
松村北斗(SixTONES)が、9月27日、自身が主演を務める映画「秒速5センチメートル」(10月10日[金]公開)のキャンペーンのため、本作に出演する上田悠斗、白山乃愛と共に大阪を訪問。大阪・梅田の観覧車に乗車し、3人きりのトークを繰り広げた。また、奥山由之監督が登場した特別試写会にも3人でサプライズ登場し、会場を盛り上げた。
■新海誠氏の劇場アニメーションを実写化した「秒速5センチメートル」
本作は、「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締り」などヒット作を生み出してきた新海誠氏の劇場アニメーション「秒速5センチメートル」を、「ポカリスエット」のCM映像や米津玄師、星野源らのMVの制作を手掛けている奥山監督が実写化したもの。
1991年春、東京の小学校で出会った遠野貴樹(松村)と篠原明里(高畑充希)は、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、少しずつ心を通わせていった。しかし、卒業と同時に明里は引っ越してしまう。その後の中学1年の冬、栃木・岩舟で再会を果たした2人は、雪の中に立つ1本の桜の木の下で、「2009年3月26日、またここで会おう」と約束を交わす。
時は流れ、2008年。30歳を前にした貴樹は、自分の一部が遠い時間に取り残されたままだと気づき始める。明里もまた、あの頃の思い出と共に、静かに日常を生きていた。18年間を異なる速さで歩んだ2人がひとつの記憶の場所へと向かっていく、大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。
上田は主人公・遠野貴樹の幼少期を、白山は篠原明里の幼少期を演じている。
■3人だけの密室空間にドキドキ
この日、松村、上田、白山は、大阪・梅田のランドマークともいえる直径75メートルの真っ赤なビル一体型観覧車に3人で乗車し、地上約106メートルの高さから大阪の街並みを一望できる、約15分間の空の旅を楽しんだ。
観覧車にはスタッフはおらず、松村、上田、白山の3人だけの密室空間。早速観覧車に乗り込むと、白山は、「すごーい!」と歓声をあげ、松村は、「揺れるねえ!」とドキドキ。
ビルの上の観覧車ということもあり、白山が「普通の観覧車よりも高いですもんね」とコメントすると、上田からは、「怖い(笑)」と不安げな本音が。
不安がる上田と、初めての観覧車に目を輝かせる白山。対照的な2人の反応に、松村も笑顔を浮かべ、上田を気遣いながらも、早速3人で盛り上がりを見せる。

■松村北斗の自撮りで仲良く記念写真撮影
話題は、大阪のグルメの話へ。松村が、「前に来たときは、大阪のグルメは食べた?」と尋ねると、白山は、「たこ焼きを食べました!」と回答。「どっちが良いとかではないけど、東京とは全然違うよね」との松村の反応に、「違いますね。とろとろしてますよね。」とうなずく白山。
上田は、「通天閣に行ったときに近くのうどん屋さんでかすうどんを食べました」と回答すると、松村は、「かすうどん、めっちゃ好き!さっきも食べて、おいしかった…」と、今回の大阪訪問でもすでに、かすうどんを食べていたことを明かす。そんなグルメの話をしているうちにゴンドラは頂上へ到達。
頂上では、「『秒速5センチメートル』の『5』のポーズをしよう!」という松村の提案に、3人で手のひらで「5」を作りながら、大パノラマの絶景をバックに、松村の自撮りによって記念写真を撮影。
■松村北斗、子役2人の演技を絶賛
そこから話は「秒速5センチメートル」の話に。公開が近づくにつれて、「秒速5センチメートル」の予告映像や情報が多く出ているため、松村が、「今、乃愛ちゃんは中学校で、悠斗は小学校だよね。学校で『あれ見たよ!』とか言われる?」と尋ねると、白山は「あります!」と即答。上田も、「毎日のように言われる!」とうれしそうに話す。これに対し、「小学校でも『秒速5センチメートル』をみんな知っているんだね。すごいな」と感心する松村。
さらに松村が、「撮影中も学校に行っていたのに、集中力がなくなっちゃったりしない?」と学校と撮影の両立について尋ねると、白山は、「いや、ちゃんと切り替えてできました!」とプロフェッショナルな意識を見せる。「すごい!学校では乃愛ちゃん、現場では明里と言われるけど、分からなくならない?」と追加で質問されると、「それは、ちょっとしました(笑)」と、正直な感想も。
上田は、「現場では貴樹なのに、不意に悠斗と呼ばれると、『あ、そうだ、俺が悠斗だ』とはならなかった?」と問いかけられ、「ちょくちょくありました。そもそも、俳優の仕事が初めてで…」と初々しく回答。
松村は、「そっか!初めてなのに、よくあんなに上手なお芝居をしたよね。2人の相性が息ぴったりだったもんね。」と子役2人の演技を絶賛。終始和やかな雰囲気の中、撮影当時を振り返るトークが繰り広げられ、その後も地方撮影の際のお土産についてや、大阪でやりたいことなど、色々な話をしているうちに、一周が終了。

■松村北斗「めっちゃかわいい…!」
降車後、約15分にわたる3人きりの観覧車トークについて「悠斗は、最初の頃は今より身長も低かったし、(恥ずかしさからか)あまりしゃべってくれなかったけれど、今は身長もかなり伸びて、ちゃんと自分の考えを言葉にしていて、すごく大人になったなあと。そんなことを思っていたら、観覧車を怖がっていて、『めっちゃかわいい…!』と思いながら乗っていました。」と松村が振り返ると、「初めてこんなに高い観覧車に乗って、しかも、3人きりだったので、あっという間で楽しかったです。」と上田が応じる。
さらに、「乃愛ちゃんは観覧車の中でも、ずっと立派なこと言っていて、途中でたじろいじゃって(笑)。撮影中のことを聞くと、あまりにしっかりしているので、もっと難しい質問考えた方がいいのかなと思うぐらいでした。楽しかったです。」という松村の感想に、白山は「私は、観覧車に乗ること自体が初めてで、最初は緊張していたのですが、とても楽しかったし、3人で色々お話できたので、初めてがこの観覧車で良かったなと改めて思いました。」とコメント。
最後に松村は「2人の雰囲気や温度感がそっくりで、相性が良くて、貴樹と明里を演じる2人だな、と思いました」と、上田と白山の相性の良さに触れた。
■特別試写会に松村北斗、上田悠斗、白山乃愛がサプライズ登場
そして、TOHOシネマズ なんばで開催された特別試写会には、奥山監督が登壇。上映前に行われた公開記念舞台あいさつで「今日は関西では初めての上映ということで、丁寧に大切な思いでつくった作品を、皆さんにご覧いただけることを、とてもうれしく思います」と呼びかけた。
このまま舞台あいさつが始まると思いきや、スペシャルゲストとして、サプライズで松村、上田、白山が登場。
「今日は、楽しい会にしましょう」(松村)、「大阪にはたくさん来たことあります!」(上田)、「少し緊張していますが、この映画の良いところを少しでも伝えられるように頑張ります」(白山)とそれぞれあいさつを行った。

■釜山国際映画祭の熱気を振り返って
そして、先日行われたばかりの釜山国際映画祭について問われると、松村は、「最終日は、とても大きな会場でオープンシネマ部門の公式上映があり、上映後には、ものすごい熱気とともに会場から拍手が向けられて。上映直後は、うまく状況が飲み込みきれていない状態だったのですが、そこで奥山さんがガッチリと握手をして、ハグをしてくれた時、不安が一気になくなって、この拍手は作品に向けられたものなんだと、やっとスッと入ってきて…。かなり忘れられない釜山映画祭になりました」と作品が世界に受け入れられた瞬間の感動を熱く語った。
また、この物語の原点ともなる、上田と白山が演じた幼少期の貴樹と明里のシーンについて、松村は、「とにかく2人が本当に素晴らしい作品です。2人が培ってきたものと現場で起こる奇跡、そして奥山さんの演出と共鳴し合って、熱量と誠実さが画面に現れています。幼少期、高校生、社会人と、3つの時代を1つにまとめた奥山監督は改めてすごいなと思います」と答えた。
■松村北斗「ラジオの生放送は時間があっという間」
さらに、「秒速5センチメートル」というタイトルにちなんで、「秒速で時間が経ってしまうほどハマっていること」についてのトークに。
奥山監督は、「最近ポッドキャストで、創作をしている時の気持ちなどを話しているのですが、その収録がとても楽しい時間です」と答える。
白山は「私は卵焼きを焼くのにハマってます。おじいちゃんが、とてもふわふわに卵焼きを焼いていて、その焼き方を教えてもらった時から、ずっと焼いています」、上田は「ダンスにハマっています。1時間以上のレッスンが、10分くらいに感じる時が、たくさんあります」とコメント。
松村は、「僕も1時間半のラジオ番組を生放送でやっていますが、時間があっという間に感じます。それと釜山でも、舞台あいさつ終わりに現地で知り合いの監督などと食事をしていると、気づいたらあっという間に深夜2時半とかになっていて。やっぱり好きなことを喋る時間は、とても大切なことだなと感じました」と、語った。

■奥山由之監督「自分と重ね合わせて見ていただきたい」
印象に残ったシーンについて聞かれると、上田は「雪のシーンは、初めての雪で、楽しかったです!」と語り、白山は「私は、踏切の桜のシーンが印象に残っています。映像や、俳優さんの表情、心、本当に全てが綺麗な映画です。そこに注目して見ていただけたらうれしいです」と作品の魅力をアピールした。
これから映画を見る人々に向けてのコメントを求められると、奥山監督は、「日々、どんな人でも、悩みや不安などを抱えていると思いますが、この映画が皆さんの背中に手を添えて『大丈夫だよ』と言ってあげられるような作品になっていたらいいなと思います。そして、誰しもが普遍的に感じるような幼少期の純真さ、青春のまっすぐさ、大人になることの迷いみたいなものが映っている映画だと思うので、自分と重ね合わせて見ていただきたいです」と想いを伝える。
最後に松村は、「この作品は、すごく素敵で切実な物語も楽しめると思いますが、それに加えて、明里は乃愛ちゃんと高畑充希さん、貴樹は悠斗と柚くん(青木柚)と僕という、違う人間が一つのキャラクターを演じています。そのつなぎ方が、奥山監督によってとても効果的に使われているので、そういうところも楽しんでもらえる映画だと思います。原作を知っている方も知らない方も、実写で新たに加わっている要素や、実際の人間で演じられるという部分でも、新鮮な気持ちで楽しんでもらえると思います。まっさらな気持ちで、ぜひスクリーンと向き合ってみてください」とコメントし、舞台あいさつを締めくくった。


