベンチマークではないのは確かだ。我々の分析では、フェラーリ、メルセデス、マクラーレンというトップ3が前にいる。現状では我々は後れを取っているように考えられる」
ワシェはそう語る。
「ただ、他チームの走行プランや燃料搭載量、使用しているパワーモードなどはそれぞれ異なってくるため、正確な比較は非常に難しい。これはあくまで現時点での分析であり、正しくない可能性もある。そうした点にあまり時間を割くよりも、自分たちの走りをどう改善するかに集中しているんだ」
なお冬の間の仕事ぶりに満足しているか? という質問に対して、ワシェは完璧主義者らしく次のように答えた。
「自分の仕事に満足したことは一度もない。明らかに改善すべき点があり、このレギュレーション特有の課題もある。グリップレベルが非常に低く、ダウンフォースもかなり少ない。その中で低速コーナー立ち上がりのトラクションをどう管理するかが非常に難しいが、そこは鍵のひとつになってくるだろう」
ワシェは低速域でのパフォーマンスが、明らかに他チームと比べて劣っている点だという認識を示している。
「低速域のトラクションでは、他が明らかに強いと感じている。フェラーリとメルセデスは、特に低燃料時のストレートスピードも非常に興味深い。だが、パフォーマンスの正確な評価は、開幕戦オーストラリアで全車が同条件、同燃料量で予選を走るまでは分からない」
「我々は自分たちのマシンの弱点をはっきりと認識しているし、それはマックスやアイザック(ハジャー)からのフィードバックとも一致している。低速・中速コーナーでのトラクションは昨年も強みではなかったが、今もなお他チームの方が優れている状況にある」
ただレッドブルがパワーユニット面で不利になっているとは限らない。ウルフ代表を筆頭に、ライバルはレッドブルのエネルギー回生やデプロイの巧みさ、そして連続走行での安定性を高く評価している。
「判断は難しい。特に初日は、我々の方がやや理想に近い状態にあったのは事実だろう。ただ、その後は他チームも同じ方向に進み、今では我々より少し良い状態にあるようにも見える」
「おそらく我々のファクトリーやシミュレーション部門は、最適ではないにせよ“それなりに機能するやり方”を比較的早く見つけたのだと思う。他チームはそれに時間を要したが、現時点ではもう優位にあるとは言えないはずだ」
ワシェはライバルが評価するパワーユニット面でのアドバンテージについてそう語った。そして、レッドブル・フォード・パワートレインズの仕事ぶりについて高く評価した。
「エンジン部門が、これだけの走行距離を問題なくこなせるマシンを用意したことには驚いている。彼らは本当に素晴らしい仕事をしてくれた」
「エンジン部門の皆の素晴らしい仕事ぶりは称賛モノだ。3年半前に立ち上がったばかりのスタートアップ企業が、自前のエンジンを作り、サーキットで“無様な状態にならずに走れる”だけでも、それは非常に大きな成果なんだ」

