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高橋ヒロムの新日本離脱が意味するところとは… 大阪ラストマッチで、同期とファンと約束した「またね」

高橋ヒロムの新日本離脱が意味するところとは… 大阪ラストマッチで、同期とファンと約束した「またね」

突然の発表があった高橋ヒロムの“新日本プロレスラストマッチ”。退団は2月3日に公式発表。ラストは2月11日、エディオンアリーナ大阪「THE NEW BIGINNING in OSAKA」。“新日本プロレスのヒロム”をひと目見たい。前売りの段階で満員札止めとなっていた。

 第1試合、ヒロムは“ボーンソルジャー”石森太二と組み、ユナイテッドエンパイアのジェイコブ・オースティン・ヤング&フランシスコ・アキラと対峙した。先発はヒロム。開始早々、ドロップキックや連係技で快調に飛ばした。石森が捕まり流れが変わる。エンパイアが試合の権利を握り、優位に進めた。
  5分過ぎ、ヒロムがリングへ戻る。佐藤レフェリーを巻き込むティヘラで場内を沸かせ、アキラとの逆水平チョップ合戦では「もっと!」をファンと一緒にコール。“これが最後なのか”という思いが会場中に交錯した。

 決着は9分40秒。石森がラ・ミスティカ式のBone Lockでジェイコブからギブアップを奪い、壮行試合は白星で締まった。握手、抱擁と最後の勝ちを喜ぶ。だが直後、アキラが急襲し、椅子を持ち出して暴走する。救出に飛び込んだのはロビー・エックス。ハンドスプリング式カッターの一撃で止め、最後はヒロムがヒロムちゃんボンバーで一掃。にもかかわらず、当の主役はマイクを持たず、四方へ礼をして、あっけないほど淡々と退場していった。

 バックステージでもヒロムは「終わっちまったけど、この2人が凄すぎる!俺は疲れた!」と、言い残して引き上げる。これが最後なのか?そう思った瞬間、首根っこを掴むようにして連れ戻したのが、今大会試合がなく、「551とチーズケーキを買いに大阪へ」とXで発信していたエル・デスペラードだった。

 デスペラードは3つ話をしに来た。「まず、ありがとう」。ヒロムの凱旋帰国時期は燻っていたデスペラード。「腐らず上を目指せたのは、お前が相手してくれたから」と感謝を述べた。二つ目は「頑張れ、怪我するなよ」。ヒロムは「約束はできない。でも根性だけは誰にも負けない」と返す。三つ目、「勝手に引退すんなよ」。この一言は、またの再会を約束するものだ。

 そしてデスペラードは、自身のマスクをヒロムに手渡した。2020年、BOSJ決勝で破られ、それでも戦い抜いた“マスク”。「これを渡しに来た」。そもそも二人は練習生からの同期で、ヒロムのデビュー戦(2010年8月24日、新木場)の相手がヤングライオン時代のデスペラード。ここ数年はこの2人の活躍で“ジュニアの価値”を上げてきた。退団が決まったときから、できればラストはこの二人の試合が観たかった。というのが正直な感想だったが、そうならないところもプロレスの奥深さであり、次に繋がるリアルドラマだ。

 ヒロムは言う。「この2年間、もったいないって心の中で(戦うのを)避けてたかもしれない」「触るのも、もったいねえって思っちゃってた」。交わらなかったからこそ、溜まった言葉がある。最後にヒロムは涙をこらえきれず、「どっちがすげえレスラーになるか勝負しようぜ。デスペラードが同期で俺はよかった」と、未来の約束で締める。別れではなく、競争の宣言だった。
  大会の最後、メインイベントでIWGP王座を防衛した辻陽太に呼び込まれたヒロムは、最後のマイクで“未完の夢”を口にした。ジュニアのまま頂点へ、ゴールデンタイムで試合を。そして「もう一つ欲しいベルト」と「もう一つやりたい野望」。16年間への感謝を告げ、「バイバイなんて言わねぇよ。またね」と、超満員の大阪でヒロムらしく元気に新日本プロレスファンに別れを告げた。

  1.4東京ドーム大会で現役を引退した棚橋社長は、ポッドキャスト内で「予想外だった」「引き止めたい」と漏らしながらも、「チャレンジを後押ししたい」と、“選手の心”と社長としての“責任”の間で揺れた胸中を語った。興味深かったのが「やっぱり内藤(哲也)の退団っていうのがヒロムに大きく影響してるのかな」との発言だ。

 偶然のように、昨年の内藤哲也の離脱を境に、かつて一時代を築いた“元ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン系譜”の動きが同じ方向を向き始めた。退団が発表されたEVIL、「このリングを去る」と言って以降、姿を表さないSANADA。再結成を期待する訳ではない。ただ、高橋ヒロムの「いまは言えないドデカい夢に“ギラギラ”を向けたい」発言も含めて“制御不能”というところが共通しているのが面白い。それだけロスインゴが大きな存在だったから、同じタイミングでそれぞれの道を歩むときが来たのだろう。

 再びセルリアンブルーのリングに姿を現すそのとき、どのような高橋ヒロムがそこにいるのか。同期とファンとともに約束した「またね」の再会を楽しみに待ちたい。

文・写真●野口航志

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配信元: THE DIGEST

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