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「仕入れ価格が2〜3倍に」中国の輸出規制で釣り用品の価格が高騰、ステルス値上げも…釣り文化がピンチ

「仕入れ価格が2〜3倍に」中国の輸出規制で釣り用品の価格が高騰、ステルス値上げも…釣り文化がピンチ

釣り用品の国内出荷額は減少の一途をたどっている。加えて、中国の輸出規制により、人気ルアーの値上げも決定。さらに、“ステルス値上げ”がひっそりと実施されている!? 一体何が起こっているのか。釣具高騰の背景に迫る。

中国の輸出規制が原因でルアーが高騰

釣り具大手メーカー・ダイワは、1月16日よりリールやロッド、用品の一部を値上げした。

これまで、度重なる原材料費や運送コストの高騰に対し、徹底したコストダウンや諸経費の削減によって価格維持に努めてきたというが、「もはや自助努力で吸収することは困難な水準に達した」として、値上げに踏み切った。値上げ率は、リールで平均6.8%、ロッドで6.2%、用品で9.6%に及ぶ。

今回の値上げについて、ダイワは「個別の施策に関してのお問い合わせにはお答えしておりません」とコメント。近年では、ダイワに限らず、日本を代表する釣具メーカー・シマノも、原材料費の高騰を受けて価格改定を行なっている。

「釣具の価格が上がっているのは、実感としてかなりあります。中でも、タングステン素材を使った製品は特に顕著ですね」

そう語るのは、釣り専門ジャーナリスト「釣りの知恵袋」なるフィッシュ氏(以下、「」内は同氏のコメント)。

ダイワを代表する人気メタルジグ(金属製ルアー)「TGベイト」もタングステン製であり、大幅な価格改定が行われた。

「現在、世界のタングステン生産の約8割を中国が占めており、輸出規制の影響などもあって、今後さらに輸入が難しくなると見られています。私もタングステンを扱う釣具メーカーと関わりがありますが、『タングステンの原価が2〜3倍に跳ね上がった』という話を聞いており、深刻な影響が出ています」

タングステンは釣り具だけでなく、工具類や電子部品、軍事製品などにも使用されており、そうした分野で需要が高まれば、釣具用の確保は後回しとなり、さらに価格が高騰する可能性もある。

「タングステンはメタルジグだけでなく、プラスチック製ルアーのウェイトボールや、タイ釣りで使われる『タイラバ』のオモリなど、さまざまな釣具に使われています。特定のジャンルでは“これがなければ成り立たない”というほど重要な素材であり、価格高騰や供給不足の影響は非常に大きいです。

ストックしていても消耗品として扱われるため、供給が回復するまでの間は“ない前提”でやりくりしなければならない場面も出てくるでしょう」

価格高騰の背景に釣りバブルの終焉

また、タングステンを使用していない釣具についても、毎年少しずつ値上げが続き、全体的に価格が上昇している。

「かつてのハードルアーは1本あたり1000〜1500円程度。高くても2000円弱で、1700円の値札を見ると『高いな』と感じた記憶があります。ところが今では、同じようなルアーが2200〜2400円するのが当たり前になってきました。同時期に購入したワームには567円の値札が付いていましたが、現在は通販サイトで771円にまで上がり、200円ほど高くなっています。地味ながら、確実に値上がりしていますね」

SNSでは「お菓子の中身が1個減った」といった“ステルス値上げ”の話題も見られるが、釣具でも同様の事例がある。

例えば、フィッシングフックメーカー・カツイチの「ドロップシンカー」というオモリは、2022年と現在で価格こそ300〜400円と変わっていないものの、かつては7個入りだったものが6個入りに減っている。当然ながら、1個あたりの価格は上がったことになる。

「業界全体の価格帯や市場感覚も、少しずつ変わってきていると感じます。消耗品である釣具にとって、500円の値上がりはインパクトが大きい。もともと500〜600円だった商品が、2〜3年にわたって段階的に値上がりしていくと、気づけば『結構高くなってるな』と感じるようになります」

こうした背景には、物価上昇だけでなく、コロナ禍で発生した“釣りバブル”の終焉があると考えられる。

一般社団法人日本釣用品工業会(JAFTMA)によれば、釣用品の国内出荷額はコロナ真っ只中の2021年に約1791億円でピークを迎えたが、2022年には約1686億円(前年比5.8%減)、2023年には約1491億円(前年比11.6%減)と、2年連続で減少。この落ち込みは2009年以降で最大となった。

2024年の出荷額は1381億3000万円と予測されており、前年比92.6%と、引き続きマイナス成長が見込まれている。

「個人的には『そんなに減ってるかな?』という印象です。というのも、人気の釣り場はいつも混雑しており、そこまでガクッと落ちているようには感じません。ただ、“若者の車離れ”のように、40〜50代など“もともと好きな世代”がそのまま続けていて、新しく若い層が入ってきていないという印象はあります」

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