認められたくて
彼女に会うたび、少しでもかっこよく見られたいと思っていました。だから給料が入ると、つい高級ブランドの服に手が伸びてしまうのです。「これ、新しく買ったんだ」と見せると、彼女は「似合ってるね」と言ってくれました。
その言葉が嬉しくて、また次の服が欲しくなってしまう。クローゼットには何着も服が増えていきましたが、どれも彼女に素敵だと思ってもらいたい一心で選んだものでした。でも本当は、自分に自信がなかったのかもしれません。高い服を着ることで、少しでも価値のある人間に見えるような気がしていたのです。
気づいた現実
ある日、週末の予定を立てようとしたとき財布の中身を見て愕然としました。今月の生活費が本当にギリギリだったのです。「ごめん、今月ちょっと厳しくて」と彼女に伝えると、彼女は心配そうな顔をしました。
映画にも外食にも行けず、デートは公園を散歩するだけになってしまいました。彼女が「計画的に使った方がいいんじゃない?」と言ってくれたとき、僕は思わず「君だって、素敵だと言ってくれた」と反論してしまいました。本当は自分が悪いと分かっていたのに、認めたくなかったのです。
