庶民の足として長年親しまれてきた「原付バイク」が、いま大きな転換点にある。11月から排ガス規制が原付一種(50cc以下)にも適用されることになり、各メーカーで現行モデルの生産終了が相次いでいる。さらに4月には制度改正が実施され、最高出力4.0kW以下・排気量125ccまでの小型モデルを「新基準原付」として原付免許で運転できるようになった。新車の50ccモデルは徐々に選択肢が減りつつあり、在庫や中古車が注目されている。
なかでもホンダのスーパーカブ50は「キング・オブ・原付」と称される定番モデルだ。燃費と耐久性に優れ、1958年の発売以来、シリーズ累計で世界1億台以上を生産してきた。2024年末には「スーパーカブ50 Final Edition」が受注期間限定で登場し、当初予定を大きく上回る申し込みが殺到。短期間で受注終了となった販売店もあり、改めて人気の高さを示した。
また派生モデルのクロスカブ50は、アウトドアにも似合う無骨さと遊び心のあるデザインが特徴で、幅広い層から支持されている。中古市場では相場が高めに推移しており、走行距離の少ない車両や限定仕様など、状態の良い個体は新車価格を上回る値で取引される例も出ている。
スズキの「レッツ」も最後のチャンスだ。メーカー希望小売価格は税込17万8200円と50ccスクーターの中でも手頃で、通勤通学用として長く支持されてきた。スズキはすでに生産終了を発表しており、現在流通しているのは各販売店に残る在庫のみ。地域によっては新車在庫がわずかしかなく、早い段階で完売となる可能性が高い。
注意すべきは「プレミア価格化」の動きだ。フリマサイトでは、新車価格29万7000円のスーパーカブ50 Final Editionが30万~40万円台で出品される例もある。状態の良い原付は今後ますます価値が高まり、将来的に「お宝バイク」となる可能性もある。
規制強化で現行モデルが消えていく今、原付バイクは「最後の買い時」といえる。日常の移動手段として役立つのはもちろん、趣味として所有する喜びや、将来的な希少価値を考えても選ぶ価値は十分にあるだろう。
(ケン高田)

