
【北中米W杯出場国紹介|第15回:フランス】歴戦の指揮官は個性を尊重し、組織力を重視。他国が羨むタレント集団は今大会も優勝候補
「レ・ブルー(フランス語で青)」の愛称を持つフランス代表。自国開催だった1998年大会でW杯初優勝を飾る。司令塔のジネディーヌ・ジダンや闘将ディディエ・デシャン、ディフェンスリーダーのローラン・ブラン、鉄壁の守備を誇るリリアン・テュラムなどワールドクラスを擁し、何よりエメ・ジャケ監督が作り出すチームの一体感が高く評価されるチームだった。
その後、毎回のように優勝候補として名前が挙がりながら、いかにチームワークを作り出すかがフランスのテーマになっていく。
二度目の優勝は2018年のロシア大会で、当時モナコからのレンタルでパリ・サンジェルマンに在籍していた19歳のキリアン・エムバペ(現レアル・マドリー)が、超新星として大ブレイクし、チームをまとめたのが初優勝のメンバーでもあったデシャン監督だ。
2012年から母国代表を率いるデシャン監督は、一人ひとりの個性を尊重しながらも、チームを組織として作り上げる手腕に優れている。前回のカタール大会では決勝でアルゼンチンにPK戦で敗れて準優勝だったが、チームとしての強さを維持しており、今大会も優勝候補の一角として注目を集めることになりそうだ。
引き続き攻撃を引っ張るエムバペは、キャプテンとしての重積も担う。前回大会は守護神のウーゴ・ロリスが務めていたが、デシャン監督は3大会目の出場となるエースのリーダーシップに託した形だ。
ここまでフランス代表で55得点を記録しているエムバペは、走行距離がフィールド選手で最も少ないことを母国のメディアからも指摘されている。しかし、デシャン監督はエムバペがスプリント型の選手で、運動量とは別の方法でチームに大きな貢献をしており、キャプテンとしての振る舞いにも揺るぎない信頼を示している。
北中米W杯の予選でも、フランスは盤石の強さを見せた。アイスランドと2-2で引き分ける試合はあったが、無敗で首位突破を果たす。大一番となった第5節のウクライナ戦ではエムバペの2得点など、圧倒的な結果で4-0の勝利を飾り、世界行きを決めた。
アゼルバイジャンとの最終節は、事前に離脱したエムバペを含むスタメン全員を総入れ替えして、アウェーで3-1の勝利。キャプテンはセンターバックのイブライマ・コナテ(リバプール)が務め、完全ターンオーバーでも高水準のチームを維持できていたのは、フランスの選手層の厚さを象徴するトピックだ。
4-2-3-1の最前線にはエムバペが君臨。両翼をマイケル・オリーセ(バイエルン・ミュンヘン)とユーゴ・エキティケ(リバプール)が固めるスカッドは世界の舞台でも脅威だろう。
さらにブラッドレー・バルコラ(パリSG)やトップ下もこなすクリストファー・エンクンク(ミラン)、ジャン=フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)など、他国ならエースになってもおかしくないタレントが揃っており、10・11月のシリーズで外れていたウスマンヌ・デンベレ(パリSG)も、本大会に向けては再び有力候補になるはず。試合によっては4人のアタッカーを並べる“ファイヤーフォーメーション”4も選択肢になりそうだ。
中盤はラヤン・シェルキ(マンチェスター・C)がチャンスメーカーとして、迫力ある攻撃にアクセントを加える。ボランチは経験豊富なアドリアン・ラビオ(ミラン)と気鋭のケフレン・テュラム(ユベントス)が直近のファーストセットだが、ボールハントの達人であるエドゥアルド・カマビンガ(レアル・マドリー)や対人戦に圧倒的な強さを誇るマヌ・コネ(ローマ)など、やはりライバルが羨むほどのタレントがひしめいている。
さらにロシアW杯の優勝メンバーである、百戦錬磨のエンゴロ・カンテ(フェネルバフチェ)が再び存在感を高めてきており、アル・イテハドからの欧州復帰も北中米W杯の出場を後押ししそうだ。そうした激しい競争に19歳のワレン・ザイール=エムリ(パリSG)が割って入れるかどうか。
最終ラインはプレミアリーグで圧巻のパフォーマンスを見せるウィリアム・サリバ(アーセナル)と前回大会からの主力であるダヨ・ウパメカノ(バイエルン)、精神的な支柱の一人でもあるコナテがおり、右サイドバックは広範囲の関わりを見せるジュル・クンデ(バルセロナ)、左は経験豊富なリュカ・ディーニュ(アストン・ビラ)、リュカ・エルナンデス(パリSG)とテオ・エルナンデス(アル・ヒラル)の“エルナンデス兄弟”がハイレベルなポジション争いを繰り広げる。
フランスはI組でダークホースと見られるノルウェー、アフリカ屈指のタレント力を誇るセネガルと同居。簡単なグループではないが、フランスであれば着実な突破も見込まれる。決勝まで8試合を戦うことになるだけに、今大会で14年間の任期を終えるデシャン監督が、色々な状況でどうチームをマネジメントしていくか、そしてエムバペが安定したパフォーマンスで攻撃を牽引できるかが鍵になってきそうだ。
文●河治良幸
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