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「過去作は全然面白くなかった」ストリートファイター6はなぜ成功した? 格ゲーおじさんとドハマリした新規勢が語り合う“今と昔の格闘ゲーム”【格ゲー座談会】

「過去作は全然面白くなかった」ストリートファイター6はなぜ成功した? 格ゲーおじさんとドハマリした新規勢が語り合う“今と昔の格闘ゲーム”【格ゲー座談会】

デバイス沼の住民たち

たろちん: なんかいっぱい持ってるもんね。

ふくた:PS5純正のDualSenseやDualSense Edge、HORIのファイティングコマンダー OCTAなどの定番モデルはもちろん、海外のマイナーなメーカー……現地では有名なのかもしれないですけど……が作っている謎のパッドを取り寄せては「このボタンがもっとこうだったらな~」って試すのが楽しいんですよ。……パッドおすすめですよ。

つゆヒコ:それでパッドおすすめでいいのかわかんないけど……。

イッコウ:ほんっとみんなデバイスに金かけますよね。

ポッポ:俺だってレバレス3個持ってますからね。

格ゲーおじが解説する『レバレス』:「レバーレスコントローラー」のこと。ゲームセンターの筐体にあるレバーで操作する「レバーコントローラー」に似ているが、方向入力をレバーではなくボタンで行うのが特徴。なお一般的なコントローラーは「パッド」と呼ぶ。

イッコウ:は!?

ポッポ:これがパンクワークショップで2万5000円ぐらいかな。で、これが1万ちょいで買えるHORIのノルバ。あとはhauteってのがあって、普通のレバーでいうとファイティングスティックαが3つあります。

たろちん: やっぱおじは小金があると使っちゃうんだ。

のと:これ普通なの……?

イッコウ:いや、普通じゃない。全然普通じゃない……と思う。

ポッポ:やっぱいろんなね、デバイスを試すっていうのはね、楽しいんですよ。

のと:え、イッコウさんはコントローラー何個持ってるんですか?

イッコウ:俺は2万ちょいぐらいのやつを1個持ってるだけですよ。多少カスタムしてるからトータル3万近いかもしれないけど、壊れないと買い替えないので。

ふくた:もともとそんな高くなかったですからね。

イッコウ:そうそう「リアルアーケードPro」っていうHORIが出してる1万円台のやつが今じゃエントリーモデル扱いですけど、10年前はハイエンドモデルだった。今1万じゃ超安いじゃないですか。

ふくた:昔はゲーセンの環境がスタンダードだったからそれを複製したものが1個あれば別にそれで良かったんだけど、今って本当に何でもありになっていて、性能も触り心地もバラバラだから、沼が深くなってしまっているっていうのがあります。

たろちん: 僕はOCTA Pro。いくつかパッドを試したけど、気に入ってたOCTAの上位互換のOCTA Proが出たから「これでいいや」って。安いレバレス買ってみたりもしたけど、結局1個を突き詰めていって、デバイスのせいにしない方がいいなって思って俺は。

イッコウ:ほら! 聞いてるかお前たち。

たろちん: 結局自分がデバイスにアジャストした方がいいと思ってからはあんまりあれこれ買わなくなった。

ふくた:似たようなパッドでもちょっと違うだけで感覚合わせるのに1カ月くらいはかかりますからね……。

スト6以外の格ゲーはやる?

ポッポ:皆さんは他の格ゲーはやらないんですか?

イッコウ:良いこと聞くね。どうですか、皆さん。

たろちん: いや、むずいよ。同時進行は。

ふくた:それ言おうと思ってたんですよ。複数タイトルやり込む人もいるけど、本当にすごいなって思ってて。今ってスト6が1強状態で流行ってる状況なので、他のタイトルに僕は手が出せないなって思ってるんですよ。スト6と同じ練度のゲームをもう一つ作るのが無理だから。なので、1つのタイトルが多くのユーザーをほぼ総取りしちゃうことが起こりやすいジャンルなのかなという気はしてるんですよね。

イッコウ:うん。2足の草鞋がキツイっていう話だよね。

ふくた:複数の格ゲーをやったりするイッコウさんに、それで楽しめるもんなんですか? っていうのを聞いてみたかった。

イッコウ:いや、俺も現状スト6がメインになってるよ。今は2XKOも練習してるけど、2XKOの練度がスト6と同じ位かと言われたら、全然そんなことない。

格ゲーおじが解説する『2XKO』:「リーグ・オブ・レジェンド」のキャラクターが登場する2on2形式の格闘ゲーム。現在はクローズドベータ中。

たろちん: ああ、そうなんだ。

イッコウ:今って結局スト6メインで行くしかないんですよ。でもグダグダやる分には2XKOもやれるかなっていう、そういう両立の仕方。

たろちん: スト6がメインっていうのは何が理由なの?

イッコウ:やっぱね、流行り方がちょっと尋常じゃないんですよ。だって皆さんだって、もともと格ゲーに興味がないのにかなりの努力を継続してマスターまで行って、アルマスまで行ったりとかそういうレベルなわけじゃないですか。

たろちん: うんうん。

イッコウ:これまでの格ゲーだって新規のプレイヤーが一切増えなかったわけじゃないですけど、これほど多くの人が地道な努力を続けてくれる格ゲーって見たことないですよ。20年ぐらいこの界隈を見てきてるけど、本当に1回もない。

たろちん: そうだよね。

イッコウ:俺もメーカーの人間じゃないからわかりませんけど、格ゲーメーカーの中には「めちゃくちゃ人気の格ゲーが自社以外からでも出てきてほしい」という思いも多少はあったと思うんですよ。ただ、今となってはカプコン以外のメーカーは「いや、そこまでやれとは言ってない」ってなってそうなぐらい。

たろちん: (笑)。

イッコウ:そのぐらいスト6は完成度が高すぎるし、流行りすぎている。他社は比較されるのが大変だろうなと思いますね。

プレイヤー人口は絶対に正義

たろちん: やっぱ流行ってるからプレイヤーがたくさん居て、対戦の環境が良いっていうのがでっかかったりするのかな。

イッコウ:そうっすね。ポッポさんとか、結局友達ができたから継続してくれたって話じゃないですか。人が多ければ楽しいし、イベントも増えるし、強くなったときの付加価値も生まれてくる。だからこそ、やっぱプレイヤー人口って絶対正義なんですよ。本当に絶対に正義。だからこそ、結局人が多い方に流れるのはもうしょうがないかなと思いますね。

たろちん: スト6新規勢からはわかんないんだけど、人がいなかった頃の格ゲーをやってた時の苦しみってどんな感じだったの?

イッコウ:俺も別に皆さんに普及してないわけじゃなかったじゃないですか。「ドラゴンボールファイターズ面白いっすよ」とか、「ギルティギア新作出るよ」とか、普及しようとしてたのにみんなやってくれなかった。当然それはしょうがないことなんですけど、流行ってるのが目に見えて分かれば、リアクションが変わってたと思うんですよね。

ふくた:会社でイッコウさんが隣の席だった時期、出社して顔合わせるたびに「ドラゴンボールファイターズやりませんか」って毎日言われてたな……。

イッコウ:すいませんでした……。

 例えば最近だとオフラインの対戦会行ったら高校生ぐらいの子がいたりして……それがまた超強かったりするんですけど(笑)。あとは女性プレイヤーも珍しくなくなりましたけど、女性プレイヤーなんて100人に1人いたら良い方だったんじゃないですかね。今じゃオフライン大会の観戦者なんて女性の方が多かったりするらしいじゃないですか。

つゆヒコ:カプコンカップもめっちゃ女性いましたよ。

ポッポ:そうっすね。本当女性ばっかり。あとパブビューとかも女性が多かった。

イッコウ:いや~~………こんな女性人気出るんだったらもっと真面目にやっときゃよかったよなあ。

ポッポ:(笑)

イッコウ:いやマジで。だって人気のプロゲーマーなんてアイドルみたいな扱いされてるじゃないですか。昔を知ってる側からしたら「嘘だろ」って感じ。

たろちん: アクスタとか出てるもんなあ。

つゆヒコ:おじさんのアクスタがね。

イッコウ: そうそう。40前後のおっさんのグッズを買ってもらってキャーキャー言ってもらえるわけでしょ。こんな夢のある世界ないでしょ。

たろちん: それこそ「格ゲーってのはそういう世界じゃねえよ」っていう硬派な人もいるのかなと思ったけど。

イッコウ:そういう人も昔はいたかもしれないですけど、結局格ゲーおじさんは人口が少ないことの苦しみを知ってるからなあ。

のと:そんなに苦しかったんだ。

イッコウ:いや、苦しかったんですよ。だって格闘ゲームって昔は変な趣味だったじゃないですか。……どうせみんな俺のこと変な趣味を続けてるヤツだと思ってたんでしょ?

たろちん: うん、思ってた……。

ポッポ:すいません。思ってました。

つゆヒコ:こんなんやれるの特殊技能だと思ってました……。

イッコウ:ホントに思ってたんかい。

ポッポ:おすすめされたとき「誰もやんねえよ」って……。

イッコウ:でも今だったら1個の趣味として確立してますよね。大人の趣味として格ゲーは結構ありじゃないですか。体力的な限界も来づらいし、デバイスさえ固定すればお金もそんなにかからないし。

たろちん: 僕は一時期将棋にはまってたんだけど、スト6シーンの盛り上がりが将棋に似てるなあと思ったんだよね。将棋ってやっぱ、じじ臭い趣味っていう感じだったじゃん。

イッコウ:確かにそうですね。

たろちん: それがだんだん将棋のネット中継とかが増えて、見るだけの将棋ファンとかも増えた。プロ棋士のおじさん先生にキャーキャー言う女の人とかも増えて、「将棋の場に女の子がいるなんてのは信じられないよ」って古来からの将棋ファンのおじさんが喜んでて……。

イッコウ:そうでしょ。俺はそのおじさんと同じ意見です。昔は本当に変なヤツ扱いだったし……。

古のインターネットっぽい格ゲーおじさん配信

イッコウ:ちなみに皆さん好きなプレイヤーとかいるんすか?

たろちん: いや~やっぱかじゅだよね。

ポッポ:かじゅとなるおですね。

格ゲーおじが解説する『なるお』:トッププロと変わらないレベルの実力を持った大人気ゲーム配信者。格ゲーと配信が上手い。かじゅとは昔から一緒に配信してた。

つゆヒコ:やっぱかじゅ。

ポッポ:やっぱ単純におもろいっす。

たろちん: あのへんの格ゲーおじたち、古のインターネットの匂いを残してて好きなんだよね。大手のストリーマーやVTuberにはないガラパゴスな世界があるから。それが格ゲーにハマった要因の1つではある。

 ネタがちゃんと通じる感じというか、インターネット特有のノリを共通言語としてやってて「俺の分かるインターネットの匂いだ」って感じがして良い。あんまり流行りのゲーム配信とか見なかったのになるおとかかじゅは落ち着いて見れる。

イッコウ:あの2人の配信って昔のニコニコのノリがちょっと残ってますよね。

たろちん: そうそう。それがちょうどいいんだよ。

つゆヒコ:かじゅのコメ欄とかみんな全然関係ない話してますからね。

たろちん: ゲーセンでみんなが後ろでダベってる感じね。最初「何これ」ってなるんだけど、やっぱあの空気感すげえいいんだよな。

トッププレイヤーとの距離感

イッコウ:スト6のいいところでいうと……「プロが安定して勝ちづらいゲーム」ってよく言われるじゃないですか。

たろちん: 確かによく聞く。

イッコウ:要するに実力差があってもそれを簡単にひっくり返されちゃうってことだと思うんですよ。俺だってこの中だったらさすがに一番強いと言っていいはずですけど、このメンツで対戦したら負ける可能性は全然ある。

たろちん: うん。そうだね。

イッコウ:これっていろんなレベルの人たちと真っ当な対戦が成立するってことでもあるんですよね。これまでの格ゲーなら実力差を引っくり返すのなんてほとんど無理だったのに。

たろちん: それすげえいいよね。将棋はやっぱそれがありえないからさ。実力差があったらもう絶対ひっくり返んないけど、スト6はうまく噛み合えば実力差があってもひっくり返せる。だからドラマも生まれやすい。どうせ勝てねえんだろってうんざりせず向かっていける幅の広さがすごいよね。

イッコウ:そう。競技シーンにいるトッププロは大変でしょうけど、シーン全体で見たらいいことなんじゃないかなと個人的には思ってます。

ふくた:ランクマでプロと当たると、ワンチャン引けるかもっていうワクワク感がありますからね。

イッコウ:そうだよね。

たろちん: 俺、翔のAKIと当たったことある。明らかに初めてAKIやってますって感じだったけど。

格ゲーおじが解説する『翔』:カプコンカップで優勝し100万ドルを獲得した現世界王者。AKIを使っているイメージは全然ない。

ふくた:僕もスト5の時に1回だけウメハラさんと当たって、波動拳に真空波動拳を合わされて負けたのを今でも覚えてますね。

イッコウ:そうだね。ランクマで偶然マッチする以外でも気軽に対戦する機会はあるし、トッププロとの距離の近さみたいのは確かにあるよね。

たろちん: そう。現地に行けば会えるってのもそうだけど、ネットでも視聴者と対戦してくれたりするし、距離近いよね。

イッコウ:よく考えたら他の競技だったらありえないよなあ。

格ゲーマーが対戦中に言う謎の謝罪

たろちん: ところで、格ゲーマーって自分がミスったとき「ごめん」って謝ることが多いけど、あれ昔からそうなの?

イッコウ:そうですね。昔からあったと思います。

たろちん: あれ特殊な語彙だなって初めて見たとき思った。

ポッポ:確かに。自分がミスっても別に「うわ、ミスった」とかって言うだけで「ごめん」っては言わないす。

イッコウ:え、でもみんな言うんじゃないの?

たろちん: 自分では言わない。自分に「クソが」って言うことあるけど別に謝らないよなって思って。あれって「クソが!」ってゲーセンで言うと灰皿が飛んでくるから生み出された語彙なのかなって……。

イッコウ:そんな治安悪い理由なわけない。

 例えば……自分が起き攻めをするとき、打撃を重ねるか投げを重ねるかみたいな駆け引きがあるじゃないですか。これってじゃんけんと一緒で「自分も相手もどういう手札を持ってるか理解してる」という状況だったりするわけです。

たろちん: うん。うん。

イッコウ:そんな中で自分が操作ミスって、グーでもチョキでもパーでもない謎の手を出してしまった。でも奇跡的にその謎の手が相手にあたってしまってKOしてしまったとします。

たろちん: はい。はい。

イッコウ:これはお互いが想定してる駆け引きじゃないですよね。たまたま自分がミスったせいでたまたまKOしてしまい、奇跡が起きて勝っただけ。なんなら、自分が下手すぎたせいで勝ってしまったとも言える。これ、謝っちゃうのもわかりません?

たろちん: あ、確かに。それはあるわ。セオリーと違うしっていうことだよね。

イッコウ:そう。そういう感じが近いかなと思うんすけどね。

たろちん: 初心者から見ると、「え? 勝ってんだから良くね?」とか「謝ることなくね?」って思ってた。でも自分がミスったとき「俺のバカ」ってなる。

イッコウ:それはそれで偉い。

格ゲーと怒りの感情

つゆヒコ:ちなみに皆さんランクマやってて怒る方ですか? 僕はもう世界全体に対してブチギレてますけど。

たろちん: いや、ムかつくというか負の感情になる時はあるけど基本的に自分に全部向く。「俺が悪いせいで負けた……」って思ってるから。

ポッポ:負けたときは超キレてるけど、リプレイ見ると「ここ悪かったな……」とかになるんだよな。最初は相手キャラにキレるのに、結局自責に向く。

たろちん: やっぱめっちゃ感情のゲームだなってのはすげえ思う。プロとかでも大会で焦って普通のコンボミスったりするもんね。

つゆヒコ:メンタルスポーツですよね……。

イッコウ:そうですね。プロみたいな立場だと、俺らが普段考えないようなとこまで考えてるでしょうし、プロだからこそのプレッシャーもあると思うんで、そういう部分でミスるとかはありそう。

 のとさんとか、ちょっと失礼ですけどまだ思った通りに勝ってないとは思うんですよ。そういうときやっぱメンタルやられます?

のと:基本はもうメンタルボロボロになりながらやってますよ。意味の分からないインパクトを連発されたときとか、もう「そっちがその気なら私だってやってやるよ」って気持ちにはなる。

たろちん: 別にランク関係なくそうなる時あるもんね。やってやんぞ、みたいな。

のと:でも基本はもうペしょペしょになりながらやってます。

つゆヒコ:ハイタニさんが言ってたんですけど、負けるってことは自分を否定される作業だから、最初の方でいっぱい負けるのは辛いよねって言っていて……僕もぺしょぺしょになりながらやってたんで、気持ち分かります。

ふくた:僕は1800MRを超えだしたのが割と最近の方なんですが、前はイラついてたところでも、今は負けた理由の自己分析ができるようになってきている気がするんですよ。

たろちん: 分かります。

ふくた:前は漠然と否定された気になってすごい負の感情になりやすかったのが、ちょっと理性的な歯止めがかかりやすくなってきたかなと最近は思います。

たろちん: こうなると確かにやりようがあるから冷静になれるんだけど、わからない時は「どうしよう」って思考錯誤して、全部否定されるのがやっぱしんどいんだよね。

イッコウ:うんうん。

たろちん: 「今やられてるのが何か?」って瞬間的にわからないじゃん。例えば「打撃を遅らせて重ねられてる」とか、「バクステを狩ろうとしてる」とか、「自分の癖を読まれてる」とか。そこが理解できれば、「あ、俺こればっかやってるから狙われてんだ」って気づけて楽になるんだけど、わからない時は「なんでいつも通りやってるのにダメなんだ」ってなる。あんなに練習したのに、ってメンタルがきつい。

つゆヒコ:やっぱ、そのへんを冷静に振り返れるようになるのが、強くなるラインのひとつかもしれないですね。

イッコウ:そうね。負けた原因がわかるようになるっていうのは、すごい成長かもしれない。確かに。

今の格ゲーは成功体験を得やすい?

つゆヒコ:じゃ、格ゲーおじ的にスト6は歴代シリーズで1番おもろいと思いますか?

ポッポ:もうイッコウさんのこと格ゲーおじって呼んでるやん。

イッコウ:まぁ事実だから……。じゃあ同じベテランのふくた君はどう?

ふくた:僕は今が1番楽しいと思ってやってますね。環境との相場効果もあるとは思うんですけど……スト6以前に1番やり込んでたときですら、せいぜい今で言うプラチナぐらいの実力で、最上位のランクなんて全然いってないぐらいなんですよね。

 というのも、当時の攻略情報って結構テキストベースなところが多くて、今ほど分かりやすい映像の攻略情報がなかったんですよ。だからある程度自分で調べる能力ってのがないとスタートラインにすら立てない部分があった。

 でも今はプロが出してる動画を適当に流し見するだけで情報として蓄積されていって、結果的に思った通りの動きができるようになって結果もついてくるから、僕は今が1番楽しいなと思いながらやってますね。

たろちん: うーん。やっぱ環境がでかいんだね。

イッコウ:スト6が特に優れてるポイントとして「成功体験を得やすい」という要素があるんですよ。例えば、ランクマでは少なくともマスターまでポイントを盛りやすい仕様になってるとか、トレーニングモードでほぼ全ての状況を再現できるとか、リプレイをすぐに確認できるとか、マッチングが早くて待ち時間がほとんどないとか、過去作と比べてとにかくPDCAを回しやすくて、「強くなるための道筋」が明確になりやすいんですよね。

 しかもそういう土台の上にプロだったり有名なストリーマーだったりが攻略情報をわかりやすい動画で出してるっていうのが大きい。この手の「強くなるための教材」なんて、今は多すぎてどれから見たらいいかわかんないぐらいじゃないですか。昔は正しい情報にたどり着くこと自体の難易度が高くて、そこで実力差が生まれてたのに。

つゆヒコ:確かに。教材は本当に多いですね。

スト6以外の格闘ゲームが苦戦する理由

ポッポ:でもスト6以外の格ゲーに教材なくないすか? ギルティギアをちょっと本格的にやろうと思って調べたら、攻略動画もちょこちょこあるんですけどちょっと古かったりして、実用的な動画は全くなくて……。

イッコウ:結局、人口の少なさがそういうところで響いちゃってるっていうのはあるよね……。で、せっかくプレイしてくれた人が定着してくれないという悪循環……皆さん人口は正義です。今日はこれを覚えて帰ってください。

のと:テストに出そう。

ふくた:昔はゲーセンで格ゲーやっても初心者のうちにお金がどんどん溶けていくので、今は初期投資さえすればランクマが実質無料みたいな感じで遊べますからね。初心者だったら最初の100試合ぐらいはほぼ負けじゃないですか。だから1万円ぐらい最初に溶かしてしまうっていう。

イッコウ:確かにね……人口は少ないし、初心者には厳しいし、過酷な環境だった。皆さん幸せな時期に格ゲーを始めてらっしゃいます。

つゆヒコ:幸せだな……。

たろちん: 逆に言うと過去が不幸すぎるよ。

ポッポ:本当そうですよね。

イッコウ:まあ過去があって、それをブラッシュアップした結果が今なわけですから……屍にも意味があります。きっと。

配信元: ねとらぼ

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